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1001.
私はしつけとは押しつけだと考えます。
挨拶をする、お年寄りを敬う、他人に迷惑をかけないなど、
人として生きていく上での原則をしつけるのに、
論理的な裏づけが必要でしょうか。
（ 畑正憲 ）
（ Hata Masanori ）
1002.
「自分で歳だと感じなければまだ若い」って言いますよ。
（ 映画『ロサンゼルス決戦』 ）
1003.
うるさくない年寄りなんて、年寄りでもなんでもない。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1004.
若い時は、風を切って生きるべし。
年を取ったら、風に吹かれて生きるべし。
（ 映画『福耳』 ）
1005.
今日、定年制についていろいろ議論されているが、いま世間で問われているのは、また活発に仕事ができるのにこういう年代で定年にするのは若すぎはしないか、という議論なのだから、私のいう積極的に働ける年齢のうちに自らの意志で自由活動の道を開こうという意味の定年制とは自ずから意味が違う。
（ 奥村政雄 ）
1006.
子宮から出る時と、年とってこの世から離れていく時と、人間は死を二度味わう。
（ 遠藤周作 ）
（ Endou Shuusaku ）
1007.
人間、七十を越えてからの人生は、神仏からお預かりしているようなもの。
ただ、お預かりしたものである以上、粗末にするわけにはいかない。
大事の際にご用立てする気持ちで大切にしなければならない。
（ 保利茂 ）
1008.
美しい生命とか、汚い生命とか、老いた生命とか、若い生命とか、そういう区別は無い筈なんですけどね。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1009.
今日が何日か言えなくなったら小ぼけ。
今月が何月か言えなくなったら中ぼけ。
今年が何年か言えなくなったら大ぼけ。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1010.
見舞い、看病、介護。
やれる時にやっておきましょう。
後悔すると悔やみます。
そうすると後を引きますよ。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1011.
心を変えろ、心を。
日本を背負う気になってみろ。
その気になって背負えば、日本などは軽いものだ。
いやそれがむしろ悲しい。
病み呆けた老婆よりも軽い。
（ 司馬遼太郎 ）
（ Shiba Ryoutarou ）
1012.
このぼけた婆さんが母親だと思うと、情けなくなるんですよね。
でね、これは母親じゃない、わからずやの孫なんだと思って、やっと割り切りました。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1013.
呆(ぼ)けてもいいんですけど、弱ってから呆けてほしいですね。
元気で呆けてるっていうのが、いちばん世話がやけるんですよ。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1014.
老人ホームでこそペットを飼うべきです。
手に触れる生きもののあたたかさ、これが大切です。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）
1015.
国の繁栄は、老人の扱いによって決まる。
（ ユダヤの名言・格言・ことわざ ）
（ Judea ）
1016.
老人には経験という宝物がある。
（ 武田信玄 ）
（ Takeda Shingen ）
1017.
自分に残された命が短いと感じる人は、「これをやることで死んでも構わない」「これをやりながら死にたい」と思えるものだ。
その覚悟が、物事を完成に導く。
（ 七瀬音弥 ）
（ Nanase Otoya ）
1018.
さらりと老いてゆく人の姿はうつくしい。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
1019.
知らないことは「知らない」といい、はじめて聞いて「えっ。
　ほーんと」とおどろく、素直な顔、それから、何かに興趣をもったり関心や欲望を持つと、トライしてみようと早速、モリモリとエンジンのかかる顔──そういうのがいい顔であって、だから七十歳の若い顔もあれば、十七、八の年寄顔もいるわけである。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1020.
生きている以上は有意義に生きなきゃだめだよ。
幾つになろうとも、自己を向上せしめるっていう意欲を失ってはいけませんぜ。
（ 中村天風 ）
（ Nakamura Tenpuu ）
1021.
ながい道あるいて
自分の無才無力が
ようやくわかりました
もう力まずに
あるけそうです
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1022.
長生きなんて元々、楽しくないものなのだ。
古馴染(ふるなじ)みの次々欠けていくのを見るのが長生きなのだから。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1023.
互いを光らせあう結婚ならば、老年になっても、縁があればした方がいい。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1024.
老いてから、だれもが子どもの本の生き生きとした世界に近づくことができるようだったら、どんなにいいだろうかと思います。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
1025.
業(ごう)を　背負い
ここまできたが
これからは　業に背負われ
最後の旅をつづけます
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1026.
としをとることも喜びだ
今までわからなかったことが
少しずつわかってくるから
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1027.
（※女の）イライラして気持が荒れる老い、というのは、「老い」ではなく、ただ、「お婆(ば)ンくさくなる」というヤツである。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1028.
女と年寄りは金の要るもの、ましてや、女であって年寄り、という存在は、人一ばい金が要る。
なんのために？
プライドと自立を守るためである。
八十になって、ヒトに（息子も含む）ああせい、こうせい、と指図を受けなくてもすむように生きるため、である。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1029.
恋愛についていえば、十代であろうとも六十、七十代であろうと原則に変わりはない。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1030.
おのれをこの世につなぐ鎖を
少しずつはずしていくのは、
真にえらい仕事。
こうして何もできなくなれば、
それを謙虚に承諾するのだ。
（ ヘルマン・ホイヴェルス ）
（ Hermann Heuvers ）

