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4001.
あり余るほど自由な時間のある人間は、たいてい悪いことを考えるものである。
（ スピノザ ）
4002.
雄弁は思想を写した絵画である。
従って、描き終わった後でなおも加筆する人は、肖像画の代わりに、装飾画を作ることになる。
（ ブレーズ・パスカル ）
4003.
習慣は第二の自然だといわれているが、人は、自然が第一の習慣だということを知らない。
（ ブレーズ・パスカル ）
4004.
人間への信仰は、人間の存在を可能ならしめる神性への信仰を前提としている。
（ カール・ヤスパース ）
4005.
私たちは他人を愛して生涯の半分を過ごし、他人の文句を言って残りの半分を過ごす。
（ ジョセフ・ジュベール ）
4006.
孤独は内に閉じこもることではない。
孤独を感じるとき、試みに、自分の手を伸ばして、じっと見詰めよ。
孤独の感じは急に迫ってくるであろう。
（ 三木清 ）
4007.
死後に残す人々の運命を、自分自身の運命と感じ得る能力が欠如している者ほど、また利己的にのみ生きてきた、利他の喜びを実感した経験のない者ほど、老年に至って自分自身の快楽がゼロに近づくに及んで、いよいよ利己的な形における生命の存続を妄執するものである。
（ J・S・ミル ）
4008.
理性は、本性よりもしばしば我々を欺く。
（ ヴォーヴナルグ ）
4009.
あまりに細心すぎるのは、繊細（の意味）を取り違えているのだ。
本当の繊細さは、確固とした細心さである。
（ ラ・ロシュフコー ）
4010.
おずおずと頼みごとをするのは、断ってくれというのも同じだ。
（ セネカ ）
4011.
もし我々にまったく欠点がなければ、他人のあらさがしをこれほど楽しむはずはあるまい。
（ ラ・ロシュフコー ）
4012.
たとえいかに必要な改革でも、
弱い心によって成されるならば、
過激に失し、それ自体また改革を必要とするだろう。
（ コールリッジ ）
4013.
自分で実行できることは、決して他人の手を煩わすな。
（ モンテスキュー ）
4014.
夢想家は自分自身に嘘をつくが、嘘つきは他人にだけ嘘をつく。
（ ニーチェ ）
4015.
我々の職業の大半は狂言である。
そのたずさわる役目が変わるたびに、新たな姿や形をとり、新たな存在に変質する者もある。
（ モンテーニュ ）
4016.
我々が小さな欠点を認めるのは、大きな欠点を持っていないと、人に信じさせるためである。
（ ラ・ロシュフコー ）
4017.
知性もあらゆる物と同じく消耗する。
学問はその栄養である。
知性を養い、かつそれを消耗する。
（ ラ・ブリュイエール ）
4018.
二つの悪のうち、小さいほうを選ぶようにしなければならぬ。
（ アリストテレス ）
4019.
つきあいには親切心が無くてはならぬ。
ただし、それには限度が必要である。
度を超えれば、親切心は屈従となる。
少なくとも物事にこだわらない親切心が必要である。
（ ラ・ロシュフコー ）
4020.
予知するために予見する。
予見するために観察する。
（ オーギュスト・コント ）
4021.
我々自身は不満だらけのものである。
そこにあるものは悲惨と空虚だけである。
（ モンテーニュ ）
4022.
妻は、
夫が若いときには愛人に、
夫が中年になったら友人に、
夫が年をとったら看護婦になれ。
（ フランシス･ベーコン ）
4023.
心には、理性で分からない理由がある。
（ ブレーズ・パスカル ）
4024.
我々は嘘の看板を上げて名誉を得ようとする。
徳はただそれ自体のためにのみ追求せられることを欲している。
それで、たまたま人間がほかの動機から徳の仮面を冠っても、徳はやがて我々の面上からそれをはぎとる。
（ モンテーニュ ）
4025.
若者からは暴力、老人からは成熟が、その生命を奪う。
（ キケロ ）
4026.
成功はすべて人間の悪しき性質を誘い出し、不成功は善き性質を育てる。
（ カール・ヒルティ ）
4027.
へつらいとは、悪徳の侍女なり。
（ キケロ ）
4028.
確かに、
たとえ卵焼きを作るためだけであっても、
家を燃やしかねないのが、
極端な利己主義者の本性である。
（ フランシス･ベーコン ）
4029.
勇気は笑いたいのだ……。
（ ニーチェ ）
4030.
思考は行動の種子である。
（ エマーソン ）

