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物を考えるとは、
物を掴(つか)んだら離さぬという事だ。 画家が、モデルを掴んだら 得心(とくしん)の行くまで離さぬ というのと同じ事だ。 小林秀雄[こばやし・ひでお]
(文芸評論家、1902〜1983) 「良心」 『小林秀雄全作品 第23集:考えるヒント 上』(新潮社刊)に収載
〈全文〉
考えるとは、合理的に考える事だ。 どうしてそんな馬鹿気(ばかげ)た事が言いたいかというと、 現代の合理主義的風潮に乗じて、 物を考える人々の考え方を観察していると、 どうやら、 能率的に考える事が、合理的に考える事だと 思い違いしているように思われるからだ。 当人は考えている積もりだが、 実は考える手間を省いている。 そんな光景が到る処(ところ)に見える。 __ Link __ 物を考えるとは、 物を掴(つか)んだら離さぬという事だ。 画家が、モデルを掴んだら 得心(とくしん)の行くまで離さぬ というのと同じ事だ。 __ Link __ だから、考えれば考えるほどわからなくなるというのも、 物を合理的に究めようとする人には、 極めて正常な事である。 だが、これは、 能率的に考えている人には異常な事だろう。 __ Link __
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