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301.
大きな樹の真下に立ちどまって、樹を見上げる。
それだけだ。
それだけで、いまじぶんのいる風景が、きれいに変わってしまう。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
302.
私たちには確かに神性のかけらがある。
もともとは自然の力だった何かだ。
（ トーマス・ブラウン ）
（ Thomas Browne ）
303.
すべての水は完璧な記憶を持っており、永遠にもと来たところへ帰ろうとする。
（ トニ・モリスン ）
（ Toni Morrison ）
304.
自然とは不合理なものの絶え間ない侵入であり、神様の存在であり、巧(たく)まない美であり、生まれながらの善良であり、愛であり、人生における奇跡的なものの一切である。
（ シャルドンヌ ）
305.
私はいつも海の力の一部になりたいと願っています。
大自然の力は、
決して対抗できるものではない。
唯一の許される道は、
共に歩むことです。
共に歩む…
そうすれば、どこかに道が開ける…。
（ ジェリー・ロペス ）
306.
私たちが呼吸する空気、飲んでいる水、食べ物、これらはすべて自然からの預かりものです。
それが自然を大切にする理由です。
（ ワンガリ・マータイ ）
（ Wangari Maathai ）
307.
「安全」は迷信です
──自然界に安全は存在しません。
長い目で見ると、
危険を避け続けるのは、
危険にさらされるのと同じくらい危険です。
（ ヘレン・ケラー ）
（ Helen Keller ）
308.
なくしたくないもの。
草の匂い。樹の影。遠くの友人。
八百屋の店先の、柑橘類のつややかさ。
冬は、いみじく寒き。
夏は、世に知らず暑き。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
309.
数学、それは自然に関する科学の固有の一部である。
（ ロバート・オッペンハイマー ）
（ Robert Oppenheimer ）
310.
寒気の強い年には、春になって木々の緑が繁茂する。
人は、逆境に鍛えられて、初めて成長する。
すべて皆同じである。
（ ベンジャミン・フランクリン ）
（ Benjamin Franklin ）
311.
心ある人に私(わたくし)あれども、
心なき湯に私なし。
譬(たと)へば、
人密かに湯の中にて撒屁(おなら)をすれば、
湯はぶくぶくと鳴りて、忽(たちま)ち泡を浮かみ出す。
（ 式亭三馬 ）
（ Shikitei Sanba ）
312.
身体が自然状態に近づけば近づくほど、
心は自由になり、
既成の概念、枠組を離れて、
自分なりの考え、思いを生み出すことができる。
だから、執筆活動も
本当は素っ裸の状態が理想である。
（ 木村尚三郎 ）
（ Kimura Shouzaburou ）
313.
秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル。
夏の中に、秋がこっそり隠れて、もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、それを見破ることが出来ぬ。
（ 太宰治 ）
（ Dazai Osamu ）
314.
戸外へ出かけていって、風景をじっと見つめることを覚える。
そして、じぶんがこの世界の一部であるということをまなんでゆく。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
315.
森は海の恋人。
森は海を、海は森を恋(こ)いながら、悠久よりの愛紡ぎゆく。
（ 畠山重篤 ）
316.
ここには
虫けらや人間
何億種類のいのちあれど
人間だけが
ここを　我欲でよごす
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
317.
自然や季節の移り変わりに敏感な日本人独特の心情は、（自然や自然現象の）微妙な違いを言い表す表現方法や、語彙の豊富さによって培われたものです。
（ 佐藤富雄 ）
（ Satou Tomio ）
318.
日本で公園なんかを造るとき、何々（＝木や花）を一色に染めるというのが美の基準になっている。
それは違うんじゃないか。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
319.
最高の原理である神の意志から、
知性、世界精神、自然の順に流出する。
（ アヴィケブロン ）
320.
インドへ行ったとき、ヒンズー教の聖者がバカみたいな顔して空を眺めていたが、ぼくは一見して、「コレダ！」と思った。
目つきが牛とか植物のように自然そのものだった。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
321.
梅も百合も、さては名もなき野の花も、自然の寵児(ちょうじ)は、自らに恵まれた個性を、素直に発揮してゆくところに、みずからの生命を愉躍(ゆやく)し、そしてよく他と調和して、自然界の平安な美を保っている。
（ 九条武子 ）
（ Kujou Takeko ）
322.
歩くことは、あなたが見知らぬ人びとや見知らぬものや自然を見てすぎながら、その人たちやものや自然から、言葉や形や色でもって語りかけられるということだし、つぎに、あなたのほうでもそれらに語りかけないわけにはゆかないということだ。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
323.
自然という汲(く)めどつきせぬ一冊の本を読むには、
まず身をかがめなければいけない。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
324.
いつもおびえているような性分の者は必ず失墜する。
そのおびえがどこからやって来るのか、よく考えればわかるはずだ。
草の中で静かに眠ってみれば次の朝にはわかる。
（ 忌野清志郎 ）
（ Imawano Kiyoshirou ）
325.
風景を壊す復興、何もかも新しくしてというのは、何か間違えている。
風景を取り戻さないと記憶というのは残らない。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
326.
思考の節約が最も発達している学問は、
形式が最高度の進歩をとげた数学であり、
自然科学はしばしばこれに助けを求めている。
（ エルンスト・マッハ ）
（ Ernst Mach ）
327.
自然はやさしい案内者である。
私はいたるところに自然の足跡を探し求める。
我々人間は、人為的な痕跡でそれをわからなくしてしまった。
（ モンテーニュ ）
（ Montaigne ）
328.
芸術家はきわめて感受性に富む、
（自然との）確かな仲介者ですから、
自然を敏感に感じ取り、
それを認識して、
自分の創作の中に具象化し、表現します。
（ ル・コルビュジエ ）
（ Le Corbusier ）
329.
地球温暖化、資源枯渇、環境破壊、原子力発電の核燃料のごみは溢(あふ)れ、それでもなお人は「空騒ぎ」を続けるであろう。
その時、私はもうこの世にいない。
ざまァ見やがれ。
（ 車谷長吉 ）
（ Kurumatani Choukitsu ）
330.
草の実が語る。樫の木の幹が語る。
曲がってゆく小道が語る。
真昼の影が語る。ジョウビタキが語る。
独りでいることができなくてはいけない。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）

