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三木清の名言
1.
私に真に愛するものがあるなら、そのことが私の永生(ながいき)を約束する。
2.
嫉妬は、嫉妬される者の位置に自分を高めようとすることなく、むしろ彼を自分の位置に低めようとするのが普通である。
3.
幸福は人格である。
4.
希望に生きる者はつねに若い。
5.
失われる希望というものは
希望ではなく、
期待という如きものである。
個々の内容の希望は
失われることが多いであろう。
しかし、
決して失われることのないものが
本来の希望なのである。
6.
健全な胃を持っている者が胃の存在を感じないように、幸福である者は幸福について考えない。
7.
もとよりたいていの習慣は無意識的な技術であるが、これを意識的に技術的に自由にするところに道徳がある。
修養というものはかような技術である。
8.
ジャーナリストは公平な批評家であるよりも、むしろ党派的意見の代表者である。
9.
孤独は山になく、街にある。
一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の間にある。
10.
言葉は空虚なもので、事実はつねに言葉よりも雄弁である。
11.
勤勉であることは、人間を知らずゆずらず屈辱的ならしめる。
12.
何物も断念することを欲しない者は真の希望を持つこともできぬ。
13.
嫉妬は自分よりも高い地位にある者、自分よりも幸福な状態にある者に対して起こる。
14.
愛する者、親しい者の死ぬことが多くなるに従って、死の恐怖は反対に薄らいでいくように思われる。
15.
虚栄はあらゆる人間的なもののうち最も人間的なものである。
16.
深く執着するものがある者は、死後自分の帰って行くべきところを持っている。
それだから死に対する準備というのは、どこまでも執着するものを作るということである。
17.
虚栄心というものは、自分があるよりも以上のものであると示そうとする人間的なパッションである。
18.
思索は下から昇ってゆくものであるとすれば、瞑想は上から降りてくるものである。
19.
感傷には常に何らかの虚栄がある。
20.
幸福について考えることはすでに一つの、おそらく最大の、不幸の兆しである。
21.
今日の人間は果たして幸福であるために幸福について考えないのであろうか。
むしろ我々の時代は人々に幸福について考える気力をさえ失わせてしまったほど不幸なのではあるまいか。
幸福を語ることがすでに何か不道徳なことであるかのように感じられるほど今の世の中は不幸に満ちているのではあるまいか。
22.
人は軽蔑されたと感じたときによく怒る。
だから自信のある者はあまり怒らない。
23.
成功と幸福とを、不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何であるかを理解し得なくなった。
自分の不幸（の原因）を不成功として考えている人間こそ、まことに憐れむべきである。
24.
節度を知らないような懐疑は
真の懐疑ではないであろう。
25.
目的のある娯楽は真の娯楽にならない。
（真の）娯楽には目的がなくて、
しかもそれは生活にとって合理的なものである。
26.
愛と嫉妬との強さは、それらが烈しく想像力を働かせることに基づいている。
27.
愛は純粋であり得るに反して、
嫉妬はつねに陰険である。
28.
度を超えた懐疑は
純粋に懐疑に止まっているのではなく、
一つの哲学説としての懐疑論になっているか、
それとも懐疑の神秘化、宗教化に陥っているのである。
そのいずれももはや懐疑ではなく、一つの独断である。
29.
嫉妬には天真爛漫ということがない。
愛と嫉妬とは、種々の点で似たところがあるが、先ずこの一点で全く違っている。
30.
嫉妬こそベーコンがいったように悪魔に最もふさわしい属性である。
なぜなら嫉妬は狡猾に、闇の中で、善いものを害することに向かって働くのが一般であるから。

31.
真の懐疑家は論理を追求する。
しかるに独断家は全く論説しないか、ただ形式的に論説するのみである。
32.
孤独が恐ろしいのは孤独そのもののためでなく、むしろ孤独の条件によってである。
33.
健康というのは平和というのと同じである。
そこに如何(いか)に多くの種類があり、多くの価値の相違があるであろう。
34.
人は敗北主義から独断家になる。
35.
同じ職業の者が真の友人になることは、違った職業の者の間においてよりも遙かに困難である。
36.
幸福はつねに外に現る。
単に内面的なことであるというような幸福は真の幸福ではない。
37.
今日(こんにち)の良心とは幸福の要求である。
38.
全体性における人間は天使でもなければ動物でもなく、天使であると同時に動物である。
かくして人間とは矛盾の存在である。
39.
この世界に於(お)いて行為することによって人間は自己を知り得るのである。
40.
もし私に人間の性の善であることを疑わせるものがあるとしたら、それは人間の心における嫉妬の存在である。

41.
希望を持つことはやがて失望することである。
だから失望の苦しみを味わいたくない者は初めから希望を持たないのが宜(よろ)しい、といわれる。
42.
