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太宰治の名言
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1301.
本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である。
1302.
私は飲酒というものを、罪悪であると思っている。
悪徳にきまっている。
けれども、酒は私を助けた。
私は悪徳のかたまりであるから、つまり、毒を以(もっ)て毒を制すというかたちになるのかも知れない。
酒は、私の発狂を制止してくれた。
私の自殺を回避させてくれた。
1303.
理想主義者は、悲しい哉(かな)、現世に於(お)いてその言動、やや不審、滑稽の感をさえ隣人たちに与えている場合が、多いようである。
謂(い)わば、かのドン・キホオテである。
1304.
はり切りという言葉は、これは下品なものではなかった。
滑稽(こっけい)なものではなかった。
1305.
告げざれば、うれい、全く無きに似たり。
1306.
ひょっとしたら、鉄面皮というのは、男の美徳なのかも知れない。
とにかく、この文字には、いやらしい感じがない。
1307.
偉い人間は、咄嗟(とっさ)にきっぱりと意志表示が出来て、決して負けず、しくじらぬものらしい。
1308.
生きる事は、芸術でありません。
自然も、芸術でありません。
さらに極言すれば、小説も芸術でありません。
1309.
徒党は、政治である。
そうして、政治は、力だそうである。
そんなら、徒党も、力という目標を以(も)って発明せられた機関かも知れない。
しかもその力の、頼みの綱とするところは、やはり「多数」というところにあるらしく思われる。
1310.
十二、三歳の少女の話を、まじめに聞ける人、ひとりまえの男というべし。
1311.
子供の頃に苦労して、それがその人のために悪い結果になったという例は聞かない。
人間は、子供の時から、どうしたって悲しい思いをしなければならぬものだ。
1312.
私は、どうせ、（先生から）駄目な男と思われているのだから、先生に対して少しも気取る必要は無い。
かえって私は、勝手気ままに振舞えるのである。
1313.
もし愛情が、言葉以外に無いものだとしたなら、あたしは、愛情なんかつまらないものだと思います。
そんなものは、いっそ無いほうがよい。
ただ世の中を、わずらわしくするだけです。
1314.
思想が客間のお世辞に利用されるようになったら、もうおしまいです。
1315.
自作を語るなんてことは、老大家になってからする事だ。
1316.
武術を怠り、精神に確固たる自信が無く、きょうは左あすは右、ふらりふらりと千鳥足の生活から、どんな文芸が生まれるか凡(およ)そわかり切っている事です。
1317.
いま、という瞬間は、面白い。
いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。
1318.
悲惨と情慾とはうらはらのものらしい。
1319.
人から尊敬されようと思わぬ人たちと遊びたい。
けれども、そんないい人たちは、僕と遊んでくれやしない。
1320.
国語の乱脈は、国の乱脈から始まっている。
1321.
君には未だ、君自身の印象（＝自分なりの見方・感じ方）というものが無いようにさえ見える。
それでは、いつまで経っても何一つ正確に描写する事が出来ない筈です。
1322.
自身のしらじらしさや虚無を堪えて、やさしい挨拶送るところに、あやまりない愛情が在る。
1323.
信仰というものは、黙ってこっそり持っているのが、ほんとうで無いのか。
どうも、私は、「信仰」という言葉さえ言い出しにくい。
1324.
子供から冷い母だと言われているその母を見ると、たいていそれはいいお母さんだ。
1325.
十年一日の如(ごと)き、不変の政治思想などは迷夢に過ぎない。
1326.
愛情の深すぎる人に有りがちな偽悪趣味。
1327.
ああ、もう、言葉は、いやだ。
なんとでも言える。
1328.
なぜ生きていなければいけないのか、その問(とい)に思い悩んで居(い)るうちは、私たち、朝の光を見ることが、出来ませぬ。
そうして、私たちを苦しめて居るのは、ただ、この問ひとつに尽きているようでございます。
1329.
芸術は、命令することができぬ。
芸術は、権力を得ると同時に、死滅する。
1330.
疑いながら、ためしに右へ曲るのも、信じて断乎として右へ曲るのも、その運命は同じ事です。
どっちにしたって引き返すことは出来ないんだ。

1331.
怒る時に怒らなければ、人間の甲斐がありません。
1332.
おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。
あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ。
1333.