1031.
老いは驚きや発見を失うことなのだ。
しかし私はそれを悲しむよりは、そういう〈老いの風景〉に興味を感じて、面白くてたまらない。
若い人は、〈何をみても既知感があるなんて、人生索莫(さくばく)たるものじゃありませんか〉というかもしれないが、これが案外そうではない。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1032.
道路を爆走するのが１８歳、
道路を逆走するのが８１歳。
（ 作者不明 ）
1033.
人生には（中略）「ジワジワと」「ナアナアのうちに」変貌し、移ろうものがある。
そこが人生のいいところでもあるような気がする。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1034.
（※老いて）ああ、こういうの、以前にもあった、……と思うのは何だか手馴れた温(ぬく)みに漬かっているようで心地よいものだ。
人生そのものが、ようく使いこんで身に合ってきたという風情である。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1035.
泣きながら生まれてきて、
黙って死んでゆくのだ。
人は年老いた幼児として。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
1036.
年とるにつれ
弱るにつれ
尽きぬいのちが
私の底から涌(わ)いているのを
いつしか拝むようになり
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1037.
この足腰で
急がずあせらず
どこまでゆけるか
倒れたところが目的地
（ 浅田正作 ）
（ Asada Shousaku ）
1038.
年を取ってよかったことは、体が思うように動かなくなったことで、必要最小限の動きをするようになり、力が抜けてきたこと。
力というものには「我」がある。
力が抜けてくると自然に我も抜けてくる。
（ 辰巳芳子 ）
1039.
道に迷っている目の不自由な人に「どうしました？」と話しかける時、僕には無意識の優越感がなかったのか。
お年寄りに話しかける時、ハンディキャップを持った人に話しかける時、対等な関係ではなく、「あなたを守りますよ」という無意識に見下す意識がなかったのか。
たぶん、あったんじゃないか。
（ 鴻上尚史 ）
（ Koukami Shouji ）
1040.
歳を取ることはそれほど怖くはなかった。
歳を取ることは僕の責任ではない。
誰だって歳は取る。
それは仕方のないことだ。
僕が怖かったのは、あるひとつの時期に達成されるべき何かが達成されないままに終わってしまうことだった。
それは仕方のないことではない。
（ 村上春樹 ）
（ Murakami Haruki ）

1041.
あらゆる戦争は悪だと思っています。
戦争にいい戦争なんてありません。
私たち老人は、そのことを語り継がなければなりません。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1042.
年をとりゃ、若い者に負けるのはあたりまえ。
（ 本田宗一郎 ）
（ Honda Souichirou ）
1043.
老いて感じること
それは
黙って枯れてゆく
草や木の偉大さである
（ 浅田正作 ）
（ Asada Shousaku ）
1044.
老いたるも若きも死ぬる習いぞと
しりかほにしてしらぬ身ぞうき
（ 多聞院英俊 ）
1045.
ドングリはドングリで
美しい