331.
川の氾濫とは、人類に対する川の反乱である。
（ 七瀬音弥 ）
（ Nanase Otoya ）
332.
自然は、子供が大人になる前には子供が子供であることを欲する。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
（ Jean Jacques Rousseau ）
333.
目にふれる全ての物は一切合財、宇宙の自然創造物以外の物は、全て人間の心の中の思考から生み出された物でしょう。
そうだと分かったら、あなた方の一生も、あなた方の心の中の考え方、思い方で、良くも悪くも作り上げられるもんだ、ということがすぐ分かってくるはずなんだ。
（ 中村天風 ）
（ Nakamura Tenpuu ）
334.
「敵」をやっつけるのが戦争ですが、
壊れるのは自然であり、
失われるのは生活であり、
死ぬのは人間です。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
335.
自然が人類として自分を生んだという
真正の自覚が孤独である。
少なくとも人間は
孤独になる他、
本当に自然を見る事は出来ない。
本当に人類と交渉する事は出来ない。
自分の孤独に祝福と感謝を感じている。
（ 岸田劉生 ）
（ Kishida Ryuusei ）
336.
二十歳の顔は、自然がくれたもの。
三十歳の顔は、あなたの生活によって刻まれる。
五十歳の顔には、あなた自身の価値が表れる。
（ ココ・シャネル ）
（ Coco Chanel ）
337.
自然とは、最も簡単な数学的な考え方の実現である。
（ アインシュタイン ）
（ Albert Einstein ）
338.
平等が自然の法則であることは間違いである。
自然は何一つ平等なものを作っていない。
自然の法則は服従と隷属である。
（ ヴォーヴナルグ ）
（ Vauvenargues ）
339.
日夜に人知らぬ楽しみ有り。
山中に住めば山岳の興あり。
海辺に居れば蒼海の趣を知る。
（ 慈雲 ）
（ Jiun ）
340.
芸術作品は、
自然という火で料理し、
思い出という貯蔵庫にしまい込み、
空想という黄金のつぼの中で三度温め直して、
器用な手で給仕され、
最後に感謝の念をいだいて、
旺盛な食欲をもって平らげられるべきものだろう。
（ ブッシュ ）

