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草の実が語る。樫の木の幹が語る。
曲がってゆく小道が語る。 真昼の影が語る。ジョウビタキが語る。 独りでいることができなくてはいけない。 長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015) 詩集『一日の終わりの詩集』 詩「空の下」 〈全文〉
黙る。そして、静けさを集める。 こころの籠を、静けさで一杯にする。 そうやって、時間をきれいにする。 独りでいることができなくてはできない。 __ Link __ 静けさのなかには、ひとの 語ることのできない意味がある。 言葉をもたないものらが語る言葉がある。 独りでいることができなくてはいけない。 __ Link __ 草の実が語る。樫の木の幹が語る。 曲がってゆく小道が語る。 真昼の影が語る。ジョウビタキが語る。 独りでいることができなくてはいけない。 __ Link __ 時間の速度をゆっくりにするのだ。 考えるとは、ゆっくりした時間を いま、ここにつくりだすということだ。 独りでいることができなくてはできない。 __ Link __ 空の青さが語る。賢いクモが語る。 記憶が語る。懐かしい死者たちが語る。 何物もけっして無くなってしまわない。 独りでいることができなくてはいけない。 この世はうつくしいと言えないかもしれない。 幼いときは、しかしわからなかった。 この世には、独りでいることができて、 初めてできることがある。 ひとは 祈ることができるのだ。 __ Link __
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( ハンス・セリエ博士 )
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