苗木は苗木で
美しい

若木は若木(わかぎ)で
美しい

老樹(ろうじゅ)は老樹で
美しい

みんなみんな完成された美
みんなみんなプロセスだけれど
（ 六浦基 ）
（ Mutsuura Motoi ）
1046.
年齢はナンバーでしかない。
１４歳の年寄りもいれば、１４０歳の若者もいる。
（ リチャード・バック ）
（ Richard Bach ）
1047.
何歳のときのじぶんが好きですか。
上手に歳をとることができるとおもいますか。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
1048.
（長生きしたなあ……）
と自分で思ってしまうと、
（長生きして何が嬉しかろう？
　ちっとも楽しいことはないではないか）
などという、やくたいもない省察が生まれてくる。
それゆえ、長生きした、なんて自分で考える間もないように、日々忙しく、日々楽しく、「夢うつつ」でとび跳ねて過ごしていればいいのだ。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1049.
赤ちゃんがほほえむと
思わずかまいたくなる

昔の人
年寄りのこと
二度わらべと言っている

歳老いたとき
さっと手を出してもらえる
かわいい赤ちゃんのようになれたら
いいのになあ
（ 六浦基 ）
（ Mutsuura Motoi ）
1050.
歳をとった人と、若者とがお互いに理解しあうことは、難しいことである。
年寄りは若い頃を体験しているからまだしも、若者は年寄りの体験がないから、年寄りの苦労が理解できない。
（ タタルケビッチ ）
（ Tatarkiewicz ）

1051.
「幼少の時から苦しみ、中年でのたうちまわり、老年で歯がみしながら死ぬる」というのも日本的でいいかもしれない。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
1052.
俺のような年齢の者にはなにが何と言うても、若い者の精神を鼓舞するほど愉快なことはない。
（ 遠藤周作 ）
（ Endou Shuusaku ）
1053.
人間のトシなんて、主観的なものなんだ。
猫も杓子(しゃくし)も、同じように一つずつ、トシとるなんてものじゃない。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1054.
年齢を重ねるに従って、見えないモノが見える機会がいちだんと増えてきたのだ。
「ボケて賢くなる」ということである。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
1055.
年配者と若者がお互いを認め合って協力し合えるチームは強い。
（ アニメ『キャプテンアース』 ）
1056.
年齢なんて、単なる数字です。
それ以上でも以下でもありません。
気にする必要はありません。
まして、年齢によってしたいことをガマンするなんて、全くもってナンセンスです。
（ 美輪明宏 ）
（ Miwa Akihiro ）
1057.
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
それは祈りだ。
手は何もできない。
けれども最後まで合掌できる。
愛するすべての人のうえに、
神の恵みを求めるために。
（ ヘルマン・ホイヴェルス ）
（ Hermann Heuvers ）
1058.
年とって涙もろくなった人が、「年とったからなあ」ってよく言うけれど、それは違う。
「経験値が上がったからかな」って言うべきだ。
いろんなものの気持ちが分かるようになってきたということが、涙もろくなった理由なんだ。
（ 中井貴一 ）
1059.
ことごとにわれを咎(とが)むる家妻(いえづま)を
遂(つい)の頼りに生きていく日々
（ 筏井嘉一 ）
1060.
年を取れば取るほど、世の中は面白くなる。
色々なことが理解できるようになると、新たな発見の連続。
長生きはするもの。
（ 美輪明宏 ）
（ Miwa Akihiro ）