341.
我々が広々とした自然にこれほど居たがるのは、自然が我々に関してなんら意見を持っていないからである。
（ ニーチェ ）
（ Nietzsche ）
342.
賢くなろうとして本や黒板に教えを乞(こ)うてはならない。
天と地と林と木の葉とは、本当に子供らを賢くするであろう。
（ ヤン・アモス・コメニウス ）
343.
自然を翻訳すると
みんな人間に化けてしまうから面白い。
崇高だとか、偉大だとか、雄壮だとか、
みんな人格上の言葉になる。
（ 夏目漱石 ）
（ Natsume Souseki ）
344.
自然は神の芸術なり
（ ダンテ・アリギエーリ ）
（ Dante Alighieri ）
345.
子供に還らなければ、何一つこの忝(かたじけな)い大自然のいのちの流れをほんとうにわかる筈はありません。
（ 北原白秋 ）
（ Kitahara Hakushuu ）
346.
自然の知恵から見れば、人間の賢さも愚かさもタカが知れている。
その僅かな知恵の幅の中で、いささかの賢さを誇り、いささかの愚かさを卑下してみても何になろう。
（ 松下幸之助 ）
（ Matsushita Kounosuke ）
347.
私は生かされている。
野の草と同じである。
路傍の小石とも同じである。
（ 東山魁夷 ）
（ Higashiyama Kaii ）
348.
人間は自然に服従しながら、
自然を支配する。
（ フランシス･ベーコン ）
（ Francis Bacon ）
349.
自然は神の生きた服装である。
（ トーマス・カーライル ）
（ Thomas Carlyle ）
350.
全ての芸術、全ての教育は、単に自然の付属物に過ぎない。
（ アリストテレス ）
（ Aristotle ）

351.
機械は人間を偉大なる自然の問題から分離させないであろう。
むしろさらに深刻な問題で人間を悩ませることであろう。
（ サン・テグジュペリ ）
（ Saint Exupery ）
352.
生は永久の闘いである。
自然との闘い、社会との闘い、他の生との闘い、永久に解決のない闘いである。
闘え！
闘いは生の花である。
みのりの多き生の花である。
（ 大杉栄 ）
（ Oosugi Sakae ）
353.
自然は優しく微笑む母のように、我々の夢を育て、空想を楽しませてくれる。
（ ヴィクトル・ユーゴー ）
（ Victor Hugo ）
354.
なぜ私は結局、最も好んで自然と交わるのか。
自然は常に正しく、誤りはもっぱら私の側にあるからである。
（ ゲーテ ）
（ Goethe ）
355.
日本人は、古きより
美しくやさしき自然に育てられて、
美しくやさしき詩人たるべく養われたりき。
（ 山路愛山 ）
356.
人間は神が創ったということは僕は信じられない。
神が創ったものとしては人間は無情すぎ、不完全すぎる。
しかし自然が生んだとしたら、あまりに傑作すぎるように思えるのだ。
（ 武者小路実篤 ）
（ Mushanokouji Saneatsu ）
357.
自然は絶えず建設し、
また絶えず破壊する。
自然の工場は及び難い。
（ ゲーテ ）
（ Goethe ）
358.
歓びは、
自然を動かす強いバネ。
歓びこそは、
大宇宙の時計仕掛けの歯車を回すもの。
（ シラー ）
（ Friedrich Von Schiller ）
359.
自然がどんなに大きな優雅を与えようとも、偉人英傑を作るのは自然だけではなく、自然と手を組んだ運命である。
（ ラ・ロシュフコー ）
（ La Rochefoucauld ）
360.
自然に強制を加えてはならず、むしろ、これに従うべきなり。
（ エピクロス ）
（ Epikouros ）