4031.
喜びが何であるかは、元来、多くの苦しみを耐え忍んできた人のみが知っているのだ。
それ以外の人たちは、真の喜びとは似ても似つかぬ単なる快楽を知っているにすぎない。
むしろそのような人々は、真の喜びに耐えることすらできないであろう。
（ カール・ヒルティ ）
4032.
生者は元来、しかも、ますます死者に支配されるものである。
（ オーギュスト・コント ）
4033.
神の欲する通りに欲することが、我々を安静にする唯一の知恵である。
（ アミエル ）
4034.
名声は川のようなものである。
軽くてふくらんだものを浮かべ、重くてがっしりしたものを沈める。
（ フランシス･ベーコン ）
4035.
理性に従った享楽は禁欲よりも辛い。
あるものを節制する方が、無いのを我慢するよりもずっと辛い徳である。
（ モンテーニュ ）
4036.
物事が変わるのではない。
私たちが変わるのだ。
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）
4037.
希望は、目覚めている者が見る夢であり、絶望は、眠れる政治家を持つ現実なり。
（ アリストテレス ）
4038.
科学は組織された知識である。
（ ハーバート・スペンサー ）
4039.
神すら過去を改めることはできない。
（ アリストテレス ）
4040.
自由第一主義にあらず、正義第一主義がおよそ社会主義の公式である。
（ アラン ）

4041.
人生の謎、喜び、哀しみ、そして平安──
こうした神秘的な経験を表現するのには、
言葉よりも音楽のほうが適している。
（ ポール・ブラントン ）
4042.
人は両端の燃えているローソクのようでなければならない。
（ ローザ・ルクセンブルク ）
4043.
疑義は哲学者の感知であり、
哲学は疑義に始まる。
（ ソクラテス ）
4044.
信仰は、人間が生きる拠り所とすべき力の一つだ。
そしてそれが皆無となることは破滅を意味する。
（ ウィリアム・ジェームズ ）
4045.
人間は世界史の重要な担い手であって、世界史は人類の運命の集合から生ずる。
（ ブレンターノ ）
4046.
自己の活動時代を持つ人のみが富者である。
（ エマーソン ）
4047.
真実は君の顔に書いてあるし、声にもあらわれる。
恋人同士が目を見るだけで、あらゆることが分かり合えるのと同じく、やがて分かることなのだ。
（ アウレリウス ）
4048.
何人にも恩恵を施す者は、他人より愛されるよりも、多く己を愛す。
（ アリストテレス ）
4049.
人は単に知っている（という）ことによって知慮ある人たるのではなくして、それを実践しうる人たることによってそうなのである。
（ アリストテレス ）
4050.
この人生劇場において、
観客たるべき神と天使のためにのみ
精力を蓄えておくべきなり。
（ ピタゴラス ）

4051.
知恵と学識を増大しようとする欲望こそ、
人間堕落の第一歩であった。
この道によって人間は永遠の呵責(かしゃく)へと陥った。
（ モンテーニュ ）
4052.
自殺のためのもっともらしき理屈を持ち合わせる人は、つまらぬ人間なり。
（ エピクロス ）
4053.
好首尾かつ幸運に運ばれし犯罪は美徳と称される。
（ セネカ ）
4054.
貧しい者とは、ほとんど何も持っていない人間のことではなく、もっと多くを渇望する人間のことを言う。
（ セネカ ）
4055.
人生を生きるためには理性を備えるか、それとも首括(くく)りの輪縄を用意しておかなければならない。
（ 犬儒学派のディオゲネス ）
4056.
英雄の光栄とするところは、飢饉と悲惨を外国人の間にもたらすことではなく、それらのものを国家のために忍ぶことである。
つまり、死を与えることではなく、死を軽んずる事である。
（ ヴォーヴナルグ ）
4057.
民主主義者は若い保守主義者であり、
保守主義者は老いた民主主義者であり、
貴族政治主義者は果実を結ばない民主主義者である。
（ エマーソン ）
4058.
各人はその能力に応じて、
各人にはその必要に応じて。
（ カール・マルクス ）
4059.
怨恨は愛情に劣らず浮気である。
（ ヴォーヴナルグ ）
4060.
欺瞞に対する最上の防御は詐欺なり。
（ ゼノン ）

4061.
各人は自己の前を見る。
私は自己の内部を見る。
私は自己だけが相手なのだ。
私はつねに自己を考察し、検査し、吟味する。
（ モンテーニュ ）
4062.
信仰も神の賜物である。
平和と愛が与えられるものから信仰もまた起こる。
（ アウグスティヌス ）
4063.
人間は他人の嘘にはたやすく気づくものであって、ただその嘘が自分におもねるときか、あるいはちょうど都合のよいときだけ、それを信じるのである。
（ カール・ヒルティ ）
4064.
沈黙が金なのだ。
不在が神なのだ。
神とは人間の孤独さだ。
俺しかいなかったのだ。
（ サルトル ）
4065.
どんなに醜怪(しゅうかい)、野蛮、あるいは美しい形態でも、それを眺める人間に内在する何かの属性の表現でないものはない。
（ エマーソン ）
4066.
想像とは心の遊びである。
自分だけを相手にする勝手な遊戯である。
（ アラン ）
4067.
若者は自分の受ける教育の結果をあれこれと思い悩んではならない。
もし毎時間を真剣な気持ちで勉強するならば、あとは成り行きに任せておいても安心である。
どんな学問分野を選ぼうと、ひたすらに努力を続ければ、いつかは同世代のすぐれた代表者として、勝利感にひたれる輝かしい朝が来る。
（ ウィリアム・ジェームズ ）
4068.
習慣を自由になし得る者は人生において多くのことを為し得る。
習慣は技術的なものである故(ゆえ)に自由にすることができる。
（ 三木清 ）
4069.
二重の用心は一重の用心に優る。
（ ラ・フォンテーヌ ）
4070.
年がら年中嫉妬の種ばかりまいているような女たちは、少しも我々が焼き餅を焼いてやるに及ばないであろう。
（ ラ・ブリュイエール ）