子供より親が大事、と思いたい。
子供のために、等と、古風な道学者みたいな事を殊勝さらく考えても、何、子供よりも、その親の方が弱いのだ。
1334.
好かれる時期が、誰にだって一度ある。
不潔な時期だ。
1335.
秋は、ずるい悪魔だ。
夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。
秋は、根強い曲者(くせもの)である。
1336.
見てしまった空虚、見なかった焦躁不安、それだけの連続で、三十歳四十歳五十歳と、精一ぱいあくせく暮して、死ぬるのではなかろうか。
1337.
どうも、同じクラスの者は大学を出てからも、仲の良いくせにつまらないところで張合って喧嘩をしたがる傾向がある。
1338.
この世の中に、戦争だの平和だの貿易だの組合だの政治だのがあるのは、女がよい子を生むためです。
1339.
世の中の人間の「実生活」というものを恐怖しながら、毎夜の不眠の地獄で呻(うめ)いているよりは、いっそ牢屋のほうが、楽かも知れない。
1340.
人道？
冗談じゃない。
僕は知っているよ。
自分たちの幸福のために、相手を倒す事だ。
殺す事だ。

1341.
どのような人でも、生きて在る限りは、立派に尊敬、要求すべきである。
1342.
終局において、人間は、これ語るに足らず。
1343.
貴族はエゴイストだ。
やっぱり、ご自分おひとりのことしか考えて居りませぬ。
ご自分おひとりの恰好(かっこう)のためにのみ、死ぬるばかり苦しんで居ります。
1344.
「つまりは、もっと勉強しなくちゃいかんということさ。」
「お互いに。」
徹宵(てっしょう)、議論の揚句(あげく)の果(は)ては、ごろんと寝ころがって、そう言って二人うそぶく。
それが結論である。
それでいいのだとこのごろ思う。
1345.
ふと思う。
なんだ、みんな同じことを言っていやがる。
1346.
君に今、一ばん欠けているものは、学問でもなければお金でもない。
勇気です。
1347.
「悪とは何ですか。」
「無意識の殴打です。
　意識的の殴打は、悪ではありません。」
1348.
おまえたち（＝先輩作家たち）には、苦悩の能力が無いのと同じ程度に、愛する能力に於(おい)ても、全く欠如している。
おまえたちは、愛撫(あいぶ)するかも知れぬが、愛さない。
1349.
酒、煙草、淫売婦、それは皆、人間恐怖を、たとい一時でも、まぎらす事の出来るずいぶんよい手段である。
1350.
おまえたち（＝先輩作家たち）の持っている道徳は、すべておまえたち自身の、或(ある)いはおまえたちの家族の保全、以外に一歩も出ない。

1351.
ギリシャをあこがれてはならない。
これはもう、はっきりこの世に二度と来ないものだ。
これは、あきらめなければいけない。
これは、捨てなければいけない。
1352.
なんにも書くな。
なんにも読むな。
なんにも思うな。
ただ、生きて在れ！
1353.
私の謂(い)わば行きづまりは、生活の上の行きづまりに過ぎなかった。
1354.
作家は人間でないのだから、人間の誠実がわからない。
1355.
父に早く死なれた兄弟は、なんぼうお金はあっても、可哀想なものだと思います。
全部で、1355件
　
　
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以下、ランダム名言コーナー
1.
自分の望むものを人が手にするのを見て感じる心の痛みを羨望(せんぼう)といい、自分が手にしているものを人もまた手にしているのを見て感じる心の痛みを嫉妬という。
（ ラエルティオン ）
2.
言われてやる仕事というのは、仕事じゃない。
（ 辻芳樹 ）
3.
私は短時間で自分を失ったのではなかった。
石に刻まれたものが水で擦り減るように、苦痛を洗い流そうとして、長年顔をこすり続けたのだ。
（ エイミ・タン ）
4.
学ぶこと、そして一般的に、真実と美とを追求することは、我々が一生涯子供でいることを許されている活動範囲である。
（ アインシュタイン ）
5.
憎まれっ子世にはばかる
（ 日本のことわざ・格言 ）
6.
相手の期待する以上を提示してあげると、
相手のモチベーションは高まる。
（ 松本幸夫 ）
7.
人間は昼と同じく、夜を必要としないだろうか。
（ ゲーテ ）
8.