361.
自然の中には、僕の愛に値しないものは何もない。
一人の人間も、一本の木も。
（ ロマン・ロラン ）
（ Romain Rolland ）
362.
自然が暴威をふるわないところでは、自然は合理的な姿に己を現してくる。
（ 和辻哲郎 ）
（ Watsuji Tetsurou ）
363.
自然はあらゆる規則に対して例外をもうける。
（ マーガレット・フラー ）
364.
優しい自然と厳しい自然の両面がなければ、自然は自然といえない。
人生においても、この二つの両面、快く楽しい面と厳しく辛い面を体験していないと、自然な人間ではないと思えてくる。
（ 長谷川恒男 ）
365.
人間が自らの運命に適応するように自然は計らう。
人格という果実を与えることによって。
（ エマーソン ）
（ Ralph Waldo Emerson ）
366.
冬が来れば春はま近い。
桜は静かにその春を待つ。
（ 松下幸之助 ）
（ Matsushita Kounosuke ）
367.
自然には驚くべき真理がひそんでいる。
天、地、海のどこにも、
真理が満ちあふれている。
（ エレン・G・ホワイト ）
（ Ellen G. White ）
368.
自然のあり方はとても参考になります。
自然はいつもあなたと共にあり、いつでも見習うことができます。
時間をかけて、すぐ身近にあるものに耳を澄ませ、良く観察しなさい。
（ ジョン＆リン・セントクレアトーマス ）
369.
（山登りは）初めはつねに難しいというが、
登るにしたがって、
その労を少なくするのは、
山の自然である。
（ ダンテ・アリギエーリ ）
（ Dante Alighieri ）
370.
自然は人類を
二人の君主、
つまり苦痛と快楽の支配下においてきた。
（ ジェレミー・ベンサム ）
（ Jeremy Bentham ）

371.
人間が本来的に持っている秘めたる力、
それが潜在能力です。
潜在能力は誰にでもあり、
それは自然が与えた最高の力です。
あなたがそれを意識するとき、
力は最高度に発揮されます。
（ ジョセフ・マーフィー ）
（ Joseph Murphy ）
372.
人間にふさわしい態度は、死に対して無関心であるのでもなく、烈しい気持ちをいだくのでもなく、侮蔑するのでもなく、自然の働きの一つとしてこれを待つことである。
（ アウレリウス ）
（ Aurelius ）
373.
心の澄んだ思慮深い精神は、色彩を最愛とするものである。
（ ジョン・ラスキン ）
（ John Ruskin ）
374.
いつでも大空が、
自然の果てしないものが
私を引きつけ、
喜びをもって眺める機会を
私に与えてくれる。
（ ポール・セザンヌ ）
（ Paul Cezanne ）
375.
自然が人間の母なら、
習慣はその乳母で、
知恵も勇気も才能も、
それを悪くするばかりである。
（ アレキサンダー・ポープ ）
（ Alexander Pope ）
376.
人間は絶えず自然を変えてゆく。
（ フランスのことわざ・格言 ）
（ France saying ）
377.
人間は所詮百八の煩悩を持っている凡夫なのだから、
まず、他の動物たちのように、
総てを捨て去って自然のままの姿になりなさい。
（ 明庵栄西 ）
（ Myouan Eisai ）
378.
自然を深々と見つめれば、
すべてのことがよりよく理解できるようになるだろう。
（ アインシュタイン ）
（ Albert Einstein ）
379.
大自然こそ、法なのです。
大自然、環境問題を大切にするというのは、それこそが生きるものの法だからです。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
380.
地震も台風も洪水も、あらゆる自然災害は、地球が生きている証拠です。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）

