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三島由紀夫の名言
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1.
自分を理解しない人間を寄せつけないのは、
芸術家として正しい態度である。
芸術家は政治家じゃないのだから。
2.
アイデンティティーとは指紋である。
最終的に一つあればいいんだ。
3.
男は愛することにおいて、
無器用で、下手で、見当外れで、無神経、
蛙が陸を走るように無恰好である。
どうしても「愛する」コツというものがわからないし、
要するに、どうしていいかわからないのである。
先天的に「愛の劣等生」なのである。
4.
幸福がつかの間だという哲学は、不幸な人間も、幸福な人間も、どちらも好(い)い気持ちにさせる力を持っている。
5.
目標をめざして努力する過程にしか人間の幸福は存在しない。
6.
そもそも男の人生にとって大きな悲劇は、女性というものを誤解することである。
7.
「……したい」などという心はみな捨てる。
その代わり、「……すべきだ」ということを自分の基本原理にする。
そうだ、ほんとうにそうすべきだ。
8.
「お前はまだ人生経験が足りない」と言いかえす人があるだろうが、私もすぐ、「お前さんは自己分析が足りない」と言いかえしてやります。
9.
三千人と恋愛をした人が、一人と恋愛をした人に比べて、より多くについて知っているとはいえないのが、人生の面白味です。
10.
あらゆる文章は形容詞から古くなっていく。
11.
鈍感な人たちは、
血が流れなければ狼狽しない。
が、血の流れたときは、
悲劇は終わってしまったあとなのである。
12.
美しい身なりをして、
美しい顔で町を歩くことは、
一種の都市美化運動だ。
13.
この世で最も怖ろしい孤独は、道徳的孤独である。
14.
力を持たない知性なんて、屁の役にも立たない。
15.
青春の、暴力を伴わない礼儀正しさはいやらしい。
それは礼儀を伴わない暴力よりももっと悪い。
16.
いささかの誤解も生まないような芸術は、はじめから二流品である。
17.
崇高なものが現代では無力で、滑稽なものにだけ野蛮な力がある。
18.
青春の特権といえば、
一言を以(もっ)てすれば、
無知の特権であろう。
19.
傷つきやすい人間ほど、複雑な鎧帷子(よろいかたびら)を身につけるものだ。
そして往々この鎧帷子が、自分の肌を傷つけてしまう。
20.
この世のもっとも純粋な喜びは、他人の喜びをみることだ。
21.
人間を一番残酷にするのは
愛されているという自信だよ。
22.
現状維持というのは、
つねに醜悪な思想であり、
また、現状破壊というのは、
つねに飢え渇いた貧しい思想である。
23.
音楽の美は、その一瞬の短さにおいて生命に似ている。
24.
女の批評って二つきりしかないじゃないか。
「まあ、すてき」
「あなたってばかね」
この二つきりだ。
25.
幸福って、何も感じないことなのよ。
幸福って、もっと鈍感なものよ。
…幸福な人は、自分以外のことなんか夢にも考えないで生きてゆくんですよ。
26.
年を取らせるのは肉体ではなくて心かも知れない。
心のわずらいと衰えが、内側から体に反映してみにくいしわやしみを作ってゆく。
27.
個性などというものは、はじめは醜い、ぶざまな恰好(かっこう)をしているものだ。
28.
精神を凌駕することのできるのは
習慣という怪物だけなのだ。
29.
夕日とか菫(すみれ)の花とか風鈴とか美しい小鳥とか、
そういう凡庸な美に対する飽くことのない傾倒が、
女性を真に魅力あるものにするのである。
30.
人間に忘却と、それに伴う過去の美化がなかったら、人間はどうして生に耐えることができるだろう。

31.
人間はあやまちを犯してはじめて真理を知る。
32.
美は存在の力である。
客観性の保証である。
33.
美しい若い女が、大金持の老人の恋人になっているとき、人は打算的な愛だと推測したがるが、それはまちがっている。
打算をとおしてさえ、愛の専門家は愛を紡ぎ出すことができるのだ。
34.
女性は先天的に愛の天才である。
どんなに愚かな身勝手な愛し方をする女でも、
そこには何か有無を言わせぬ力がある。
35.
やたらに人に弱味をさらけ出す人間のことを私は躊躇なく「無礼者」と呼びます。
それは社会的無礼であって、われわれは自分の弱さをいやがる気持ちから人の長所をみとめるのに、人も同じように弱いということを証明してくれるのは、無礼千万なのであります。
36.
静まり返った高級レストランのどまん中で、
突如快音を発して、
ズズズーッとスープをすすることは、
社会的勇気であります。
37.
女にはまた、一定数の怖ろしいものがなければならず、
蛇とか毛虫と船酔とか怪談とか、
そういうものは心底から怖がらねばならぬ。
38.
美に対する女性の感受性は、
凡庸でなければならなかった、
機関車を美しいと思うようでは女もおしまいである。
39.
本当の美とは
人を黙らせるものであります。
40.
女性の最も高い精神も、最も低い精神も、
いずれも肉体と不即不離の関係に立つ点で、
男の精神とはっきりちがっている。

