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長田弘の名言
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［ テーマ別今日の名言 ］
《 長田弘 》
　* * * * * * * * * *
《 星座別名言と運勢 》
《 血液型別名言と運勢 》
101.
記憶というのは、
もとのものをそのままにたもつのではなく、
もとからのものを、
じぶんの心のかたちにしたがって、
ゆっくりと変えてゆく。
（ 長田弘 ）
102.
人間の愚かさをまなぶために、本は読むべきだ。
地球上でもっとも思いあがっているのは
まちがいなく人間だろう。
（ 長田弘 ）
103.
空の色は記憶にしかとどめることはできないのだ。
（ 長田弘 ）
104.
語るべきことをもつ本は、必ず本のほうから語りかけてくると思う。
聴くものに聴こえるだけのひそやかな声で語るのが、本だ。
（ 長田弘 ）
105.
ひとはひとに言えない秘密を、
どこかに抱いて暮らしている。
それはたいした秘密ではないかもしれない。
けれども、
秘密を秘密としてもつことで、
ひとは日々の暮らしを明るくこらえる力を、
そこから描きだしてくるのだ。
（ 長田弘 ）
106.
わかってくれるはずと、思っていた。
間違っていた。誰も何もわかってくれない。
きみは、そのことに気づいていたか？
（ 長田弘 ）
107.
詩を書くことは、目の前の日々から思いがけない真髄を抽きだすということ。
（ 長田弘 ）
108.
たたずまう樹が（人に）思いださせるのは、その原初の記憶なのだ。
人はかつて樹だった。
だが、今日もはや、人は根のない木か、伐られた木か、さもなければ流木のような存在でしかなくなっているのではないだろうか。
（ 長田弘 ）
109.
音楽は、
おそらくいちばん正直な芸術なのだ。
信じていい。
バッハの無伴奏チェロ・ソナタを
聴きたくないときは、
ほんとうに身体がどこか悪いのだ。
（ 長田弘 ）
110.
詩の言葉は、本質的な意味で、言葉を翻訳する言葉です。
言葉を異なる状況に、異なる文脈に、異なる意味に翻訳して、言葉に異なった光をあてて、言葉を光らせる言葉です。
（ 長田弘 ）
111.
世界は一冊の本である。
どんなに古い真実も、
つねにいちばん新しい真実でありうる。
それが、一冊の本にほかならないこの世界の
ひそめるいちばん慕(した)わしい秘密だ。
（ 長田弘 ）
112.
風景に手を付けたものは、必ず（自然によって）復讐される。
（ 長田弘 ）
113.
結局、やめなかったことが、わたしの人生の仕事になりました。
──読むこと。聴くこと。そして、書くこと。
（ 長田弘 ）
114.
子どもの本と付きあうというのは、子どもの本を子どもの本たらしめている本質を感じとるという経験をする。
そういうことだろうと思うのです。
（ 長田弘 ）
115.
（人生に必要なのは）
なくてはならないものではなかった。
なくていい。そう思い切ることだった。
（ 長田弘 ）
116.
プロパガンダの言葉で、詩の言葉は書けないのです。
詩の言葉は、気のきいた「号令的讃美」の言葉とは、はっきりとちがう。
（ 長田弘 ）
117.
ときには、木々の光りを浴びて、
言葉を深呼吸することが必要だ。
（ 長田弘 ）
118.
懐中電灯が光をつつむ闇をさそいだすように、言葉は言葉をつつんでいる沈黙をさそいだすことができるのでなければならない。
（ 長田弘 ）
119.
新しい真実なんてものはない。
（ 長田弘 ）
120.
（家庭における）子どもに対する教え方というのは、それぞれの日々のあり方の中で、教えるということ。
（ 長田弘 ）
121.
（人生で）心からゆったりとくつろいで満足し、
すこしも心配しない時間は、
せいぜい三カ月もない。
としたら、
人間は生きているあいだに、
いったい何をすればいいのか。
何をたのしめばいいのか。
（ 長田弘 ）
122.
毎日、青空の下で、
おもいきり精神を働かすのだ。
（ 長田弘 ）
123.
ことばというのは、たがいに関連しあう意味のまとまり、イメージのまとまりです。
（ 長田弘 ）
124.
詩は、いま、ここに、一人の私が耳を澄ます澄ましかた、ものを見る見かた、深く感じる感じかたなのだ。
（ 長田弘 ）
125.
詩の言葉は、一人のわたしの感情のやりばではない。
社会にむきあって、その「しんどさ」に耐えられるだけの言葉を、一人のわたしの言葉として、じぶんのいま、ここに置く。
（ 長田弘 ）
126.
日常をよく生きることにかけて、ひとは猫に、到底およばない。
「そこにいる」あるいは「ここにいる」ことを、猫のようにさりげなく上手に楽しむ才能は、ひとにはないとおもう。
（ 長田弘 ）
127.
おやすみなさい悲しみを知る人
（ 長田弘 ）
128.
本を読む人をつくりだすのは、習慣としての読書です。
本を読まない人をつくりだすのは、情報収集としての読書です。
（ 長田弘 ）
129.
言葉はすべてを表現できない、ということをよくよくかんがえなければいけないんだとおもう。
どんなものでも言葉にしてしまえば「そんなもの」になってしまうだろう。
（ 長田弘 ）
130.
いつでもまっさきに見落とされるもののうちにあるのは、どんなときも平凡な真実だ。
（ 長田弘 ）

