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2601.
憐憫はあらゆる道徳律者の基準である。
（ ショーペンハウアー ）
2602.
人は肯定において喜びを感じ、否定において悲しみを感ずる。
（ 柳田謙十郎 ）
2603.
知恵を持つことは最大の徳である。
知恵とは、ものの本性に沿って理解し、真実を言い、そして行うことである。
（ ヘラクレイトス ）
2604.
夫人達の貞淑は、しばしば自分の評判、自分の安静をいとおしむ心にすぎない。
（ ラ・ロシュフコー ）
2605.
もし自分に傲慢さが少しもなければ、我々は他人の傲慢さを責めはしないだろう。
（ ラ・ロシュフコー ）
2606.
智はいつも情に一杯食わされる。
（ ラ・ロシュフコー ）
2607.
だまっている奴は物騒だ。
騒ぎ立てる奴はそうでもない。
（ ラ・フォンテーヌ ）
2608.
人はよくあることには動じない。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
2609.
しばしば悲鳴は論文に勝る。
（ エマーソン ）
2610.
我々は己れのものを
他人と比較することなしに
愉しむのがよい。
他人が自分より幸福であることに
苦しめられるのであれば、
人はけっして幸福だとはいえない。
（ セネカ ）
2611.
過度に謙遜な人を真に受けてはいけない。
ことに、自分で自分を皮肉るような態度を信用してはいけない。
その背後には、たいがい虚栄心と名誉心の強烈な一服がひそんでいる。
（ カール・ヒルティ ）
2612.
我々に与えられた時間は、決して短いわけではなく、実はその多くを浪費しているだけなのである。
人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。
（ セネカ ）
2613.
みずからを憎しみ、みずからを蔑視するのは人間のみであり、他の生物には見られない独特の一種の病気である。
（ モンテーニュ ）
2614.
正直にしよう。
このことのうちに雄弁と徳行の秘訣があり、このことのうちに道徳的な影響力がある。
（ アミエル ）
2615.
よい格言は、時の歯がたつには堅すぎる。
そして、いかなる時代にも栄養のたしになるが、幾千年の歳月にも食いつくされはしない。
（ ニーチェ ）
2616.
自由・平等は悪い原理である。
真の人間的原理は正義である。
弱者に対する正義は保護もしくは善意である。
（ アミエル ）
2617.
自分の意見を隠すか、さもなければ、その意見の陰に自分を隠すか、そのいずれかがよい。
（ ニーチェ ）
2618.
力は常に快活さとともにある。
（快活さから生まれた）希望は、私たちに仕事をしようという気分を起こさせる。
（ エマーソン ）
2619.
働きのよろこびは、自分でよく考え、実際に経験することからしか生まれない。
それは教訓からも、また、残念ながら、毎日証明されるように、実例からも決して生まれはしない。
（ カール・ヒルティ ）
2620.
未来を気づかう心は悲惨なり。
（ セネカ ）
2621.
議論せずに問題に決着をつけるよりは、決着無しに議論する方がよい。
（ ジョセフ・ジュベール ）
2622.
友人との気楽な会話は、
私の最も好きな娯楽である。
（ デイヴィッド・ヒューム ）
2623.
気前よさそうに見えるのは、しばしば偽装した野心家にすぎない。
それは、わずかな利益を無視して巨利を獲得しようとしているのである。
（ ラ・ロシュフコー ）
2624.
紳士とは、
大道で追いはぎを働かない人間、
何人(なんぴと)をも殺さない人間、
つまり、その悪徳が破兼恥ではない人物のことである。
（ ラ・ブリュイエール ）
2625.
誠実な友として相携（たずさ）えて共に耐え抜いてきた苦労にまさる強いきずなはない。
（ カール・ヒルティ ）
2626.
もし人間の精神が理解できるほど単純なのであれば、人間はあまりに単純なためにそれを理解できないだろう。
（ エマーソン ）
2627.
あらゆる世俗の知恵は、かつて何人かの賢者が唱えた、とっつきにくい所見を修飾したものである。
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）
2628.
道徳を云々するものにとっては、退屈こそひとつの重要な問題である。
というのは、人類の罪悪の少なくとも半分は、退屈を恐れるあまりおかされるものであるから。
（ バートランド・ラッセル ）
2629.
不節制は快楽に毒である。
節制は快楽の禍いではなくて、その薬である。
（ モンテーニュ ）
2630.
運動と節制は、老境になっても、何らかの若い力を維持し得る。
（ キケロ ）

