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1601.
神は人間を、その本質が天使と獣類との中間に存在するものとして創られた。
（ アウグスティヌス ）
1602.
我々の心が
運命を幸福にも不幸にもする
唯一の原因であり、支配者なのである。
（ モンテーニュ ）
1603.
男の幸せは「われ欲す」、女の幸せは「彼欲す」ということである。
（ ニーチェ ）
1604.
嫉妬は自分よりも高い地位にある者、
自分よりも幸福な状態にある者に対して起る。
だがその差異が絶対的でなく、
自分も彼のようになり得ると考えられることが必要である。
全く異質的でなく、
共通なものがなければならぬ。
（ 三木清 ）
1605.
歴史は、自由な国においてのみ真実に書かれうる。
（ ヴォルテール ）
1606.
大多数の人間は、
静かな絶望の生活を送っている。
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）
1607.
苦難はたいてい未来の幸福を意味し、それを準備してくれるものであるから、私はそうした経験を通じて、苦難のときには希望を抱くようになり、逆にあまり大きな幸福に対しては疑念を抱くようになった。
（ カール・ヒルティ ）
1608.
人の一生は短い。
君の人生はもうほとんど終わりに近づいているのに、君は自分に尊敬をはらわず、君の幸福を他人の魂の中に置くことをしているのだ。
（ アウレリウス ）
1609.
いかに押しつぶしても個人的人格は専制である。
（ J・S・ミル ）
1610.
うまい洒落(しゃれ)は、洒落るつもりがない時に生まれる。
同様に、我々が心を動かされるのは、その人にこちらの心を動かそうというつもりがまったくない時である。
（ ヴォルテール ）
1611.
19世紀においては、
神が死んだことが問題だったが、
20世紀では、
人間が死んだことが問題なのだ。
（ エーリヒ・フロム ）
1612.
いつまでもただの弟子でいるのは、師に報いる道ではない。
（ ニーチェ ）
1613.
人は幸福を探し始めると、
たちまち幸福を見つけられない運命に陥る。
（ アラン ）
1614.
怒りから己れ自身を抑制するには、人が怒っているのを冷静に観察することである。
（ セネカ ）
1615.
人間はみな、発見の航海の途上にある探求者である。
（ エマーソン ）
1616.
教育もまた、教育を必要としないだろうか？
（ カール・マルクス ）
1617.
誇張は嘘の小枝だ。
（ バルタザール・グラシアン ）
1618.
人を不安にするものは、事柄そのものではなく、むしろそれに関する人の考えである。
（ カール・ヒルティ ）
1619.
死人のみが、
戦争の終わりを知る。
（ プラトン ）
1620.
狭量になるのは、
狭量な人間に対した時だけにせよ。
（ イポリット・テーヌ ）
1621.
不正に対する感覚が鈍ること―それは、知性が浅はかな証拠である
（ エマーソン ）
1622.
富める者が自分のために戦争をする時、死ぬのは貧しき者の方なのだ。
（ ジャン＝ポール・サルトル ）
1623.
もし君が自分のために生きようと望むならば、他人のために生きねばなりません
（ セネカ ）
1624.
勇者の気持ちを味わいたければ、ありったけの気力をふるって、勇者らしく振る舞うことだ。
（ ウィリアム・ジェームズ ）
1625.
なにか、悲しくなりそうなことに出会ったときは、つねに自分にこう言いきかせよ。
これは不幸ではない、これに高貴に耐えることが幸福なのだと。
（ アウレリウス ）
1626.
絶望した側が戦いに勝つことがよくある。
（ ヴォルテール ）
1627.
最高（＝最悪）の孤独は、ひとりも親友がいないことだ。
親友がいなければ世界は荒野に過ぎない。
（ フランシス･ベーコン ）
1628.
個人に、自分の思うことを言ったり教えたりする自由が与えられない統治が、もっとも暴力的な統治である。
（ スピノザ ）
1629.
恋愛は掟を関知せず。
（ ポエティウス ）
1630.
言論が堕落したところでは精神も堕落している。
（ セネカ ）

