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301.
頬杖は夢見るかたち風光る
（ 長嶺千晶 ）
（ Nagamine Chiaki ）
302.
風を待ち菫のダンス始まりぬ　
（ 池本喜久恵 ）
（ Ikemoto Kikue ）
303.
地吹雪や王国はわが胸の中に
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
304.
計画の旅路これより風光る
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
305.
梅おくる風は匂ひのあるじかな
（ 心敬 ）
（ Shinkei ）
306.
櫛の歯に風も音する冬の空
（ 心敬 ）
（ Shinkei ）
307.
とほうみの音の吹かるる夜寒(よさむ)かな
（ 太田鴻村 ）
（ Oota Kouson ）
308.
成人の日の汝が袖に風遊ぶ
（ 高木晴子 ）
（ Takagi Haruko ）
309.
猫柳つめたきは風のみならず
（ 木下夕爾 ）
（ Kinoshita Yuuji ）
310.
ふと、訳も無しに一条の風の様に胸をよぎる悲しみがある。
この悲しみに、一杯の酒は似合いである。
（ 金石範 ）
311.
哀しみはいつだって
幸せな日を選び
風のようにあらわれて
夢のように消えてゆく
（ 河島英五 ）
312.
人の生涯は草のよう。
野の花のように咲く。
風がその上に吹けば、消えうせ、
生えていた所を知る者もなくなる。
（ 『旧約聖書』 ）
（ ユダヤの名言・格言・ことわざ ）
（ Kyuuyaku Seisho ）
（ Judea ）
313.
秋風をあやなす物か赤とんぼ
（ 松岡青蘿 ）
（ Matsuoka Seira ）
314.
薔薇の園水面を刻む風の術(すべ)
（ 中村草田男 ）
（ Nakamura Kusatao ）
315.
人生におけるどんな波風、どんな屈辱にも堪えて、
真っ直ぐに自分の道を歩いてゆけるような、
しっかりした「いのちの根」を（子供に）作っておいてやる、
それが本当の愛情だと思います。
（ 相田みつを ）
（ Aida Mitsuwo ）
316.
樹木は風雪の中に
他人に見せたくない自分のあるがままの裸をさらす
ひとことも弁解しないで
（ 相田みつを ）
（ Aida Mitsuwo ）
317.
人生というのはそういうものだ。
植物の種子が気紛れな風に運ばれるように、
我々もまた偶然の大地をあてもなく彷徨う。
（ 村上春樹 ）
（ Murakami Haruki ）
318.
清風故人来(きた)る。
（ 杜牧 ）
319.
インディアンは、
池の水面を、
矢のように吹き抜けていく風の、
やさしい響きが好きなのだ。
（ シアトル族の首長の言葉 ）
320.
先生はふるさとの山風薫る
（ 日野草城 ）
（ Hino Soujou ）
321.
風入れてたしかな春のわが家かな
（ 片岡義順 ）
（ Kataoka Gijun ）
322.
菜の花の風まぶしくて畔蛙(あぜかわず)
（ 森澄雄 ）
（ Mori Sumio ）
323.
春の風街のカーブを吹いてくる
（ 京極杞陽 ）
（ Kyougoku Kiyou ）
324.
空気疲れの地球可愛や初嵐
（ 三橋敏雄 ）
（ Mitsuhashi Toshio ）
325.
秋風やひびの入りたる胃の袋
（ 夏目漱石 ）
（ Natsume Souseki ）
326.
山風や夜落ちしとこ湖氷(うみこお)る
（ 松根東洋城 ）
（ Matsune Touyoujou ）
327.
炎天の隙間を風の来たりけり
（ 上田五千石 ）
（ Ueda Gosengoku ）
328.
妻いつもわれに幼し吹雪く夜も
（ 京極杞陽 ）
（ Kyougoku Kiyou ）
329.
朔風(さくふう)や枝の疎密を均(なら)すかに
（ 佐藤文香 ）
（ Satou Ayaka ）
330.
ヨットゆく風をよろこびゐる如く
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）

331.
やませ来るいたちのやうにしなやかに
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
332.
わが墓に来て立つは誰秋の風
（ 野見山朱鳥 ）
（ Nomiyama Asuka ）
333.
あと味のよい一集に木の芽風
（ 丸山佳子 ）
（ Maruyama Yoshiko ）
334.
波音は岸に集まり秋の風
（ 稲田秋央 ）
335.
あかあかと日は難面(つれなく)もあきの風
（ 松尾芭蕉 ）
（ Matsuo Bashou ）
336.
涼風(すずかぜ)の波打つ如く衣(ころも)を打つ
（ 中村草田男 ）
（ Nakamura Kusatao ）
337.
北風の吹くだけ吹きし星の冴え
（ 渋沢秀雄 ）
（ Shibusawa Hideo ）
338.
齢(とし)闌(た)けて吹雪のように踊るかな
（ 澁谷道 ）
（ Shibuya Michi ）
339.
秋風や手相できめる運不運
（ 鈴木真砂女 ）
（ Suzuki Masajo ）
340.
満身に春風一生かくも長し
（ 宇多喜代子 ）
（ Uda Kiyoko ）

