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この世で最も怖ろしい孤独は、道徳的孤独である。

[ 出典 ]
三島由紀夫[みしま・ゆきお]
(昭和の作家・劇作家、1925〜1970)
「道徳と孤独」
雑誌『文学界』(昭和28年10月)

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〈全文〉
この世で最も怖ろしい孤独は、道徳的孤独であるように私には思われる。
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もし某国会議員が、生れながらに人肉嗜好の病的衝動の持主であったとしたら、問題はまたおのずから変ってくる。

自然は道徳と無関係に事を運び、人間道徳に根本的に背馳(はいち)した人間を作ることが往々あるが、こういう人間は、たとえその嗜好を、犯罪を免れて満足させうる前述のような好機に恵まれても、犯罪の恐怖(=犯罪を犯すことへの恐怖)よりももっと怖ろしい道徳的孤独に心を苛(さいな)まれるにちがいない。
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