1631.
ひまなことは忙しいよりはよいものだ。
余分なものを何一つ持たない我々庶民にとって、
時間だけが財産である。
（ バルタザール・グラシアン ）
1632.
真実の山では、登って無駄に終わることは決してない。
（ ニーチェ ）
1633.
我々は、
光のもとで暗闇を、
幸福のもとで悲惨を、
満足のもとで苦痛を思い起こすことはまれである。
しかし、その逆はいつもである。
（ カント ）
1634.
強欲を棄て去りたくば、その母たる贅沢を棄てよ。
（ キケロ ）
1635.
あらかじめ死を考えておくことは、自由を考えることである。
死を学んだ者は、奴隷であることを忘れた者である。
死の修得は我々をあらゆる隷属(れいぞく)と約束から解放する。
（ モンテーニュ ）
1636.
世の中で成功を収めるには、馬鹿のように見せかけ、利口に活動することである。
（ モンテスキュー ）
1637.
賢者を幸福にするには、ほとんど何も要らないが、愚者を満足させることは、何を以(も)ってしてもできない。
ほとんどすべての人間が惨めなのは、そのためである。
（ ラ・ロシュフコー ）
1638.
武器がものを言うとき、
法律は沈黙する。
（ キケロ ）
1639.
失うことを恐れるあまり必要な物を手に入れることも断念するという人は、理屈にも合わないし、卑怯である。
（ プルタルコス［プルターク］ ）
1640.
国民から認められると宗教という名を与えられ、国民が否認すれば迷信という名を付けられる。
（ トマス・ホッブズ ）

1641.
賢者は苦痛なきを求め、快楽を求めず。
（ アリストテレス ）
1642.
「情熱」の不断の生殖により、一つの「情熱」の消滅はもう一つの「情熱」の出現につながっている。
（ ラ・ロシュフコー ）
1643.
名高い詩人や芸術家らは、往々にしてメランコリーあるいは狂気である。
アイアスのごときはそれだ。
しかしそのような素質は、近頃でも、ソクラテスや、エンペドクレスや、プラトンその他多くの人々、ことに詩人の中に認められる。
（ アリストテレス ）
1644.
民衆が議論し始めると、
すべてのものが失われる。
（ ヴォルテール ）
1645.
模倣はしばしばわれわれを迷わせる道案内である。
（ ラ・ロシュフコー ）
1646.
自己とは自分にとって最良の友人である。
（ アリストテレス ）
1647.
あまりに多くの事をなし得る者は、自己の能力以上のことをなさんと欲す。
（ セネカ ）
1648.
いかなる身分でも、気晴らしができる限り幸福である。
それは自分自身について考えることから心をそらしてくれるという幸福である。
（ ブレーズ・パスカル ）
1649.
年々、時は過ぎ去るも、過ぎ去りし時は還らじ。
（ キケロ ）
1650.
求める目的とは反対の結果を生む努力がある。
一方、たとえうまくいかないことがあっても、
いつも有益な努力もある。
（ シモーヌ・ヴェイユ ）

1651.
才があって愚かな人はいるが、分別があって愚かな人は決していない。
（ ラ・ロシュフコー ）
1652.
美徳とは、自分自身の報酬である。
（ オウィディウス ）
1653.
諸君が貧しいならば、徳によって名をあげるがよいし、諸君が富裕であるならば、慈善によって名をあげるがよい。
（ ジョセフ・ジュベール ）
1654.
日本人の欠点は、
感覚を偏愛し、
理性に欠ける所にある。
（ 田中美知太郎 ）
1655.
財産や名誉を得ることのみ執心し、己の魂を善くすることに努めないのを、恥とは思わないのか。
（ ソクラテス ）
1656.
男女が結論だけ同じ時には、
双方の理由は、
いつもかけ離れている。
（ サンタヤーナ ）
1657.
自然は、我々の知性にとっては限りなく驚嘆すべきことを、最高度の容易さと単純さとで行なっているのです。
（ ガリレオ・ガリレイ ）
1658.
善行は、これを他人に施すものではない。
これをもって自分自身の義務を済ますのである。
（ カント ）
1659.
説得が手応えをもつには、理性だけでは駄目で想像力へのアピールが必要だ。
（ フランシス･ベーコン ）
1660.
どんなことにも笑う人間は、
どんなことにも泣く人間と同じく
阿呆である。
（ バルタザール・グラシアン ）

1661.
有能の評判を得たいという欲望は、
しばしば有能になることの邪魔をする。
（ ラ・ロシュフコー ）
1662.
書籍なき家は、主人なき家のごとし。
（ キケロ ）
1663.
青年は恋愛を欲しがり、壮年は地位を欲しがり、老人は貪欲になって地位も金も名誉もすべて欲しがる。
（ アラン ）
1664.
知性を伴わぬ名声と富は、
危険なる持ち物なり。
（ デモクリトス ）
1665.
仕事は、倦怠、悪徳、欲の三大悪から我々を遠ざける。
（ ヴォルテール ）
1666.
金と恋は人を鉄面皮にす。
（ オウィディウス ）
1667.
女性の力は精神的な力であり、男性の力は物質的な力である。
（ アラン ）
1668.
女の愛というものは、見ること、触れることによって、しばしば燃やされなければ、少しの間も保つことはできない。
（ ダンテ・アリギエーリ ）
1669.
沈黙を守っている知恵、あるいは発言する力なき知恵は無益なり。
（ キケロ ）
1670.
すべての知識は経験に基づく。
（ カント ）