341.
秋かぜやことし生れの子にも吹く
（ 小西来山 ）
（ Konishi Raizan ）
342.
春二番三番四番五番馬鹿
（ 三橋敏雄 ）
（ Mitsuhashi Toshio ）
343.
春風やにはたづみにもある渚
（ 三橋敏雄 ）
（ Mitsuhashi Toshio ）
344.
闘志尚(なお)存(そん)して春の風を見る
（ 高浜虚子 ）
（ Takahama Kyoshi ）
345.
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花
主(あるじ)なしとて春を忘るな
（ 菅原道真 ）
（ Sugawarano Michizane ）
346.
恋は一粒の種。
気まぐれと偶然が、黒い土の上に置いた種子であろう。
それを育てる太陽や風や雨は、ごくささいなつまらぬ行動である。
（ 畑正憲 ）
（ Hata Masanori ）
347.
自分の土地に流れる水、
己の上に吹きわたる風の気配、
それを自分の存在のアカシとして出発しない限り、
いかなる文化もありはしない。
花がひらくという神秘。
死にゆく樹々の鮮やかな紅葉の死に化粧。
ぼく自身の生命に共振する。
（ 岡本太郎 ）
（ Okamoto Tarou ）
348.
風も水も地殻もまたわたくしもそれとひとしく組成され
じつにわたくしは水や風やそれらの核の一部分で
それをわたくしが感じることは
水や光や風ぜんたいがわたくしなのだ
（ 宮沢賢治 ）
（ Miyazawa Kenji ）
349.
米袋ひらいて吹雪みせてあげる
（ 澁谷道 ）
（ Shibuya Michi ）
350.
愛があなたを手招きしたら、愛に従いなさい。
愛のやり方は、厳しく、非情かもしれないけれど。
愛があなたを抱きかかえたら、愛に抱いてもらいなさい。
翼に隠された剣で、傷つくかもしれないけれど。
そして愛があなたに話しかけてきたら、愛の言うことを信じなさい。
愛の声は、北風が庭の花を枯らすように、あなたの夢を粉々に砕くかもしれないけれど。
（ ハリール・ジブラーン ）
（ Khalil Gibran ）

351.
暴風と
海との恋を
見ましたか
（ 鶴彬 ）
（ Tsuru Akira ）
352.
伝言板のうえの言葉は、一人から一人へ宛てられているが、いつでも誰でもの目にふれている。
いつでも風に吹かれているが、必要なだけの短さで誌(しる)された、一人から一人への密(ひそ)かな言葉だ。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
353.
もし風や光のなかに自分を忘れ世界がじぶんの庭になり、あるいは惚(こつ)として銀河系全体をひとりのじぶんだと感じるときはたのしいことではありませんか。
（ 宮沢賢治 ）
（ Miyazawa Kenji ）
354.
風は清し　月はさやけし　いざともに
踊り明かさん　老いの名残りに
（ 良寛 ）
（ Ryoukan ）
355.
水の光り。
日の光り。
やわらかな風。
葉のしたたり。
おおきな木。
花の色。
草の色。
土の色。
鳥の影。
雲の影。
ふだんはいそがしさのなかに忘れてしまっている「何か」が、
それらのあいだにあるとおもう。
いつもは忘れている「何か」、
それが何か思いだせない「何か」、
何かとしかいえない「何か」を思いだしたいとき、
そこにいったら思いだせるような気がする。
そうした心がふっと開かれてゆくような、
開かれた場所が好きだ。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
356.
風立ちぬ、いざ生きめやも。
（ ポール・ヴァレリー ）
（ Paul Valery ）
357.
風と波とは、常に優秀な航海者に味方する。
（ 海のことわざ ）
358.
喜寿といふ春風にをる齢(よわい)かな
（ 富安風生 ）
（ Tomiyasu Fuusei ）
359.
風の音蜻蛉(とんぼう)向きを変ふる音
（ 藤井あかり ）
（ Fujii Akari ）
360.
風切つてくるつばくろよお帰りなさい
（ 大木あまり ）
（ Ooki Amari ）

361.
風光る丘の話をしてゐたる
（ 宮本佳世乃 ）
（ Miyamoto Kayano ）
362.
春の風苦しむ鶏(とり)を抱きにゆく
（ 宇多喜代子 ）
（ Uda Kiyoko ）
363.
春一番踊子草の乱舞あり
（ 伊藤一枝 ）
364.
吹雪いたり霽(は)れたり春の刻々と
（ 石田郷子 ）
（ Ishida Kyouko ）
365.
秋風にやりし子猫のたより聞く
（ 久保より江 ）
（ Kubo Yorie ）
366.
秋風の日本に平家物語
（ 京極杞陽 ）
（ Kyougoku Kiyou ）
367.
春風の日本に源氏物語
（ 京極杞陽 ）
（ Kyougoku Kiyou ）
368.
吹きおこる秋風鶴をあゆましむ
（ 石田波郷 ）
（ Ishida Hakyou ）
369.
春風や言葉が声になり消ゆる
（ 池田澄子 ）
（ Ikeda Sumiko ）
370.
秋風やそのつもりなくまた眠り
（ 久保田万太郎 ）
（ Kubota Mantarou ）