1061.
人間は（※年代に応じて）その時点時点でいい思いを味わうことができるもので、（中略）その年頃でないとわからんたのしみがある。
トシとるのん、べつに悲しくはないね、そう考えると。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1062.
ゆっくりあるくようになり
道ばたの石ころも
光っているのをしり
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1063.
自分はすべてを知っていると勘違いをして、学ぶことを忘れてしまった人間が、ずうずうしい生き物になります。
世の中をなめ、謙虚さを失い、ふてぶてしくなることから、老化が始まるのです。
（ 美輪明宏 ）
（ Miwa Akihiro ）
1064.
花がみなしぼむように、青春が老いに屈するように、一生の各階段も知恵も徳もみな、その時々に花を開くのであって、永続は許されない。
（ ヘルマン・ヘッセ ）
（ Hermann Hesse ）
1065.
死者老いず　生者老いゆく恨みかな
（ 菊池寛 ）
（ Kikuchi Kan ）
1066.
いつも周りの人と自分を比べて、「置いてかれる」と焦っている人は、早く老いて、枯れる。
（ 七瀬音弥 ）
（ Nanase Otoya ）
1067.
男というものはむっつりしてると、老けてみえるものである。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1068.
人間、時が来れば、一度は死ぬけれども、しかし、生きている間は死んでないのだから、生きていられれば、齢なんか関係ないではないか。
（ 中村天風 ）
（ Nakamura Tenpuu ）
1069.
天動説から地動説にかわったのは、地動説派が天動説派を粘り強く説得してかえさせたんじゃないんです。
天動説を信じる人たちがみんな死んで、この世からいなくなったからなんです。
つまり、古い人が死なないと、新しいものは生まれないってことです。
（ 漫画『インベスターＺ』 ）
（ Investor Z ）
1070.
トシなんてねえ、三十五から先はなくなんのよ。
その人の持ってる味だけになんのよ。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）

1071.
年とってからも、食欲とか性欲とかがあるとは思わなかったです。
それが、（年とったら）バカみたいに興味を持ってくる。
ますます元気になる。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
1072.
もう八十歳にもなると、別にモンダイみたいなものはなく、一日一日が平凡に過ぎてくれればそれでよい。
健康であれば有り難いと思うべきで、そのほかのことを夢見ろといわれても、ハナクソぐらいしか出てこない。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
1073.
フツーにしゃべって味が出る、というのは、やっぱりトシやでェ。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1074.
最近少しボケてきたんですがね、物を忘れるために、かえって世界が斬新になっていくんです。
（ 水木しげる ）
（ Mizuki Shigeru ）
1075.
自分はまだ若い、好奇心はたっぷりある。
可能性も未知のものが尚(なお)多くかくされている筈(はず)だ。
開拓してみよう。
新しい仕事にチャレンジしようと思いつづけることで、老いの訪れは引きのばすことが出来る。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1076.
ハイ・ミスが老けるのは、自分で、（もうアカン……）と思ったときだ。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1077.
この日本にはヤングと老人ばかりのようだ。
オトナはどこへいっているのだろう？
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1078.
若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、
謙虚に人の世話になり、
弱って、もはや人のために役だたずとも、
親切で柔和であること。
（ ヘルマン・ホイヴェルス ）
（ Hermann Heuvers ）
1079.
逢ひたきひとのあれども
逢ひたきひとは四十路(よそぢ)すぎ
わがそのかみ知るひとはみな四十路すぎ
四十路すぎては何のをとめぞ
をとめの日のありしさえ
さだかにあはれ
信じがたきに
（ 室生犀星 ）
（ Murou Saisei ）
1080.
若くして社会の改造を叫んだ人たち、又(また)は老いてなお愛の福音を説いた人たち、それらの人たちの一生は、必ずしも恵まれたものではなかったが、悲しい失敗によってますます力づけられたその理想は、却(かえ)ってその波瀾(はらん)ある一生を飾るものでもあった。
（ 九条武子 ）
（ Kujou Takeko ）