4071.
女性が男性を自由にするということは、それ自体は害悪ではない。
これは女性が人類の幸福の為に自然から享(う)けた賜物である。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
4072.
なによりもまず、いらいらするな。
なぜならすべては宇宙の自然に従っているのだ。
（ アウレリウス ）
4073.
賢者には、大地は至る所に開かれている。
善良なる魂の祖国は全世界なり。
（ デモクリトス ）
4074.
自然にあるすべてのものは法とともに行動する。
（ カント ）
4075.
渇きは飲物によって、欲望の熱は征服の満足によって癒される。
（ アミエル ）
4076.
「信仰」は悲惨な人たちには慰めであり、幸運な人たちにとっては恐怖の的である。
（ ヴォーヴナルグ ）
4077.
慰めは
苦悩を存続させながら、
いわば苦悩を苦悩において否定する
という注目すべき体験である。
（ ゲオルク・ジンメル ）
4078.
自然は人類を二人の君主、
つまり苦痛と快楽の支配下においてきた。
（ ジェレミー・ベンサム ）
4079.
自分が崇拝されたり、服従されたりすることを夢想する人間は帝国主義者である。
服装・徽章(きしょう)・名前がものをいう華やかな女優は帝国主義者である。
（ アラン ）
4080.
夢想は思考の日曜日。
（ アミエル ）

4081.
知性ある人間は、
猫の前で得意満面をつくったりはしない。
猫ほど見事にそれを無視する生き物はいないからである。
（ イポリット・テーヌ ）
4082.
己のベッドを己のための寺院とせねばならず。
（ ピタゴラス ）
4083.
神は知識そのものではなく、知識の種子をわれわれに与えたり。
（ セネカ ）
4084.
キリスト教の信仰は二つの真理、すなわち人間の自然性の堕落と、イエス＝キリストの購(あがな)いとを両立させるところである。
（ ブレーズ・パスカル ）
4085.
人は幸せである限り、多くの友人を持つことができるが、雲行きが悪くなれば孤独に陥るだろう。
（ オウィディウス ）
4086.
読書のコツは拾い読みにある。
従って、賢明になるコツは何を捨てるかを知る術にある。
（ ウィリアム・ジェームズ ）
4087.
ほかの人々は食わんがために生き、己自身は生きんがために食う。
（ ソクラテス ）
4088.
信じるとは魂の主張を受け入れることであり、信じないというのは魂の主張をしりぞけることである。
（ エマーソン ）
4089.
圧制は、自己の秩序を超えて全般を支配しようとするところに存する。
（ ブレーズ・パスカル ）
4090.
知識は信仰に従わなければならない。
知識は信仰を出し抜いたり、ましてや、それを裂いたりしてはならない。
（ オーギュスト・コント ）

4091.
人間性についての警句を求める人々は、泥水の中に入って探さなければならない。
すると、彼は彼自身の心の中にあるものを発見することになる。
（ ブラッドリー ）
4092.
他人の心情を顧みない者は失敗する。
（ ゼノン ）
4093.
汝らは獣のごとく生くるためにつくられたものにあらず、
徳と知識を求めんがためなり。
（ ダンテ・アリギエーリ ）
4094.
存在し続けるのは、変化のみである。
（ ヘラクレイトス ）
4095.
真実には、我々は何も知らない。
というのも、真理は奥底にあるから。
（ デモクリトス ）
4096.
宗教は無知の子供であり、その母より永くは生き延びることが出来ない。
（ ショーペンハウアー ）
4097.
人間の行動はすべて次の七つの原因の一つないし、それ以上のものを有す。
機会・本性・強制・習慣・犠牲・情熱・希望が、則ちこれなり。
（ アリストテレス ）
4098.
欲しいものではなく、
自分自身を手に入れなさい。
（ ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ ）
4099.
金は良い召使いだが、
場合によっては悪い主人でもある。
（ フランシス･ベーコン ）
4100.
論争に応ずる場合には、双方にとっていちばん不愉快なやり口は、立腹して黙っていることである。
というのは、攻撃者側は、一般的に沈黙を軽蔑のしるしと考えるからである。
（ ニーチェ ）

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