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遠藤周作の名言
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1.
情熱を持続するには危険が必要なんだ。
ちょうど恋愛の情熱がさめるのは安定した時であるのと同じように、
人生の情熱が色あせるのも危険が失せた時だよ。
2.
人間にとって一番辛いものは貧しさや病気でなく、それら貧しさや病気が生む孤独と絶望のほうだ。
3.
俺がかりに悪そのものならば、お前の自殺にかかわらず、悪は存在しつづける。
俺を破壊しない限り、お前の死は意味がない。
意味がない。
4.
「愛」がないのではない。
愛の出しかたが下手なのです。
5.
人間生活にはムダなものがかなりあるが、
そのムダなもののために情緒が生まれ、うるおいができ、人の心がなごむようなものがある。
6.
神とは背中をそっと押してくれるような働きである。
7.
人間らしく生きるために七分は真面目人間、三分は不真面目人間で生活するのが「生きる智恵」と言うべきであろう。
8.
わたしがほしいのは、なまぬるい幸福ではなくて、それがたとえ辛いものでも烈しい生き甲斐なのだ。
9.
人生八十年時代なんですから、ご自分の中のいろいろなチャンネルは回せるだけ回してみようじゃないですか。
10.
人生はどんな外形をとっても本質は同じものなのである。
11.
これで……いい。
ぼくの人生は……これでいい。
12.
人を殺すことは自分が死ぬと同じほどの恐怖感がある。
13.
現世においては、すべては変転きわまりなく、恒常なるものは何一つとして見当らぬ。
14.
なんだかんだと言っても人間の心は金で結局、動かされる。
15.
自分を偽り、おたがいに誤魔化して生きている
ーーそれこそふしだらではないのか。
16.
あの「なんまいだ」は私たちの祈りのようなものではなく、罪の無感覚に都合のよい呪文なのだ。
17.
無抵抗な者、無力な者を苛(いじ)め苦しめようとする慾望は無邪気な子供たちの心にさえひそんでいる。
18.
人間には
生れつき心の強いもの、勇気のあるものと、
臆病で不器用なもの
との二種類がある。
19.
知らないことは、女にとってまことに強みで、この場合、かえって利点となる。
20.
運命なんて、努力次第で変えられるんですよ。
21.
人は美しいものと魅力あるものに心惹かれるが、みにくいもの、きたないものには眼をつぶる。
22.
死ぬことだけが解放に思える者もおるからね。
23.
病気はたしかに生活上の挫折であり失敗である。
しかしそれは必ずしも人生上の挫折とは言えないのだ。
24.
魅力のあるもの、キレイな花に
心を惹かれるのは、
だれでもできる。
だけど、
色あせたものを捨てないのは
努力がいる。
色のあせるとき、
ほんとうの愛情が生まれる。
25.
小説家とは、絶えず自分を揺さぶりつつ書いていくものである。
26.
今の若い世代にもっとも欠けているのは「屈辱感に耐える」訓練である。
この訓練が行われないで、そのまま社会から大人あつかいにされると、おのれのすること、なすことはすべて正しいと思うようになる。
27.
虫が好かぬ、そう思う相手が、我々の人生には必ず、あらわれるものだ。
28.
見棄てるもへったくれもないで。
君は君、俺は俺やないか。
29.
「強情、無情な性格」はいわば後ろ盾があればこそ見せることができるのであって、こういう性格の人間は孤立すると急に弱気になるものだ。
30.
恋をした女は自分が何か無軌道なことをしても心から悪いと思わないのだ。
自己正当化がすぐできるのだ。

