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小林秀雄の名言
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［ テーマ別今日の名言 ］
《 星座別名言と運勢 》
《 血液型別名言と運勢 》
1.
スランプになったら、
よく食って、よく眠って、ただ待っているんだ。
2.
教えようと思っている人から
教わった人は一人もいない。
3.
絶望するにも才能がいる。
4.
歴史意識とは──
しまった、とんでもないことをしてしまった、どうしようという悶(もだ)えだ。
5.
人間は
何もしないで遊んでいる時に
育つんだよ。
6.
作品とは自分の生命の刻印ならば、
作者は、どうして作品の批判やら解説やらを願う筈(はず)があろうか。
愛読者を求めているだけだ。
生命の刻印を愛してくれる人を期待しているだけだ。
7.
人は性格にあったような事件にしか出くわさない。
8.
理屈屋とは、
最も頭の悪い人種である。
9.
悲劇は、
私達があたかも進んで悲劇を欲するかの如(ごと)く
現れるからこそ悲劇なのである。
10.
天才は寧(むし)ろ努力を発明する。
11.
自分自身と和する事の出来ぬ心が、
どうして他人と和する事が出来ようか。
そういう心は、
同(どう)じて乱をなすより他に行く道がない。
12.
芸術は、タブーを持ったら衰退する。
13.
世の中に進歩するものなんてありゃしないよ。
全てのものは変化するだけさ。
その変化を君達が「進歩」と呼びたければ呼んだっていい。
しかし、それは只(ただ)の変化であって、
僕には進歩なんてものじゃない。
14.
老醜という言葉は様々な生物にいえるが、
大木には当てはまらぬ。
大木は老いていよいよ美しい。
15.
敏感な男は、
例外なく、女に対して、
一種の恐怖をもっているのはたしかだね。
女には、とてもかなわない、
と思っているよ。
動物的本能から、
そう感じているよ。
16.
指導者には、悲しみは適さない。
17.
人間は他人を説得しようなどと思わぬ人間にしか
決して本当には説得されないものである。
18.
誰も、己れの心を、
自分の感じ方でしか感じはしないし、
己れの語り方でしか語れはしない。
19.
歴史は人類の巨大な恨みに他ならない。
20.
上手に語れる経験なぞは、
経験でもなんでもない。
はっきりと語れる自己などは、
自己でもなんでもない。
21.
できあがった知をもらうことが学ぶことではなし、
できあがった知を与えることが教えるということでもなかろう。
質問する意志が、疑う意志が第一なのだ。
22.
患者の心を知るには、
患者と直(じ)かに付き合う他に道はない。
23.
眼の前に一歩を踏み出す工夫に精神を集中している人が、
馬鹿と言われ、卑怯と言われ乍(なが)ら
終(しま)いには勝つであろう。
24.
模倣は独創の母である。
唯一人のほんとうの母親である。
25.
女は俺の成熟する場所だった。
書物に傍点をほどこしてはこの世を理解して行こうとした俺の小癪(こしゃく)な夢を一挙に破ってくれた。
26.
いまは学問が好きになるような教育をしていませんね。
だから、学問が好きという意味が全然わかっていないのじゃないかな。
27.
私達は、話をするのが、
特にむだ話をするのが好きなのである。
28.
焼き物は、
見るものではない、
使うものだ。
29.
俺が生きる為(ため)に必要なものは
もう俺自身ではない、
欲しいものはただ
俺が俺自身を見失わない様に
俺に話しかけてくれる人間と、
俺の為に多少は生きてくれる人間だ。
30.
どんな強い精神力も境遇を必ずしも改変し得ないが、
強い精神力が何かのかたちで利用出来ぬほど
絶望的な境遇というものは存(そん)しない。

31.
凡(およ)そ詩人を解するには、
その努めて現そうとしたところを極めるがよろしく、
努めて忘れようとし隠そうとしたところを詮索したとて、
何が得られるものではない。
32.
君は煙突みたいな奴だ。
傍らに置いとくと、
俺の頭の中が、よく燃えるよ。
33.
不幸を感じている人より
不幸に慣れて了(しま)った人のほうが
不幸である。
34.
友達も長い間つき合っていると、
友達たる事にお互いにテレるものである。
誤解というつき合いの大事なきっかけが
お互いに消失する為(ため)か。
35.
不安がなければ不安を発明してやる、
これが青年の特権である。
36.
どうも、焼き物の姿というものは、
中身は何でもよい、
酒でも種子でも骨でもよい、
ともかく物を大切に入れて蓄えるという用を買って出たところに、
一番、物に動じない姿を現すようである。
37.
真理とは、
人中(ひとなか)に持ち出しても
恥をかかぬ話題以上の何物であるか。
38.
世捨て人とは世を捨てた人ではない、
世が捨てた人である。
39.
だいたい恋愛を感じるのは、
男も女も、
相手のおろかさにひかれるものだ。
40.
肉体の病人は、
ごく軽い病人でも、健康を切望するものだが、
精神の病人は、いくら精神が腐って来ても、
それに気が付かないだけの口実は用意する。