41.
復興には時間がかかる。
ところが、復興という奴が、又日本人の十八番なのである。
どうも日本人は、改革の情熱よりも、復興の情熱に適しているところがある。
42.
日本という国は、自発的な革命はやらない国である。
革命の惨禍が避けがたいものならば、
自分で手を下すより、
外力のせいにしたほうがよい。
43.
センスとは相手の気持ちを読みとること、ただそれのみだ。
44.
うぬぼれとは、一つの楽しい幻想、生きるための幻想ですから、実質なんぞ何もいりません。
45.
健康はもとより大切だが、健康に見えるということはもっと大切だ。
46.
お節介焼きには、一つの長所があって、
「人をいやがらせて、自らたのしむ」ことができ、
しかも万古不易(ばんこふえき)の正義感に乗っかって、それを安全に行使することができるのです。
人をいつもいやがらせて、自分は少しも傷つかないという人の人生は。
47.
俳優は衣裳に執着し、軍人は軍服に執着する。
そして俳優と軍人ほど、勲章の好きな種族はいない。
48.
愛するということにかけては、
女性こそ専門家で、
男性は永遠の素人である。
49.
決定されているが故に僕らの可能性は無限であり、止められているが故に僕らの飛翔は永遠である。
50.
男性操縦の最高の秘訣は、男のセンチメンタリズムをギュッとにぎることだ。

51.
或る小説がそこに存在するおかげで、どれだけ多くの人々が告白を免れていることであろうか。
52.
私は永遠の少年だ。
永遠の十六才だ。
どうか私を、私の好きなようにさせてくれ。
その代わり私の言うことを一切本気にしないでくれ。
53.
若さが幸福を求めるなどというのは衰退である。
54.
変わり者と理想家とは、一つの貨幣の両面であることが多い。
どちらも、説明のつかないものに対して、第三者からはどう見ても無意味なものに対して、頑固に忠実にありつづける。
55.
賭けとは全身全霊の行為である。
百万円持っていた人間が、百万円を賭け切るときにしか、賭けの真価はあらわれない。
56.
若い世代は、代々、その特有な時代病を看板にして次々と登場して来たのだった。
57.
老夫妻の間の友情のようなものは、友情のもっとも美しい芸術品である。
58.
悪は魅惑する力である。
佯(いつ)はりの、人工と巧智の限りをつくして、人を魅き、憑き、天外へ拉(らっ)し去る力である。
59.
この世の中では、他人から見て、可笑しくないほど深刻なことは、あんまりないと考えてよろしい。
人の自殺だって、大笑いのタネになる。
荷風先生の三千万円かかえての野垂れ死にだって、十分、他人にはユーモラスである。
60.
自分の顔と折合いをつけながら、だんだんに年をとってゆくのは賢明な方法である。

61.
健康であることより以上に大切なのは、健康に見えることである。
62.
人間は、自分の内面を包むのに、礼儀正しくなければならない。
63.
日本には妙な悪習慣がある。
「何を青二才が」という青年蔑視と、もう一つは「若さが最高無上の価値だ」という、そのアンチテーゼとである。
64.
どんなに醜悪であろうと、自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは、甘い考えで、人生をなめてかかった考えです。
65.
無秩序が文学に愛されるのは、文学そのものが秩序の化身だからだ。
66.
お上品とは最大多数の決めることで、
千万人といえども我ゆかんという人は、
たいてい下品に見られる。
社会的羊ではないという第一の証明が、
このスープをすする快音であります。
67.
女というものは、いたわられるのは大好きなくせに、顔色を窺(うかが)われるのはきらうものだ。
いつでも、的確に、しかもムンズとばかりにいたわってほしいのである。
68.
精神だの肉体だのという区別は、
男だけの問題なのであって、
女にとっては、それは一つものなのだ。
だから亭主の純肉体的浮気に、
女房がカンカンになって怒るのももっともであって、
女は女の立場から類推する他はないから、
「体だけの浮気だ」などと亭主がいくら弁解しても、
逃げ口上にしか思えない。
69.
青年（＝青年作家）の仕事はこの（書く自我と書かれる自我との）分裂の過程を写すものであるだけに、一生のうちで一番困難な仕事だと思われる。
書く自我が確立される前に、書く自我と書かれる自我との分裂を書かねばならないのだから。
70.
ドロ水を飲料水にするための濾過装置があるでしょう。
濾過装置の中で、残ったドロと飲料水になる水とあるけど、残ったドロがいらないもので、捨てちゃっていいものかというと、ぼくはそうじゃない。
それが現実なんだ。
現実を避けることはできないね。