31.
文学とは私にとって修辞学や言葉の美だけのものではなかった。
それはまず、人間の真実であり、生きた人間と、その心の闘いを描くものの筈だった。
32.
どんな自殺にもはっきりとした一つだけの理由などありはしない。
33.
乞食と役者とは三日やればやめられぬと同じように、
一度、女になりかかってみると、
こんなに都合のいい生き方はない。
34.
手を握られた者は自分の苦しみや痛みがこのつなぎ合わされた手を通して、相手に伝わっていくのを感じる。
だれかが、自分の苦しみや痛みを分かち持とうとするのを感じる。
35.
いつの時代も弱か者は虐げられるとたい。
36.
人生は抱きしめれば抱き締めるほど、やがて燦然たる光を放つようになります。
37.
人は愛よりも憎しみによって結ばれる。
人間の連帯は愛ではなく共通の敵を作ることで可能になる。
38.
二つの石は同じ坂をすべり落ちながら、底知れぬ谷の底に落下していく。
人を愛するということは、そんなことのような気がする。
39.
もしあなたのような若い年齢で、人生の意味をもうわかっていたら、これ以上生きる必要もないんじゃないかしら。
人生の意味がまだわからないからこそ、みんな手さぐりで生きていたんだし、生きる必要があるんじゃない？
40.
今の時代、人間が人間を裁きすぎる。

41.
人には
心に溜めつづけた秘密を
洩らしたくなる場所と時とがあるものだ。
42.
魅力のあるもの、美しいものに心ひかれるなら、
それは誰だってできることだった。
そんなものは愛ではなかった。
色あせて、襤褸(ぼろ)のようになった人間と人生を棄てぬことが愛だった。
43.
賢妻は必ずしも男にとって良妻とは限らない。
44.
病人の気持ち、その家族の気持ちがわからぬようなら、どんな医学者でも医者じゃあない。
45.
私が茶道で一番心を惹かれたのは「沈黙の声」を聴くということだ。
46.
私は、死というのは、この世界から新しい生命に入る通過儀礼だというふうに思っています。
通過儀礼ですから、それは試練であり、そして恐怖があり、苦しみが伴うのだと思います。
47.
日本人は表面は流行に弱いが、心の底ではバランスをとることを好み、極端に走るのを嫌う。
48.
弱い、臆病な男が自分の弱さを背負いながら、一生懸命美しく生きようとするのは立派だよ。
49.
一人ぽっちとは過去の楽しかった思い出とさえ別れをつげることだった。
50.
平凡が一番、幸福なのだ。

51.
人間は永遠の同伴者を必要としている。
自分の悲しみや苦しみをわかち合い、共に泪(なみだ)をながしてくれる母のような同伴者を必要としている。
52.
「けじめ」など考えていたら恋愛なぞ、できないよなあ。
53.
拷問はそれ自身よりも、それを待っている時のほうが辛い。
54.
仕事とは誇りだ。
誇りを失って儲けるのはおのれの仕事への尊重を失うことだ。
55.
大人の世界はジャングルみたいなもんだ。
（中略）顔で微笑していても心のなかでは何を企んでいるかはわかりはしない。
56.
我々の人生には、その人の純粋さを考えれば自分の賤しさに心が痛むというような誰かに時としてめぐり合うことがある。
57.
この世のすべてのものは、はかない。
58.
どんな親にだって
子供に話せないような
青春の恥ずかしい秘密があるのだ。
59.
遅かれ早かれ、ひとはなるようになるのだからな。
60.
人生の出来事の意味はその死の日まで誰にもわからない。

61.
すべてのことに「けじめ」がなくなっている。
むかしの日本人が教育のあるなしにかかわらず持っていた人間の「けじめ」である。
62.
病院にとっては日常茶飯の「死」は、しかし家族たちにとっては忘れることのできぬ出来事なのだ。
63.
苦しんでいる患者の身になってやるのが本当の医者というもんだ。
64.
汝等(なんじら)むなしき神々を恃(たの)むなかれ。
65.
誠実に真剣に現代を生きるためには、反動的な世界と血を流しても闘わなくちゃならないんだよ。
66.
男と女の関係って、倖せか、不幸かで割りきれんとよ。
67.
人は誰でも自分の中にいろいろなチャンネルを持っていて、日頃は一つのチャンネルで生きている。
その隠された（チャンネルの）部分に相当重要な意味があるように思えるんですね。
夢とか、密(ひそ)かな願望、あるいは未知の可能性といったもので、それを一つのチャンネルだけに絞ってしまったのでは実につまらんというわけです。
68.
富も力も空(むな)しかぞ。
人の死ぬ時は一人だけたい。
69.
私にお酒を一杯くれない。
ついでにタバコも一本くれない。
満足、これでゆっくり永眠できるわ。
70.
すぎさった幸福の思い出ほど、辛いものはなかった。