1081.
人間はどんな人にでも老いと死だけは平等にやってきます。
年を取りたくなければ死ぬしかありません。
（ 美輪明宏 ）
（ Miwa Akihiro ）
1082.
自分の健康と精神の若さと、可能性に、自ら見切りをつけた時から老いは始まる。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1083.
人生の幾山河(いくやまかわ)を共に渡った老夫婦が、互いの肉体で相手をあたためようといたわりつつ抱きあって眠る姿は、私の想像の中では、洗いぬかれ、流され、さらされた角のとれた美しい石が河原で並び、陽を浴びているような美しさとすがすがしさを感じます。
（ 瀬戸内寂聴 ）
（ Setouchi Jakuchou ）
1084.
あおぞらは
まんなかに心臓がある
こころくらき日
こころおもたき日は
まっすぐに空をあおげ
そこには　空のこころが生きている
地平にちかい空をみるな
そのあたりの空は老いさらばえた空である
（ 八木重吉 ）
（ Yagi Juukichi ）
1085.
人生の楽しさも、生き甲斐も４０からだ。
親になるなら４０までにだ。
４０になるまでに、子供には独立自営の道をつけねばならない。
（※４０からの）この楽しい時期を子供のために、浪費してはならない。
（ ピトキン ）
1086.
宵早く酔いてねむりてしまいしを
老いの兆しといたわりて妻
（ 小瀬洋喜 ）
（ Ose Youki ）
1087.
更年期になったからとて、女の役が終わったと思って老けこんではならない。
本当の女の生活も（※男と同様に）４０から始まるのだ。
というのは、女の本務は母になることだけではない。
女で良い仕事（頭脳的な人間としての仕事）をした人たちは、みな４０を過ぎてからだ。
（ ピトキン ）
1088.
かりそめの、人のなさけの身にしみて、まなこ、うるむも、老いのはじめや。
（ 太宰治 ）
（ Dazai Osamu ）
1089.
人は年を取ると青年時代より満足している。
だが、それだからといって私は青年時代をとがめようとは思わない。
なぜなら、青春はすべての夢の中で輝かしい歌のようにひびいて来、青春が現実であったときよりも、いまは一段と清純な調子でひびくのだから。
（ ヘルマン・ヘッセ ）
（ Hermann Hesse ）
1090.
生年月日を捨てましょう。
そろそろ「年齢」に縛られない世の中へ。
（ 美輪明宏 ）
（ Miwa Akihiro ）

1091.
新築の家を建てたとしても、３０年も経てばもうあちこちガタがきて水漏れもします。
知識や経験とはこのようなもので、身につけたときは得意に思っても、カビが生えて使い物にならなくなります。
すべきことはたったひとつ、改築。
必要なのは、新たな改築プラン。
つまり若さなのです。
（ 米長邦雄 ）
（ Yonenaga Kunio ）
1092.
雨の日には
雨の日にしか聞かせていただくことのできない
ことばを超えた　ご説法がある

老いの日には
老いの日にしか聞かせていただけない
ご説法がある

病む日には
病む日の
ご説法がある
（ 東井義雄 ）
（ Toui Yoshio ）
1093.
くだり坂には
またくだり坂の
風光がある
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1094.
突っかい棒が
ひとつ　またひとつ
ひとりでにはずれ
いまは わがいのちひろびろ
さて これから
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1095.
誰だって年を重ねるんだ。
だけどオヤジになったら、あいつは終わったなんて、そんなマンガみたいな事はそうざらには無いのさ。
誰か君の近くにいる４０歳以上の人に聞いてみろよ。
終わってねえんだよ。
どんどん発達してんだ。
３０歳くらいですべてわかったツラすんじゃねえよ。
（ 忌野清志郎 ）
（ Imawano Kiyoshirou ）
1096.
「老い」は、人が望むと否(いな)とにかかわらず、「いつのまにか」「スーッと」やってくる。
始末がわるい。
「老い」ばかりは、「キッパリ」「いさぎよく」というわけにいかないので、「いつとなく」「スーッと」老いてしまう。
若さからキッパリ引退はできないで、「いつとなく」「スーッと」若さを失う。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
1097.
無理しないという細い道が
ようやくわかりかけた
然(しか)しまだときどき
ふみはずす
（ 榎本栄一 ）
（ Enomoto Eiichi ）
1098.
青年は貞節であろうとして貞節でない。
老人は不貞であろうとして不貞になれない。
（ オスカー・ワイルド ）
（ Oscar Wilde ）
1099.
人びとをごらん。人生の表と裏を眺めながら
ときどき心の暗がりに、苦しい思い出を捨てて、
みんな勇気をもって、年老いてゆく。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
1100.
人生は４０で初めて一人前になるのだから、真の人生は４０にしてようやく始まるのだ。
（中略）労少なくして得るところ多い楽しい生活は、４０以後に初めて味わえるのだ。
（ ピトキン ）

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