不必要なものを手に入れることは、
必需品を手に入れることよりも、
はるかに大きな精神的興奮を催させる。
（ ガストン・バシュラール ）
9.
ねたみ心は、
理由のあるものもないものも、
立派な愛情に必要な品位をこわしてしまう。
（ ゴットフリート・ケラー ）
10.
一般に数学とは、自明な物事についての基本的な科学である。
（ フェリックス・クライン ）
11.
天は人の上に人を乗せて人をつくる。
（ 作者不詳 ）
12.
あなたが幸せで満足していることを、他人にあからさまに表明しないこと。
多くの人間は、あなたのことを不快に思う。
（ H・ジャクソン・ブラウンJr. ）
13.
あなたの目標の唯一の障害は、
あなた自身の心の中にある壁である。
（ ブライアン・トレーシー ）
14.
土積もって山岳(さんがく)を成し、
水流れて江海を成し、
行重なって君子を残す。
（ 『塩鉄論』 ）
15.
七たびを七十倍するまで許せ。
（ 『新約聖書』 ）
16.
（今日）日々の事実が、日々の真実のようでない。
豊かさが、わたしたちの豊かさのようでない。
わたしたちは、わたしたちのようでない。
（ 長田弘 ）
17.
あなたの成功を妨げるのは、あなた自身です。
あなたの心がマイナスに働いたとき、否定的、あるいは破壊的に働いたときに、あなたは最大の障害に直面することになるのです。
（ ジョセフ・マーフィー ）
18.
美徳は多くの説教師をかかえているが、
殉教者は少ない。
（ エルヴェシウス ）
19.
今度気持ちが爆発しそうになったら、あらかじめ「つらいときのセッション」が要るのだ、と皆に告げなさい。
近くにいる人に、怒っている、いらだっている、うんざりしている、もう我慢できない、と言いなさい。
これから五分間、ぷんぷんすると言いなさい。
何も気にしないでほしい、自分のことだと思わないでほしいと言いなさい。
そして逆上しなさい。
それで気分がずいぶんよくなり、しかも誰にも詫びることも、涙を拭くこともありません。
最後には笑い出すかもしれませんよ。
（ サラ・バン・ブラナック ）
20.
賢人は柔軟な考え方を持つが、愚か者はあくまでも自説に固執する。
（ ユダヤの名言・格言・ことわざ ）
21.
なにごともなく、あたりまえのこととしている日々の生活の背後に無数の人がいる。
私が一つのことを成し遂げられるということの背後には、無数の人がおられる。
（ 宮城顗 ）
22.
「こうだからこうで」「こうだからこうすべき」というのは
（＝理屈で説明できることは）、
ほとんどスタッフやほかの役員で決められることだ。
答えが出ないことこそ、
トップが決めないといけない。
自信がない決断かもしれないが、
決めなかったらみんなが困る。
（ 井上礼之 ）
23.
理性的な人間なら、
自分が絶対に正しいなどと
むやみに信じたりはしないだろう。
私たちは常に、
自分の意見にある程度の疑いをまじえなければいけない。
（ バートランド・ラッセル ）
24.
自然にひれ伏さなければ、
自然はその一番美しいところを見せてくれない
と言った人があったが、
そのとおりだと思う。
（ 帖佐美行 ）
25.
柔は剛に勝ち、弱は強に勝つ。
この道理を知らない者はない。
だが、実行する者はいない。
（ 老子 ）
26.
アルツハイマーとか痴呆症という言葉は使いません。
私どもの田舎では昔から「二度わらし」といいます。
また、赤ちゃんに戻ったという意味です。
（ 永六輔 ）
27.
最高は次善の敵。
（ イタリアのことわざ・格 ）
28.
０か１００か白か黒かしかない人とは議論ができない。
また仕事の多くは大事なことを絞ってそれ以外は妥協や利害調整の連続なので、白黒主義者は仕事も破綻させがちになる。
（ 為末大 ）
29.
湧きあがる拍手の中に手を打たぬ
われあり打たぬ手の温かさ
（ 小瀬洋喜 ）
30.
自分の子どもが死ぬという体験をしたことによって、
なんかものごとがよく見えるようになったという感じがするんですね。
人間がよく見えるようになった。
（ 柳田邦男 ）
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