41.
口に出せば嘘としかならない様な真実があるかも知れぬ、
滑稽(こっけい)となって現れる他はない様な深い絶望もあるかも知れぬ。
42.
探るような目はちっとも恐(こわ)かない、
私が探り当てて了(しま)った残骸をあさるだけだ。
和やかな眼は恐ろしい、
何を見られているかわからぬからだ。
43.
謎は解いてはいけないし、
解けるものは謎ではない。
44.
未来も過去も観念の塊りに過ぎぬ。
45.
表現するとは、
己れを圧(お)し潰して中身を出す事だ、
己れの脳漿(のうしょう)を搾(しぼ)る事だ。
46.
空虚な精神が饒舌(じょうぜつ)であり、
勇気を欠くものが喧嘩(けんか)を好むが如(ごと)く、
自足する喜びを蔵(ぞう)しない思想は、
相手の弱点や欠点に乗じて生きようとする。
47.
公式などというものは
この世にない、断じてない、
これこそ俺が重ねて来た結論だ。
48.
物を言う能力とは又、
物を言わす能力である。
49.
独創は本来、珍奇なものでも、華やかなものでもない、心を傾けて自分の資質が表現出来れば、
いつも独創的表現になるのである。
50.
凡才が容易と見る処(ところ)に、何故(なぜ)、
天才は難問を見るという事が屡々(しばしば)起こるのか。
詮(せん)ずるところ、
強い精神は、容易な事を嫌うからだという事になろう。

51.
先(ま)ず直覚しない聡明は、
何事もなし得ぬものである。
52.
批評とは
生命の獲得ではないが発見である。
53.
まあ僕の話を一つ聞いてくれ、と坐られて、
うんざりした経験を、誰も持っていながら、
やがて忘れて相手をうんざりさせる側に廻(まわ)る。
54.
果たして他人(ひと)を説得する事が出来るものであろうか、
若(も)し説得出来たとしたら、
その他人は初めから、説得されていた人なのではないのか。
55.
読む工夫は、
誰に見せるという様なものではないから、
言わば自問自答して自ら楽しむ工夫なのであり、
そういう工夫に何も特別な才能が要るわけではない。
だが、誰もやりたがらない。
56.
不平家とは、自分自身と決して折り合わぬ人種を言うのである。
不平家は、折り合わぬのは、いつも他人であり環境であると信じ込んでいるが。
57.
美術とは鑑賞するものではない。
ともに生きともに語らう人生の友である。
58.
陰口をきくのはたのしいものだ。
人の噂が出ると、話ははずむものである。
みんな知らず知らずに鬼になる。
よほど、批評はしたいものらしい。
59.
見ることは喋ることではない。
言葉は眼の邪魔になるものです。
60.
人間は何(なん)と人間らしからぬ沢山の望みを抱き、
とどのつまりは何とただの人間で止(とど)まる事でしょうか。

61.
世間を小説風に見る事から始めて、
小説を世間風に見る事に終わる、
どうもこれが大多数の小説読者が歩く道らしく思われる。
62.
精神分析学とやらを批評に応用したがる。
さぞいい切れ味だろう。
心理学というものは頭に来る酒みたいなものだ。
安かったと思ってもあとで屹度(きっと)後悔する。
63.
自己嫌悪とは
自分への一種の甘え方だ、
最も逆説的な自己陶酔の形式だ。
64.
俺は女と暮らしてみて、
女に対する男のあらゆる悪口は感傷的だという事が解(わか)った。
65.
道具を上手に使うとは、
又道具に上手に使われる事だ。
66.
有効に行動する為(ため)に予見すること、
これが知性の目的である。
67.
困難は現実の同義語であり、
現実は努力の同義語である。
68.
歴史は精(くわ)しいものほどよい。
瑣事(さじ)というものが持っている力が解(わか)らないと
歴史というものの本当の魅力は解らない様だ
69.
骨董を見るときは、
先入観を持ってはいけない。
すべての知識を棄てて、
無心になれ。
70.
僕は人間の眼が複眼である事を信じている。
謎を作る眼と限界を見る眼と。