131.
いま、わざとしての芸術というものが、うっかりすると、表現としての芸術というのに強く押されてしまって、忘れられているんじゃないかという気がします。
（ 長田弘 ）
132.
なくてはならないもの。

何でもないもの。なにげないもの。
ささやかなもの。なくしたくないもの。
ひと知れぬもの。いまはないもの。
さりげないもの。ありふれたもの。

もっとも平凡なもの。
（ 長田弘 ）
133.
季節感というのはごく当たり前のように思っているけれども、われわれはそういうものにすごく動かされている。
（ 長田弘 ）
134.
深呼吸として、本は読みたい。
（ 長田弘 ）
135.
幸福とは、単純な真実だ。
必要最小限プラス１。
（ 長田弘 ）
136.
何がなくていいか、それが、人生の
たぶんすべてだと。それは本当だった。
（ 長田弘 ）
137.
世界を、過剰な色彩で覆ってはいけないのだ。
沈黙を、過剰な言葉で覆ってはいけないように。
（ 長田弘 ）
138.
言葉にできない感情は、じっと抱いてゆく、
魂を温めるように。
その姿勢のままに、言葉をたもつ。
じぶんのうちに、じぶんの体温のように。
（ 長田弘 ）
139.
言葉を深呼吸する。
あるいは、言葉で深呼吸する。
（ 長田弘 ）
140.
古い真実は忘れない。
（ 長田弘 ）

141.
ありふれた真実がないがしろにされて、何事につけ、価値というものがもっぱら「例外」にもとめられるとすれば、それはひとの心根の貧しさを明かしこそすれ、ひとの気もちをゆたかにすることはない。
（ 長田弘 ）
142.
日々に必要なものがあれば、
ほかに何もないほうがいいのだ。
（ 長田弘 ）
143.
あれかこれかという二分法の思考でことを簡単にすることは、どんなにたやすくとも、たやすいぶんだけ、言葉をうそハッタリにしてしまう。
（ 長田弘 ）
144.
どんなことも「面白い」「つまンない」という、二つのことばですまそうと思えばすんでしまうというようなことは、けっして豊かなことではありません。
（ 長田弘 ）
145.
どれほど不完全なものにすぎなくとも、
人の感受性にとっての、大いなるものは、
すぐ目の前にある小さなもの、小さな存在だと思う。
（ 長田弘 ）
146.
今はどっちを向いても、
ことごとく説明の時代ですが、
見て感じて聴き入って考えて、
うつくしいと言うのに、
いったい説明や弁明が必要でしょうか。
（ 長田弘 ）
147.
ひとのいちばん大事なものは正しさではない。
（ 長田弘 ）
148.
親しい仲にも秘密がある。
ひとの秘密には手をふれてはいけないのだ。
（ 長田弘 ）
149.
ひとはみな本質的に田舎者なのだ。
（ 長田弘 ）
150.
（現代において）知識とは、新しい知らない名詞をたくさん収集することであり、情報は、新しい知らない名詞をたくさん提供することだ。
売るとは、新しい知らない名詞を売ること。
消費は、新しい知らない名詞を消費することだ。
（ 長田弘 ）