381.
対立、もしくは
作用と反作用こそ、
我々が自然のあらゆる面で遭遇することである。
（ エマーソン ）
（ Ralph Waldo Emerson ）
382.
自然と美徳は、社会や財産の産物である学問と芸術によって害される。
（ ジャン・ジャック・ルソー ）
（ Jean Jacques Rousseau ）
383.
小生思うに、
わが国特有の天然風景は
わが国の曼荼羅(まんだら)ならん。
（ 南方熊楠 ）
（ Minakata Kumagusu ）
384.
習慣は第二の自然である。
第一の自然に比べて弱いものではけっしてない。
（ モンテーニュ ）
（ Montaigne ）
385.
自然の深い研究こそ、数学上の発見の最も豊かな源泉である。
（ ジョゼフ・フーリエ ）
（ Joseph Fourier ）
386.
自然は女性を、原理に従うよりも感情に従って行動するように創った。
（ リヒテンベルク ）
（ Lichtenberg ）
387.
私にとっては自然が先生です。
自然に少しずつでも近づきたいと思って描いているわけです。
（ 原田泰治 ）
388.
（自然の中にあるもので）人格上の言葉に出来ない輩(もの)には、
自然が毫(ごう)も人格上の感化を与えていない。
（ 夏目漱石 ）
（ Natsume Souseki ）
389.
我ら、
この地上にありて生きる限り、
歓びより歓びへと導くは
自然の恩恵なり。
（ ウィリアム・ワーズワース ）
（ William Wordsworth ）
390.
木の芽がのびるのは
やわらかいから
若葉がひろがるのは
やわらかいから

かすかな風にも
竹がそよぐのは
竹がやわらかいから
（ 相田みつを ）
（ Aida Mitsuwo ）

391.
桜が咲いた、ヒマワリが咲いた、柿はどうした、野菜はどうしたというような話が（被災地の）人々の励みになっている。
もしそれがなかったら、みんな自分を支えることは非常に難しいのではないか。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
392.
（建造物の）存在感を出すには、自然を無視してはならない。
光をとらえて自在に操るんだ。
大切なのは光だ。
（ 映画『イルマーーレ（米国版）』 ）
393.
葉の隅に輝く
一滴の雫(しずく)にも、
ダイヤモンドの美しさがある。
（ ロバート・バーンズ ）
（ Robert Burns ）
394.
私の前にある美しい光景よ、どうか私を歩ませてください。
私の後ろにある美しい光景よ、どうか私を歩ませてください。
私の頭上にある美しい光景よ、どうか私を歩ませてください。
私の足もとにある美しい光景よ、どうか私を歩ませてください。
私を取り囲むすべての美しい光景よ、どうか私を歩ませてください。
（ クレッゼ・ハタル ）
395.
書かれた文字だけが本ではない。
日の光り、星の瞬き、鳥の声、
川の音だって、本なのだ。

ブナの林の静けさも、
ハナミズキの白い花々も、
おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
396.
精霊信仰というものは、
大昔にあって退化したように考えられているが、
それがそもそもの過ちで、
森へ行けば、森の精気を吸うから
誰でも（精霊を）感じられる。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
397.
風景というものは、永い年月、いろんな人から眺められ形容せられ、謂(い)わば、人間の眼で舐められて軟化し、人間に飼われてなついてしまっている。
（ 太宰治 ）
（ Dazai Osamu ）
398.
春ここに生まるる朝の日を受けて
山河草木みな光あり
（ 佐佐木信綱 ）
（ Sasaki Nobutsuna ）
399.
本能とは、個体を超えた自然の設計というものを否定するためにもちだされる窮余の産物にすぎない。
自然の設計が否定されるのは、設計が物質でも力でもないので、設計とはなにかということについて正しい概念が形成できないためである。
（ ヤーコプ・フォン ユクスキュル ）
400.
一葉落ちて天下の秋を知るは
一枚の落ち葉に諸々の凋落の兆しを知ること、
そのように深く思いをいたして物思う季節が秋であり、
秋に心と書くのが愁いという漢字です。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）

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