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ぼつぼつと物を言って、
しかもそれが、立派な雄弁になる場合はある。 内藤濯[ないとう・あろう]
(フランス文学者、翻訳家、文芸評論家、1883〜1977) 『未知の人への返書』
〈全文〉
一つの事柄を話にまとめるとなると、 言葉にあまるからといって、 黙っているわけにはいかぬ。 沈黙の美しさを裏切らないだけの言葉が なくてはならぬ。 そういう切りつめた 言葉への熱(ねつ)っぽい欲求こそは、 雄弁を生む源であって、 能弁とはまるきり質がちがう。 __ Link __ したがって、 沈黙から美しく芽生えた言葉づかいこそ 雄弁である。 __ Link __ 言いかえれば、 必要以上のことを言わず、 必要以下のことも言わず、 言うべきことのみを言う、 それこそが雄弁である。 __ Link __ だから、ぼつぼつと物を言って、 しかもそれが、立派な雄弁になる場合はある。 __ Link __
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