151.
たとえ愚かにしか、
生きられなくても
愚かな賢者のように、
生きようとは思わない。
（ 長田弘 ）
152.
変わらないものというのは、本当に啄木の言ったとおりなんですね。
「ふるさとの山に向かいて言うことなし」、山は変わらない。
建物も木もみんな変わってしまったけれども、ああ、山は変わらないんだと。
昔の漢詩の時代から、山は自分のふるさとの象徴だと。
（ 長田弘 ）
153.
木立の上に、
空があればいい。
大きな川の上に、
風の影があればいい。
花と鳥と、光差す時間、
そして、おいしい水があれば。
僅(わず)かなもの、ささやかなものだ、
人の生きる権利というものは。
（ 長田弘 ）
154.
歴史があたかも風物詩のようにしか語られなくなることのふしぎさが、この国ではめったに糺(ただ)されることがない。
（ 長田弘 ）
155.
いつかはきっと
いつかはきっとと思いつづける
それがきみの冒した間違いだった
（ 長田弘 ）
156.
海を見にゆくということは、古来わたしたちの感受性を深く培ってきました。
海辺に立って、浜辺に座って、ただ海を見る。
遠くを見つめる、あるいは朝まだき、日の出を見に行く。
夕方海に落ちてゆく夕日を眺めにゆく。
（ 長田弘 ）
157.
花瓶や果物を描くのはどういう欲求によるかというときには、
自分の心のさまを描くのではなくて、
自分の前にある自分の生活をつくっている、あるいは人生をつくっている、そのものを描き取ると、
どういうものが自分の中に開けてくるか
ということじゃないかと思うんです。
（ 長田弘 ）
158.
絵本にいちばん近いものとして
能の面を考えるとわかりますが、
あの表情は動かない。
でも見る者によって動くのです。
絵本も同じように、絵は動かない。
でも読み手によって動くのです。
なにより自由な心の働きをもとめるのが絵本ですが、
その意味では、
絵本は心のこわばった大人にとってもまたふさわしいものです。
（ 長田弘 ）
159.
ふだんは気づきもしないが、確実にそこにある何か、何かとしかいえないような何かが、毎日の暮らしのなかにある。
けれども、もしこうあるべきだという考えを先に立てて毎日の暮らしをふりかえっても、そうした何かは、きっと掴(つか)まえることができない。
（ 長田弘 ）
160.
戦争の言葉で信じられるのは、無言の言葉だけです。
（ 長田弘 ）

161.
海を見にゆく。
それは、わたしには、
秘密の言葉のように親しい言葉であり、
秘密の行為のように親しい行為だった。
（ 長田弘 ）
162.
言いあらそっても、はじまらない。
口をつぐんで、済むことでもない。

気にくわない、頭にくる、じゃない。
対立する、好きだきらいだ、そんなじゃない。

相違はただ一つ、もとめる幸福がちがう。
あるいは、幸福の概念がちがう。
（ 長田弘 ）
163.
夕陽を眺めるのに不要なものは一つだけ、むだなことばだ。
（ 長田弘 ）
164.
実際にある言葉を口にして、その言葉で何かを言い表そうとして、どうしてもその言葉で言い表せない、あるいはその言葉で言い切れない、その言葉の外に余ってしまうものがあると感じる。
その感じをくぐるうちに、自分の心のなかにある問題を発見する。
（ 長田弘 ）
165.
じぶんの憂鬱や悲しみを軽蔑したり、あるいはその逆にそれに甘えたりせず、真にじぶんのものにすることができなくてはいけない。
（ 長田弘 ）
166.
明日の朝、ラッパは鳴らない。
深呼吸しろ。
一日がまた、静かに始まる。
（ 長田弘 ）
167.
子どもにはこういう本、
大人にはこういう本、
老人にはこういう本というような、
壁で囲むような考え方は、
わたしたちにとっての本の世界を
すごく狭く小さなものにしてしまう。
（ 長田弘 ）
168.
ことばが信じられない日は、
窓を開ける。
それから、
外にむかって、静かに息をととのえ、
齢の数だけ、深呼吸をする。
ゆっくり、まじないをかけるように。
そうして、目を閉じる。
十二数えて、目を開ける。すると、
すべてが、みずみずしく変わっている。
目の前にあるものが、とても新鮮だ。
（ 長田弘 ）
169.
考えはとりかえることができるかもしれないが、
考えかたはそう簡単にとりかえることはできない。
その人のもつ考えかたは、
その人のもつ生きてある習慣と根ざしているからだ。
（ 長田弘 ）
170.
「間」とか「呼吸」とか「気配」とか、
活字にあらわれない表現が、
口をとおすと、はいってくる。
（中略）「語り口」をつかまえて読むと、
遠いとおもってる本だってちかづいてくる。
（ 長田弘 ）

