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101.
いったい進歩というのは何であろうか。
発展というのは何であろうか。
失われるものがすべて無用であり、時代おくれのものであったのだろうか。
（ 宮本常一 ）
102.
人間の不安は科学の発展から来る。
進んで止(とど)まる事を知らない科学は、
かつて我々に止まる事を許して呉(く)れた事がない。
徒歩から俥(くるま)、俥から馬車、馬車から汽車、汽車から自動車、それから航空船、それから飛行機と、
何処迄(どこまで)行っても休ませて呉れない。
（ 夏目漱石 ）
103.
どんなに進歩した国でも、
一歩誤れば、ただちに野蛮時代に退化する。
（中略）国民も金属のように表面だけしか輝いていない。
（ アントワーヌ・ド・リヴァロル ）
104.
昨日と同じではゼロだ。
ゼロにたとえ１万日を掛けてもゼロでしかない。
（ 島正博 ）
105.
紙一重のわずかな進歩だって、どうして、どうして。
自分では絶えず工夫して進んでいるつもりでも、
はたからはまず、現状維持くらいにしか見えないものです。
（ 太宰治 ）
106.
進歩という迷信が、時にはそれが人間だけでなく生きとし生けるものを絶滅にさえ向かわしつつあるのではないかと思うことがある。
（ 宮本常一 ）
107.
多くの場合、
１歩先を歩む身近な先達（せんだつ）は、
子どもの成長進歩にとって
教師よりも大きな刺激となる。
親が先達の１人として、
子どもの好ましい競争者になりえたら、
それに勝る教育法はないだろう。
（ 井深大 ）
108.
もっと便利に、
もっと早く、もっと長く、
もっときれいに、
もっとおいしいものを、
もっともっともっと……。
もう「進歩」はこのへんでいい。
更に文明を進歩させる必要はない。
進歩が必要だとしたら、
それは人間の精神力である。
私はそう思う。
（ 佐藤愛子 ）
109.
無能と無知を思い知る場面は数多くあるが、
（昔と違って）今ではその事に恥ずかしさをあまり感じなくなっているのは
多少なりとも進歩しているのかもしれない。
程度の差はあれ
人間はどこかしら傲慢でないと生きて行けない。
（ 濱名裕治 ）
110.
人食い人種がフォークを使ったとして、
果たしてそれは進歩と言えるだろうか？
（ スタニスラウ・レック ）
111.
失敗は進歩のための一歩の踏み込みだと思う。
（ 本田宗一郎 ）
112.
すべての進歩は不安定であり、
一つの問題を解決しても、
我々はまた他の問題に直面することになる。
（ キング牧師 ）
113.
頭のいい人には
他人の仕事のあらが目につきやすい。
その結果として
自然に他人のする事が愚かに見え
従って自分がだれよりも賢いというような錯覚に陥りやすい。
そうなると自然の結果として
自分の向上心にゆるみが出て、
やがてその人の進歩が止まってしまう。
（ 寺田寅彦 ）
114.
（十年前と）変わっていないという一事こそ、真に驚嘆、敬服に価すべきものではないか。
進歩していない、というと悪く聞こえますが、
退歩していないと言い直したらどうでしょう。
退歩しないという事は、之(これ)はよほどの事なのです
（ 太宰治 ）
115.
戦争について考える場合に、もっとも重要なのは「情念」の問題である。
現代のように、科学兵器の進歩が前のめりになっていっても、戦争をする当事者は「国家」や「政府」ではなくて「兵隊」なのだ。
（ 寺山修司 ）
116.
科学上の学説は、
つねに「正しい」と「正しくない」の中間にある。
だからこそ「進歩する」のである。
「絶対に正しい」という主張は、
宗教や政治のなかだけである。
そういう主張を私はむろん信用しない。
（ 養老孟司 ）
117.
習慣という専制王国では、
人間進歩の永続的な障害が見られる。
（ J・S・ミル ）
118.
経済学の主な関心は、
良かれ悪しかれ、変化と進歩に駆り立てられる人間にあるのである。
（ アルフレッド・マーシャル ）
119.
人類というのは寂しいものではない。
楽天的なものだ。
生命は進化するのだから。
（ 魯迅 ）
120.
人々を大切にするリーダーは、
人々の目的のために役立とうという欲求によって、
動機づけられている。
そして、リーダーとともに進む人々の尊厳を大切にすることによって、
個人個人の生活の改善と社会全体の進歩を促進する。
（ ラリー・R・ドニソーン ）
121.
「満足から進歩は生まれない」というのは一面の真理だが、
逆に不満ばかりとなえる人だけが進歩する能力を持っているとも思えない。
（ 深澤道子 ）
122.
僕らが生きてゆくための知恵というものは、
どれだけ進歩してますか。
例えば論語以上の知恵が現代人にありますか。
（ 小林秀雄 ）
123.
医学とは憶測から出発し、
殺人によって進歩するものである。
（ アンソニー・カーライル ）
124.
文明とは、いわば
漠然とした同質性から
明確かつ一貫した異質性への進歩である。
（ ハーバート・スペンサー ）
125.
一口に農村文化というけれども、そもそも農村に文化があるか。
盆踊りだのお祭礼風俗だの、耐乏精神だの本能的な貯蓄精神はあるかも知れぬが、文化の本質は進歩ということで、農村には進歩に関する毛一筋の影だにない。
あるものは排他精神と、他へ対する不信、疑ぐり深い魂だけで、損得の執拗な計算が発達しているだけである。
（ 坂口安吾 ）
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