71.
放心している時の時間は早く、
期待している時の時間は長い。
72.
悲劇とは単なる失敗でもなければ、
過誤でもないのだ。
それは人間の生きてゆく苦しみだ。
73.
どうか、柔軟な心という言葉を誤解してくれない様に。
これは、確固たる意志と決して抵触するものじゃない。
74.
モオツァルトは、目的地なぞ定めない。
歩き方が目的地を作り出した。
彼はいつも意外な処(ところ)に連れて行かれたが、
それがまさしく目的を貫いたという事であった。
75.
恋愛によって、自己が発見できる。
自分というものがわかってくるし、
ふだんねむっている理知が、
恋愛によってめざめてくるよ。
だから、恋人たちは才能がある、なんていわれるんだ。
76.
私の実感から言えば、
ゴッホの絵は、
絵というよりも精神と感じられます。
私が彼の絵を見るのではなく、
向こうに眼があって、
私が見られている様な感じを、
私は持っております。
77.
思想の文学化という事は、
作家達めいめいが、
人間いかに生くべきかという問題を、
驚くほどの率直さで、
文学制作の中心動機としたという事を意味するのです。
78.
美は信用であるか。
そうである。
純粋美とは譬喩(ひゆ)である。
79.
青年にとってはあらゆる思想が、
単におのれの行動の口実にすぎぬ。
80.
どちらを選ぶか、
その理由が考えられぬからこそ、
人は選ぶのである。
そこまで人は追い詰められねばならぬ。

81.
感心する事を怠りなく学ぶ事。
感心するにも大変複雑な才能を要する。
感心する事を知らない批評家は、
しょっ中無けなしの財布をはたいている様なものだ。
82.
僕の経験では
女をよく知っている男ほど
女というものはという風な話の仕方をしたがらない様だ。
83.
人間は、憎悪し拒絶するものの為には苦しまない。
本当の苦しみは愛するものからやって来る。
84.
誤解されない人間など、
毒にも薬にもならない。
そういう人は、
何か人間の条件に於(お)いて、
欠けているものがある人だ。
85.
生きて行く理由は見付からぬが、
何故(なぜ)死なないでいるのか解(わか)らない、
そういう時に、
生きる悲しみが胸を締めつけるのである。
86.
自己宣伝の一番栄えるのは、
人が己れを失った時に限る。
87.
歴史には死人だけしか現れて来ない。
従って、退(の)っ引(ぴ)きならぬ人間の相(そう)しか現れぬし、
動じない美しい形しか現れぬ。
88.
天才とは努力し得る才だ、
というゲエテの有名な言葉は、
殆(ほとん)ど理解されていない。
努力は凡才でもするからである。
然(しか)し、努力を要せず成功する場合には
（凡才は）努力はしまい。
彼には（＝凡才にとっては）、
いつもそうあって欲しいのである。
89.
同じ理論を抱いているというので親友だと思い込む、
実はただひとりでものを言うのが不安だからに過ぎぬとは気が付かぬ。
90.
人はこの世に動かされつつ
この世を捨てる事は出来ない、
この世を捨てようと希(ねが)う事は出来ない。

91.
利巧に立ちまわろうとしている人を傍らでみている位
冷々(ひやひや)するものはない、
何(なん)て間抜けだろうと思う。
92.
批評とは竟(つい)に
己れの夢を懐疑的に語る事ではないのか！
93.
どんな切実な告白でも、
聴き手は何か滑稽を感ずるものである。
滑稽を感じさせない告白とは
人を食った告白に限る。
94.
精神の状態に関していかに精(くわ)しくても、
それは思想とは言えぬ、
思想とは一つの行為である。
95.
極度に明敏な人は
夢想するに到る。
限度を越えて疑うものは
信ずるに到る。
96.
世間を渡るとは、
一種の自己隠蔽(いんぺい)術に他ならない。
97.
理性は科学というものをいつも批判しなければいけないのです。
科学というのは、人間が思いついた一つの能力に過ぎない
ということを忘れてはいけない。
98.
ただ単に現代に生まれたという理由で、
誰も彼もが、殆(ほとん)ど意味のない優越感を抱いて、
過去を見はるかしております。
99.
人生の謎は、
齢をとればとる程深まるものだ、
とは何と真実な思想であろうか。
（中略）人生の謎は深まるばかりだ。
併(しか)し謎は解けないままに
いよいよ裸に、
いよいよ生き生きと感じられて来る。
100.
何はどうなるだろう？
彼(か)にはどうなるだろう？
と人の顔さえ見ればインテリゲンチャは言っている。
言わなければ沽券(こけん)にかかわる様な気がしているのだろう。
それだけだ。

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