2631.
世界のファッショたちはおしなべて道徳屋であることは有名である。
彼らはすべて風紀屋である。
服装まで妙な制服にしたがるのである。
（ 戸坂潤 ）
2632.
組織的な知識の助けがなければ、生まれつきの才能は無力である。
直感は多くをなすが、すべてをなすものではない。
天才が科学と結婚して、初めて最高の成果を生むことが出来る。
（ ハーバート・スペンサー ）
2633.
何人も本意から悪人たるものなし。
（ ソクラテス ）
2634.
休息する時間がなければ継続できない。
（ オウィディウス ）
2635.
古代の偉人たちの人生を知らないということは、子供のままで一生を送ることだ。
（ プルタルコス［プルターク］ ）
2636.
生活が順調なる時は多くの友が取り巻くも、天運に恵まれず生活が左前になれば、ひとり置き去りにされる。
（ オウィディウス ）
2637.
完全な肉体は、それ自体が魂である。
（ サンタヤーナ ）
2638.
肉体的快楽は、刺激の強いものであるため、他の快楽を楽しむ能力のない人々によって追求される。
（ アリストテレス ）
2639.
すべての人間は、他人の中に鏡を持っている。
（ ショーペンハウアー ）
2640.
賢者は自然の富を熱心に求める。
（ モンテーニュ ）

2641.
理想とは、精神が秩序を予見することである。
精神は精神であるから、
つまり永遠を垣間見ることができるから、
理想を持ち得る。
（ アミエル ）
2642.
自分自身に満足していない人間に、いったい何ができるっていうんだい？
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）
2643.
理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。
（ ヘーゲル ）
2644.
悩みのみが正しい意味で、人を謙遜にする。
（ カール・ヒルティ ）
2645.
大きく正義を行おうとするものは、細かく不正を働かねばならない。
（ モンテーニュ ）
2646.
道徳とは個人における畜群本能である。
（ ニーチェ ）
2647.
道徳律はつねに変化している。
（ バートランド・ラッセル ）
2648.
同情されたがる渇望は自己陶酔、しかも、隣人の懐を傷めての自己陶酔の渇望である。
（ ニーチェ ）
2649.
気まぐれな読書は喜びを与えてくれるが、
有益なものとするには注意深い指導が必要だ。
（ セネカ ）
2650.
聖書は教義ではなくて文学である。
（ サンタヤーナ ）

2651.
正義は美徳の最上の栄光なり。
（ キケロ ）
2652.
いかに我々は
「相手に勝とうとする気持」だけで議論するのであろうか？
「新しい展開」を求めてゆくという
対話の基本原理を忘れてはならない。
（ 中島義道 ）
2653.
利益と必要が、あらゆる社交性の根本である。
（ エルヴェシウス ）
2654.
あらゆる人は同等である。

それを異なるものにするのは
生まれではなくて、
徳にあるのみ。
（ ヴォルテール ）
2655.
同情を表示するのは軽蔑のしるしと感じられる。
同情が示されると、直ちに相手の怖れの対象でないことがはっきりするからである。
（ ニーチェ ）
2656.
南国の勤勉は営利欲ではなく、他人に絶えず必要とされるからである。
食わんがためだけなら勤勉は不必要である。
北国のそれは、その反対である。
（ ニーチェ ）
2657.
内容なき思惟(しい)は空虚であり、概念なき直感は盲目である。
（ カント ）
2658.
私は知恵を貨幣に鋳造したい。
つまり、知恵を鋳造して、覚えやすく、伝えやすい箴言と格言とことわざとにしたい。
（ ジョセフ・ジュベール ）
2659.
我々は、自分の欠点を何か一つ克服するごとに、その分だけ高慢になっていく。
（ ラ・ロシュフコー ）
2660.
才能は称賛の方へなびく。
称賛の声は才能を幻惑する人魚である。
（ ジョセフ・ジュベール ）

2661.
己自身を統治できぬ者は、自由にあらず。
（ エピクテトス ）
2662.
無から有は生じない。
（ エピクロス ）
2663.
人間は自信を持ち、貫禄がつき、自分の仕事以外に己がないようになると、平凡なものになる。
役所ほど人間を殺すところはない。
（ アラン ）
2664.
すべての定義が失敗するほど、人間は幅広く、多岐多様なものである。
（ マックス・シェーラー ）
2665.
力強い勇気は、万人の心を打つ。
（ セネカ ）
2666.
大道のそばでひなたぼっこをしている乞食の有する安心感は、
もろもろの王様が欲しても得られないものである。
（ アダム・スミス ）
2667.
自然は、神が世界を支配する技術である。
（ トマス・ホッブズ ）
2668.
我々が敵と和解するのは、味方の条件をより有利にしようと願うからであり、戦争に疲れ果てているからであり、また、何か凶事が起こりはしないかと杞憂するからにすぎない。
（ ラ・ロシュフコー ）
2669.
野獣は野獣を知る。
同じ羽毛の鳥はおのずから一緒に集まる。
（ アリストテレス ）
2670.
パンを得んがために純粋無垢を失うよりも、餓死に甘んじるほうが人間にとってましである。
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）