生命とは虚無を掻き集める力である。
それは虚無からの形成力である。
虚無を掻き集めて形作られたものは虚無ではない。
43.
常ないものを常あるもののごとく思い、頼むべからざるものを頼みとするところに、人生における種々の苦悩は生ずる。
44.
断念することをほんとうに知っている者のみがほんとうに希望することができる。
45.
いかなる情念も愛と嫉妬ほど人間を苦しめない。
なぜならば、他の情念はそれほど持続性ではないから。
46.
伝統が創造されるというのは、それが形を変化するということである。
伝統を創り得るものはまた伝統を毀(こわ)し得るものでなければならぬ。
47.
死の恐怖は浪漫的であり、死の平和は古典的である。
死の平和が感じられるに至って初めて生のリアリズムに達するとも言われるであろう。
48.
大衆は文化保存の力である。
同時に大衆は文化革新の力である。
49.
論理によって懐疑が出てくるのではなく、懐疑から論理が求められてくるのである。
50.
孤独は内に閉じこもることではない。
孤独を感じるとき、試みに、自分の手を伸ばして、じっと見詰めよ。
孤独の感じは急に迫ってくるであろう。

51.
「人は不確実なもののために働く」、とパスカルは書いている。
けれども正確に言うと、人は不確実なものの「ために」働くのでなく、むしろ不確実なもの「から」働くのである。
52.
瞑想には条件がない。
条件がないということがそれを天与のものと思わせる根本的な理由である。
53.
人間が宗教をつくるのであって、宗教が人間をつくるのではない。
54.
習慣を自由になし得る者は人生において多くのことを為し得る。
習慣は技術的なものである故(ゆえ)に自由にすることができる。
55.
幸福は肉体的快楽にあるか精神的快楽にあるか、活動にあるか存在にあるかというが如き問いは、我々をただ紛糾に引き入れるだけである。
かような問いに対しては、そのいずれでもあると答えるのほかないであろう。
56.
嫉妬は平生(へいぜい)は「考え」ない人間にも「考え」させる。
57.
名誉心はまず自己を対象とする。
名誉心を持っている人間が最も嫌うのは流行の模倣である。
名誉心は何らかの仕方で永遠を考えている。
58.
怒りはどこか貴族的なところがある、善い意味においても、悪い意味においても。
59.
思索と瞑想との差異は、ひとは思索のただ中においてさえ瞑想に陥ることがあるという事実によって示されている。
60.
人生は何事も偶然であり、また必然でもある。
これを我々は運命と称している。
もし一切が必然であるならば、運命というものは考えられない。
偶然のものが必然の、必然のものが偶然の意味を持っているゆえに、人生は運命なのである。

61.
我々は愛する者に対して、自分が幸福であること以上の善いことを為しえるであろうか。
62.
人は自分の想像力で作り出したものに対して嫉妬する。
しかし嫉妬において想像力が働くのはその中に混入しているなんらかの愛に依(よ)ってである。
63.
懐疑は知性の徳として人間精神を浄化する。
ちょうど泣くことが生理的に我々の感情を浄化するように。
64.
ひとは不確実なものから働くというところから、あらゆる形成作用の根底に賭(かけ)があると言われ得る。
65.
人生はただ動くことでなくて作ることであり、単なる存在でなくて形成作用であり、またそうでなければならぬ。
66.
独断家は甚(はなは)だしばしば敗北主義者、知性の敗北主義者である。
彼は外見に表れるほど決して強くはない、彼は他人に対しても自己に対しても強がらねばならぬ必要を感じるほど弱いのである。
67.
噂は誰のものでもない、噂されている当人のものでさえない。
噂は社会的なものであるにしても、厳密に言うと、社会のものでもない。
68.
幸福論を抹殺した倫理は、一見いかに論理的であるにしても、その内実において虚無主義にほかならぬ。
69.
思想の危機に際して問題になるのは思想の性格である。
思想の性格の概念は思想の価値の概念から区別されるであろう。
全部で、69件
　
　
★ ★ ★ ★ ★
以下、ランダム名言コーナー
1.
人が誘いをかけるのは、すでに誘惑に負けている連中だけだ。
（ ティルー・ダルコンヴィル夫人 ）
2.
その歩き方、獲物に忍び寄る様、そして話し方……それらが、どんなありふれた猫をも、類い稀な存在に変えてしまう。
（ ピーター・コリアー ）
3.
一日幸せでいたいならば、床屋に行け。
一週間幸せでいたいなら、車を買え。
一ヶ月幸せでいたいなら、結婚をしろ。
一年幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。
（ イギリスのことわざ・格言 ）
4.
思いやりのない奴の仕事っていうのは（お客は）感動しない。
（お客に）満足はしてもらってはいるかもしれないけれど、感動はしてもらっていない。
（ 古田武 ）
5.