71.
外形さえ健康な力に充ちていれば、それがすなわち「礼儀正しい私」の姿である。
72.
文学者の内面はサンタンたる泥沼であって、そんな醜いものを人目にさらすべきではない。
73.
軽蔑とは、女の男に対する永遠の批評である。
74.
人間、正道を歩むのは却(かえ)って不安なものだ。
75.
女の部屋は一度ノックすべきである。
しかし二度ノックすべきじゃない。
そうするくらいなら、むしろノックせずに、いきなりドアをあけたはうが上策なのである。
76.
男子高校生は「娘」という言葉をきき、その字を見るだけで、胸に甘い疼(うず)きを感じる筈(はず)だが、この言葉には、あるあたたかさと匂いと、親しみやすさと、ＭＵＳＵＭＥという音から来る何ともいえない閉鎖的なエロティシズムと、むっちりした感じと、その他もろもろのものがある。
プチブル的臭気のまじった「お嬢さん」などという言葉の比ではない。
77.
エチケットなどというものは、
俗の俗なるもので、
その人の偉さとは何の関係もないのである。
78.
男の嫉妬の本当のギリギリのところは、体面を傷つけられた怒りだと断言してもよろしい。
79.
初恋に勝って人生に失敗するのはよくある例で、初恋は破れるほうがいいという説もある。
80.
男と女の一等厄介なちがいは、
男にとっては精神と肉体がはっきり区別して意識されているのに、
女にとっては精神と肉体がどこまで行ってもまざり合っていることである。

81.
人生のさかりには、無理と思われるものもすべて叶い、覚束（おぼつか）なく見えるものもすべて成るのだよ。
82.
無神論も、徹底すれば徹底するほど、唯一神信仰の裏返しにすぎぬ。
無気力も、徹底すれば徹底するほど、情熱の裏返しにすぎぬ。
近ごろはやりの反小説も、小説の裏返しにすぎぬ。
83.
人生には濃い薄い、多い少ない、ということはありません。
誰にも一ぺんコッキリの人生しかないのです。
84.
悪は時として、静かな植物的な姿をしているものだ。
結晶した悪は、白い錠剤のように美しい。
85.
ナルシスムは、彼自身のなかで、美と悪とを強引に化合させる力である。
86.
何かにつけて青春が未来を喋々(ちょうちょう)するのは、ただ単に彼らがまだ未来をわがものにしていないからにすぎない。
何事かの放棄による所有、それこそは青春の知らぬ所有の秘訣だ。
87.
先生にあわれみをもつがよろしい。
薄給の教師に、あわれみをもつのがよろしい。
先生という種族は、諸君の逢うあらゆる大人のなかで、一等手強くない大人なのです。
88.
これから諸君が逢わねばならぬ大人は、最悪の教師の何万倍も手強いのです。
そう思ったら、教師をいたわって、内心バカにしつつ、知識だけは十分に吸いとってやるがよろしい。
89.
われわれは自分の弱さをいやがる気持ちから人の長所をみとめる
90.
男の世界は思いやりの世界である。
男の社会的な能力とは思いやりの能力である。
武士道の世界は、一見荒々しい世界のように見えながら、現代よりももっと緻密な人間同士の思いやりのうえに、精密に運営されていた。

91.
本当の若者というものは、かれら自身こそ春なのだから、季節の春などには目もくれないでいるべきなのだ。
92.
不安こそ、われわれが若さからぬすみうるこよない宝だ。
93.
まことに人生はままならなもので、生きている人間は多かれ少なかれ喜劇的である。
94.
たいてい勇気ある行動というものは、別の在るものへの怖れから来ているもので、全然恐怖心のない人には、勇気の生まれる余地がなくて、そういう人はただ無茶をやってのけるだけの話です。
95.
忘却の早さと、何ごとも重大視しない情感の浅さこそ、人間の最初の老いの兆しだ。
96.
貞女(ていじょ)とは、多くの場合、世間の評判であり、その世間をカサに着た女のヨロイである。
97.
生まれて来て何を最初に教わるって、それは「諦める」ことよ。
98.
僕は詩人の顔と闘牛師の体とを持ちたい。
99.
動物になるべき時には、ちゃんと動物になれない人間は不潔であります。
100.
時の流れは、崇高なものを、なしくずしに、滑稽なものに変えてゆく。

【 何もしないのと同じ 】
【 激しいひしめき 】
【 自分が認められる 】
【 タイムマネジメント 】
【 ビジネスの経営 】
【 女を理解している 】
【 極端な利己主義者 】
【 理想と現実が違う 】
【 苦悩をくぐり抜ける 】
【 厳しい時の体験 】
【 仕事を頼む 】
【 科学の外部 】
【 肉体的束縛 】
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