2671.
確かな友は不確かな境遇の下(もと)で分かる。
（ キケロ ）
2672.
愛は、全ての徳のアルファにしてオメガである。
（ アンドレ・コント＝スポンヴィル ）
2673.
最も教育された者とは、人生のよいことにも悪いことにも最もよく耐えられる者である。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
2674.
間違った意見は一般に考えられているほど世の中には多くない。
というのは、たいていの人々は意見をぜんぜん持たず、他人の意見か、あるいはただの伝聞や人の受け売りで満足しているからである。
（ ジョン・ロック ）
2675.
臆病者はしばしば野心家であり、
威厳の鎧として権力を求める。
なぜなら、他の人々の礼節、ましてや尊敬は、
彼の悩みを眠らせてくれる香油であるからだ。
（ アラン ）
2676.
邪悪なる善は甘い蜜に潜む。
（ オウィディウス ）
2677.
目に見える水の流れは、地下を流れる水の量に比べると本当に少ないのと同じように、目に見える理想主義は、世の中の人々が心の中に閉じこめ、ほとんど出さないでいる理想主義に比べると本当に小さなものだ。
閉ざされているものを放ち、地下水を地表に導く。
人々はそれができる人が現れることを待ち焦がれている。
（ シュバイツァー ）
2678.
真に知的な人は、他の人が知識として有しているだけのことを、身体で感得している。
（ モンテスキュー ）
2679.
恋愛が欲望の手段ではなくして欲望が恋愛の手段である。
（ 和辻哲郎 ）
2680.
親の喜びはひそかなものである。
その悲しみや不安もまた同じだ。
（ フランシス･ベーコン ）

2681.
自立への大きな一歩は、胃を満たすことである。
（ セネカ ）
2682.
善人においては、現世にても死後にても、悪は発生せず。
（ ソクラテス ）
2683.
名門、名声は悪を示す仰々しき飾りなり。
（ 犬儒学派のディオゲネス ）
2684.
人生とは自らの道である。
一つのことを試みることであり、一つの道を端的に示すことである。
（ サルトル ）
2685.
君について、誠実でないとか、善い人間でないとか、そういったことを嘘を伴わずに言える権利を誰にも与えてはならない。
（ アウレリウス ）
2686.
優柔不断以外の習慣を持たない人間ほど惨めなものはない。
（ ウィリアム・ジェームズ ）
2687.
寛大は王権の最後の手段である。
しかし、私は厳格な服従によって、
その高貴なマントをはいでやる。
（ アラン ）
2688.
哲学というものは、たしかに、結構なものだよ、ひとが若い年頃に、ほどよくそれに触れておくぶんにはね。
しかし、必要以上にそれにかかずらっていると、人間を破滅させてしまうことになるのだ。
（ プラトン ）
2689.
我々が偉人に近づけば近づくほど、平凡人だということが明らかになる。
従者にとって偉人が立派に見えることは稀である。
（ ラ・ブリュイエール ）
2690.
法律が信用されているのは、
それが公正であるからではなく、
それが法であるからである。
これが、すなわち法律の権威の不可思議な基礎であり、
これ以外に基礎は全くない。
（ モンテーニュ ）

2691.
文明人は奴隷状態において
生まれ、生活し、死ぬ。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
2692.
思想と文化は常に
民衆の自発的なものであらざるを得ない。
（ 戸坂潤 ）
2693.
時は未来永劫の幻影なり。
（ プラトン ）
2694.
富は消費するためにある。
消費する目的は、名誉と善行である。
（ フランシス･ベーコン ）
2695.
無知であると思わせるのは、
時として最大の英知である。
（ バルタザール・グラシアン ）
2696.
風刺的な傾向を持つ人間は、
他人に自分の機知を恐れさせると同時に、
自分も他人の記憶を恐れなければならない。
（ フランシス･ベーコン ）
2697.
敵があなたを怖がらせる方法をよく観察すれば、敵がもっとも恐れていることを見つけることができる。
（ エリック・ホッファー ）
2698.
知的に閑暇を満たし得ることは、文明の至上の産物である。
（ バートランド・ラッセル ）
2699.
怒りは自己に悦(よろこ)びへつらう感情である。
（ モンテーニュ ）
2700.
世の中で生きるには、人々とつきあうことを知らなければならない。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）

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