1671.
人類史は記号の歴史、つまり宗教の歴史である。
（ アラン ）
1672.
私は明白な不正を隠れた不正ほどには憎まず、戦争の不正を平和の不正ほどには憎まない。
（ モンテーニュ ）
1673.
自分に自信を失うと、世界中が自分に敵対する。
（ エマーソン ）
1674.
人生において最も耐え難いことは、
悪天候が続くことではなく、
雲ひとつない日が続くことである。
（ カール・ヒルティ ）
1675.
無作法な態度はすべてを台なしにしてしまう。
理性や正義さえも。
（ バルタザール・グラシアン ）
1676.
持続とは、
変化を続けることである。
変化とは、
自己の中に「非自己」を取り込むことである。
（ アンリ・ベルクソン ）
1677.
真の男の中にはひとりの子供が隠れている。
この子供が遊びたがるのだ。
（ ニーチェ ）
1678.
賢人のもっとも美しいあり方は、きわめて控えめな言葉を使って、きわめて強烈なことを言うにある。
（ ルイ・ド・ボナール ）
1679.
貧困は不正なる事を教える。
（ セネカ ）
1680.
もろい氷のごとく、怒りは時を経れば氷結せん。
（ オウィディウス ）

1681.
改革は積極的で、
保守は消極的である。
前者は真理を目指し、
後者は安寧を目指す。
（ エマーソン ）
1682.
生命の剥奪が不幸ではないわけを悟り得た者にとっては、この世に何の不幸もない。
（ モンテーニュ ）
1683.
人間は互いにへつらうことばかりやっている。
人間同士の結びつきは、かかる相互の欺瞞(ぎまん)の上に築かれる。
（ ブレーズ・パスカル ）
1684.
実(げ)に
無分別は青春につきもの、
分別は老熟につきものである。
（ キケロ ）
1685.
悪の葉っぱに斧を向ける者は千人いても、
根っこに斧を向ける者は一人しかいない。
（ ヘンリー・デイヴィッド・ソロー ）
1686.
尊大に見えるよりも、実際に尊大であるほうが、ましなことは確かだ。
尊大な人はたまに侮辱する程度だが、尊大な風采は人をつねに侮辱する。
（ ドゥニ・ディドロ ）
1687.
人間は汚れた流れである。
それを受け入れて、しかも不潔にならないためには、我々は大海にならなければならない。
（ ニーチェ ）
1688.
過去というものは、人間がいかなる態度をとるべきかを教える力がない。
そのことは、人間が自分の回想する過去の光の中で覚醒し、自分自身で決断しなければならないことを意味する。
（ カール・ヤスパース ）
1689.
世間では驚嘆されながら、
妻や召使いから見れば、
何一つすぐれたところのなかった人もいる。
家中(かちゅう)の者から称讃された人というのはほとんどない。
（ モンテーニュ ）
1690.
男性における知的な風貌は、最も自惚れの強い連中の熱望する美の形成である。
（ ラ・ブリュイエール ）

1691.
後悔とは、苦い徒労の後戻りである。
それは過失の誤った利用である。
（ アラン ）
1692.
不運は確かに偉大な教師だが、
その授業料は高く、
それから得た利益は、
しばしばそれに費やした費用に匹敵しない。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
1693.
私達は何事にも刃向かえる。
が、好意にだけは反抗できない。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
1694.
世の最大の改革は、
利己的な行為の改革である。
（ エマーソン ）
1695.
何か不運に見舞われそうになったら、
起こり得る最悪の事態について真剣に、慎重に考えてみよう。
この起こり得る最悪の事態をしっかり見据えたら、
それも結局大した災難ではないと思うための理由を考えてみよう。
その理由は必ずあるものだ。
（ バートランド・ラッセル ）
1696.
恋愛においては、いかに難しいことがあっても、友愛におけるよりも、人の欠点を許す。
（ ラ・ブリュイエール ）
1697.
神を感じるのは心情であって、理性ではない。
信仰とは、そのようなものである。
（ ブレーズ・パスカル ）
1698.
困難は厳正なる教師である。
（ エドマンド・バーク ）
1699.
ある行為を後悔する者は、
二重に不幸あるいは無能である。
最初に邪悪な欲望によって、
ついで悲しみによって征服される者だからである。
（ スピノザ ）
1700.
心を向上させるために、我々は瞑想をするよりも、学ぶことを少なくすべきである。
（ デカルト ）

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