71.
なるようにしかならないわ
悲しくしずむ夕日でも
あしたになれば昇るのよ
72.
ひとりよがりの善意が相手を傷つけ、
親切が他人の重荷になることを
気づかぬような人間ほど始末の悪いものはない。
73.
ぼくが神を棄てようとしても……神はぼくを棄てないのです。
74.
人間は人生の途中、一寸(ちょっと)した優しい他人の励ましや情愛の言葉で勇気づけられ、自分のささやかなものにも自信を抱くことがあるのだ。
75.
女には一生のうち少なくとも自分の愛に骰子(さいころ)を投げねばならぬ時がある。
76.
女というものは一度、心を許すと、途端にズウズウしく、狎々(なれなれ)しくなるのが常である。
77.
人間、好奇心がなくなったらおしまいだ。
78.
神とは自分の中にある働きだ、と私は考えているのです。
79.
人間には他人を不幸にせぬために嘘をつかねばならぬ時がある。
80.
一人の女に幻滅し、彼女と別れようとしても別れられぬ男の心がユダの心理に幾分は似ているかもしれぬ。

81.
人間には生まれながらに二種類ある。
強い者と弱い者と。
聖者と平凡な人間と。
英雄とそれに畏怖する者と。
82.
論理が俺たち男と、女房とはちがうんだからな。
（女房は）怒ればすねる、優しくすれば、つけあがるだろ。
83.
人間とは妙なもので他人はともかく自己だけはどんな危険からも免れると心の何処(どこ)かで考えているみたいです。
84.
踏絵を踏む足も痛い。
85.
人間は他人の人生に痕跡を残さずに交わることはできないんだよ。
86.
人は人の前を横切らずには生きていけない。
87.
「愛」とは
魅力あるもの、美しいものに心ひかれることではない。
美しいもの、魅力あるものに心ひかれるのは
「情熱」といって
「愛」とは関係のないことである。
「愛」とは棄(す)てないことから始まる。
88.
二十三のとき、エゴイストではない奴はばかだよ。
89.
みんな、みんな悲しい。
でもわたくしニッコリしますと、みんなニッコリしますです。
わたくし、今日は(こんにちは)、と言いますと、みんな、今日は、と言いますです。
そのことあります限り、わたくしは生きるのこと辛いと思わない。
90.
美しいものと善いものに絶望しないでください。

91.
悪魔の最大の詭計(きけい)はその姿を見せないことである。
92.
それぞれの底には
それぞれのエゴイズムがあり、
そのエゴイズムを糊塗(こと)するために、
善意だの正しい方向だのと主張している。
93.
死の直前でも笑顔をみせよう。
94.
平凡が一番仕合わせだ。
波瀾のないのが一番仕合わせだ。
95.
どんな母親でもわが子が悪いとは決して考えない。
わが子を悪くしたのは別の人間のせいだと必死で思おうとする。
96.
わたくしたちの今日までの人生だって、挫折や失敗が次々とあったじゃない。
それがあるから、人間だし、人生なんだわ。
97.
いかに機知があってもな出世することはできんぞ。
心をつつしみ仲間を怒らせぬように心がけねばならぬ。
98.
歯車であることは自分の意志を棄てることである。
99.
一つの鍵には一つの鍵穴しかなかったんです。
そして、ぼくにとって、たった一つの鍵穴は──奥さんだったんです。
100.
神について語るのはそれで結構だが、どこか西洋人の思想の借りものだからね、胡散(うさん)臭いよ。

【 自殺を止めない 】
【 理不尽に奪われる 】
【 単純な家事 】
【 喜びが２倍になる 】
【 激怒 】
【 最上の応答 】
【 意外になんとかなる 】
【 誇大を見抜く 】
【 現場を知らない企画屋 】
【 母なる夜 】
【 ただのガキ 】
【 失われた時 】
【 退屈だと思わない 】
【 働き者の成功 】
【 普通のことと見なす 】
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