171.
単語一つでも
自分の中に入ってくるときに、
どういうイメージを通って
自分の中に入ってくるかということは
とても重要なことじゃないかなと思います。
（ 長田弘 ）
172.
（役者は）
他人の人生を　生きる仕事
等身大でしか　やれない稼業
（ 長田弘 ）
173.
じぶんで苦しんで働いて、
じぶんのナイフで
パンを切りわけるひとの、
なんとわずかなことか。
（ 長田弘 ）
174.
そこに山がある。
その山を見て、そこにひとは、さまざまなものを見る。
山を見ているうちに、自分の思いを見ていることに気づくことも、きっとあります。
そうやって山を見ることができるためには、大事なのはただ一つ。
そこにその山がずっとある、ということです。
ずっとあるのが、山なのです。
（ 長田弘 ）
175.
不可能なものはなく、危険なものはないと
全能ぶっても､その日暮らしの、われわれの時代。
（ 長田弘 ）
176.
言葉には、二つあります。
一つは、他者を確かめる言葉です。
挨拶の言葉。
手紙の言葉。
電話の言葉。
もう一つは、自分を確かめる言葉です。
ここに自分がいると感じられる言葉、
自分を確かめるための、
あるいはそのための方法としての言葉です。
（ 長田弘 ）
177.
日常の生き方、日々を生きる姿勢というのは、それぞれの日常の振るまいにそのまま表れます。
（ 長田弘 ）
178.
戦後六十年という数え方より、昭和の戦争に敗れて戦争はしないと決めてからの、戦争をすることを選ばなかった「不戦六十年」という数え方のほうが、この国に戦争のなかったこの六十年の数え方としては、むしろ当を得ています。
（ 長田弘 ）
179.
対象を愛すること。
対象を愛することは人生を愛することだ。
（ 長田弘 ）
180.
（ひとは）少女も少年も猫も
老いることを学ばねばならない
死んでゆくことを学ばねばならない
（ 長田弘 ）

181.
生きるとは、
考えることができるということだ。
（ 長田弘 ）
182.
日常の言葉には、
辞書にはけっして見つけられない、
とても大事な意味がたくさんあります。
（ 長田弘 ）
183.
じぶんの胸が感じていることを、まげないで書く。
じぶんの目に映っているものを、ゆがめないで書く。
じぶんの覚えるおどろきを、かくさないで書く。
ごまかしなく書かれたことばの確かさが、すごい詩になる。
（ 長田弘 ）
184.
梅の開花が遅れとるようやけど、
言うても、梅のことやさかい、
時季がくると、それなりに、
そこそこは、咲きよるけどな。……
希望というのはそういうものだと思う。
（ 長田弘 ）
185.
言葉の表情や身振りのなかに、物事のディテールのなかに、本質はさりげなくあらわれる。
（ 長田弘 ）
186.
自分にとってかけがえのないものが教えてくれるのは、
もっとも身近なものこそ
もっとも気づかれない、
もっとも大切なものだという秘密です。
（ 長田弘 ）
187.
不要なものを捨てる。人生はそれだけである。
（ 長田弘 ）
188.
人生は受容であって、戦いではない。
戦うだとか、最前線だとか、
戦争のことばで、語るのはよそう。
（ 長田弘 ）
189.
時計を気にすると、時間が汚れた空気のようになる。
そのなかにいるという意識がしきりに先立って、気ぶせったくなる。
（ 長田弘 ）
190.
ことばは感情の道具とはちがう。
悲しいということばは、
悲しみを表現しうるだろうか？
（ 長田弘 ）

191.
（体験の継承において）何をつたえるかじゃなしに、何がつたわらないか、ということが真のコミュニケーションのはじまりなのであって、思想の継承はリレー競走のバトンタッチじゃない。
（ 長田弘 ）
192.
今日、ひつようなのは、一日一日の、
静かな冒険のためのことば、祈ることばだ。
（ 長田弘 ）
193.
目を開けて、見るだけでよかった。
耳を澄ませて、聴くだけでよかった。
どこにでもない。この世の目ざましい真実は、
いつでも目のまえの、ありふれた光景のなかにある。
（ 長田弘 ）
194.
草の実が語る。樫の木の幹が語る。
曲がってゆく小道が語る。
真昼の影が語る。ジョウビタキが語る。
独りでいることができなくてはいけない。
（ 長田弘 ）
195.
大きな樹の真下に立ちどまって、樹を見上げる。
それだけだ。
それだけで、いまじぶんのいる風景が、きれいに変わってしまう。
（ 長田弘 ）
196.
逝ったものが、いま、ここに遺(のこ)してゆくものは、あたたかなかなしみと、簡潔なことばだと、ふりかえってあらためて感じる。
（ 長田弘 ）
197.
あなたにとって
「わたしたち」というのは、
誰ですか。
（ 長田弘 ）
198.
戦争になるや、言葉は意味を失います。
いったん戦争が始まれば、そこにはもう、倒すべき「敵」しか存在しません。
（ 長田弘 ）
199.
きみはある日、突然おとなになったんじゃなかった。
気がついてみたら、きみはもうおとなになっていた。
なった、じゃなくて、なっていたんだ。
ふしぎだ。
（ 長田弘 ）
200.
「蔵書」というのは、ちょうど煉瓦を一つ一つ自分で運んで、積んで、本がもたらす記憶を容れる家を自力でつくってゆくような、自分にとっての日常をつくってゆく、手仕事の一つでした。
そのような「蔵書」力が落ちている。
（ 長田弘 ）

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