会話の法則──会話をして相手の話を聞いていると錯覚して、自分だけが喋(しゃべ)る。
（ 「マーフィーの法則」 ）
6.
大事にしてね。
他のことはどうでもいいよ。
あたしのことだけ見てろなんてことも言わない。
ただ向かい合ったら大事にしてよ。
（ 漫画『そどむ』 ）
7.
「ほめる」ということは、「あなたは私にとって、とても大切な存在なのです」というメッセージを、相手に送ることなのである。
相手も、そんなあなたを認めてくれ、あなたをほめてくれるだろう。
（ 植西聰 ）
8.
小さなことを立派に行うことが、人生を素晴らしいものにする。
（ ユージニア・プライス ）
9.
感情はしばしば精神の歪みからやってくる。
時として、精神が感情の投影でないとしたら、いっそう柔軟なものになろう。
（ ジャック・シャルドンヌ ）
10.
フリーターとかニートとか、何か気のきいた外国語使っているけどね。
私にいわせりゃ穀(ごく)つぶしだ、こんなものは。
（ 石原慎太郎 ）
11.
病気は、より高い人生の階段を登ってゆく通路に過ぎない
（ カール・ヒルティ ）
12.
不況でまっさきに売れ行きの落ちるのは紳士もので、次が婦人もの、
そして最後まで安定しているのが子どもものだそうである。
子どもをできるだけ辛い目にあわせたくない、
という親心がこの短い噂ばなしに滲み出ている。
（ 井上ひさし ）
13.
諷諫(ふうかん)、耳に逆うもその行いを利す。
（ 太宰治 ）
14.
寝際に鏡に自分の顔を映し、眉間をじっと見つめて真剣な気持ちで一声「お前、信念強くなる」という暗示を与えなさい。
お願いであってはならない。
自分に命令するのである。
（ 中村天風 ）
15.
さまよい歩く人すべてが道に迷うわけではない。
（ J・R・R・トールキン ）
16.
謝るくらいなら最初からするな！
（ 日本のことわざ・格言 ）
17.
汝を傷つけた人間は、汝より強い者か弱い者かのどちらかである。
もし弱い者であれば、その者を許しなさい。
もし強い者であれば、汝自身を許しなさい。
（ セネカ ）
18.
意志あるところに道あり。
（ 西洋のことわざ・格言 ）
19.
「幸福の七か条」　第五条
才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
（ 水木しげる ）
20.
年齢は勝ち負けではありません。
謙虚に、そして存分に味わえばよいのです。
（ 日野原重明 ）
21.
文章を書くのに（一字一句もゆるがせに出来ないのは言うまでもないが）、ことに大切なのは、題名、書き出し、結び、この三つである。
（ 太宰治 ）
22.
求めよ、さらば与えられん。
探せよ、さらば見つからん。
叩けよ、さらば開かれん。
（ 『新約聖書』 ）
23.
改革をはばむ敵は、外側にはいません。
内側にいます。
（ サミュエル・ライダー ）
24.
（※椅子取り遊びにたとえると）不機嫌というのは、男と女が共に棲(す)む場合、一つしかない椅子(いす)だと思う。
どちらかがそこへ坐ったら、片方は坐れない。
（ 田辺聖子 ）
25.
人はたくましいものなんですよ。
どんなに傷ついても、月日がたてば傷は薄らいでいく。
もちろん、そのときはどうして自分だけこんなに不幸なのと思うけど、前向きに生きるしかないのよ。
（ 東ちづる ）
26.
老いは年齢だけのことではない。
仕事に対する意欲の問題である。
（ 作者不詳 ）
27.
家の装飾は、しばしば訪れる友人達である。
（ エマーソン ）
28.
私がこれという仕事に取りかかると、決まって「いくら努力したって無駄だ」と横槍が入ったものだ。
一時はこの言葉が気になって仕方がなかった。
今ではもう何とも思っていない。
（ アーネスト・シャクルトン ）
29.
我々の後悔は、我々が行った悪を遺憾に思う心であるというよりはむしろ、それがやがて我が身にふりかかりはしないか、とあやぶむ心である。
（ ラ・ロシュフコー ）
30.
楽しいときは早く過ぎ、
苦しいときは長く感じる。
時間とは、
本当は数値に換算できないものなのではないか。
（ 杉浦日向子 ）
【 恐怖によって老いる 】
【 貿易摩擦 】
【 貧乏人になる 】
【 古い本を読む 】
【 自分の目を信じる 】
【 若い心 】
【 恋の扉から入れない 】
【 爪弾き 】
【 浅薄になる 】
【 編集 】
【 幸せになることを考える 】
【 コンプレックスは刺激 】
【 人間を迷わせる 】
【 世間の常識で規制 】
【 はっきりノーと言われない 】
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