371.
ともしびを見れば風あり夜の雪
（ 大島蓼太 ）
（ Ooshima Ryouta ）
372.
風車まはり消えたる五色かな
（ 鈴木花蓑 ）
（ Suzuki Hanamino ）
373.
涼風(すずかぜ)のひたと吹き曲(ま)ぐ帽のへり
（ 中村汀女 ）
（ Nakamura Teijo ）
374.
凩(こがらし)の吹き散らしたる空の青
（ 西川寿賀子 ）
（ Nishikawa Sugako ）
375.
麦の穂や総身(そうしん)風にめぐらるる
（ 下村槐太 ）
（ Shimomura Kaita ）
376.
しその葉に秋風にほひそめにけり
（ 木下夕爾 ）
（ Kinoshita Yuuji ）
377.
腥風(せいふう)のあと薫風(くんぷう)の山河あり
（ 堀口星眠 ）
（ Horiguchi Seimin ）
378.
野の鳩の塔掠(かす)めしよ風光る
（ 五十崎朗 ）
（ Ikazaki Rou ）
379.
秋風のかゝる香(か)かつて希望ありき
（ 川口重美 ）
（ Kawaguchi Shigemi ）
380.
秋風や生きのこりたる黒金魚
（ 川口重美 ）
（ Kawaguchi Shigemi ）

381.
風そこに生まれ熄(や)まざる芒原(すすきはら)
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
382.
秋の風石に目鼻の見えはじむ
（ 宇多喜代子 ）
（ Uda Kiyoko ）
383.
大事業をするのには、努めていい友達を頼りにする。
大きな森を焼くのには、風の力が必要だ。
（ サキャ・パンディタ ）
（ Sakya Pandita ）
384.
誓いとは言葉である。
言葉とは風にすぎない。
（ 小説家サミュエル・バトラー ）
（ Samuel Butler ）
385.
時間は、風のように流れて流れて、なつかしいひとをつれていき、あたらしいひとをつれてくる。
流れて流れつづけて、またどこかでめぐりあう。
（ 漫画『永遠の野原』 ）
386.
ほんとに人生の苦労らしい苦労をなめたにちがいない人間は、そんな惨苦と闘って来たようにも見えないほど、明るくて、温和に、そしてどこか風雨に洗われた花の淡々たる姿のように、さりげない人がらをもつに至るものである。
（ 作者不詳 ）
387.
きみのようにさ
吹雪やわずかの仕事のひまで
泣きながら
からだに刻んでいく勉強が
まもなくぐんぐん強い芽を噴いて
どこまでのびるかわからない
それがこれからの新しい学問の始まりなんだ
（ 宮沢賢治 ）
（ Miyazawa Kenji ）
388.
風にそよぐ葦(あし)
（ 『新約聖書』 ）
（ Shinyaku Seisho ）
389.
風が吹けば桶屋が儲かる
（ 日本のことわざ・格言 ）
（ Nihon saying ）
390.
俳句人口が三百万人。
この人たちが花鳥風月、つまり自然環境を守ると大変な力になるんですけどね。
（ 永六輔 ）
（ Ei Rokusuke ）

391.
浮世の名声は、今こなたに吹き、今かなたに吹き、そのところを変えるによりて名を変えうる風の一息にほかならず。
（ ダンテ・アリギエーリ ）
（ Dante Alighieri ）
392.
諸君はこの颯爽(さっそう)たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか
（ 宮沢賢治 ）
（ Miyazawa Kenji ）
393.
俺は俺の弱さが好きなんだよ。
苦しさや辛さも好きだ。
夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。
どうしようもなく好きなんだ。
（ 村上春樹 ）
（ Murakami Haruki ）
394.
突風の涼しさは子の高笑ひ
（ 中村汀女 ）
（ Nakamura Teijo ）
395.
清きものは心を洗う。
色の清らかなものは観るのによいし、声の清らかなものは聴くのによいし、水の清らかなものは口をゆすぐのによいし、風の清らかなものは吹かれるのによいし、味の清らかなものは好むのによいし、香りの清らかなものは嗅ぐのによい。
総て清らかなものは、われわれの心を洗い清める。
（ 佐藤一斎 ）
（ Satou Issai ）
396.
ハッピーな人の周りには、いつでもその人らしい風が吹いていて、周囲に幸せな空気が広がっていく。
種類も形も違えど、きっと誰もが持っている幸せの種。
（ 川畑洋子 ）
397.
くだらない小説を書きてよろこべる
男憐(あは)れなり
初秋(はつあき)の風
（ 石川啄木 ）
（ Ishikawa Takuboku ）
398.
風が吹くまで定石で我慢
（ 職場の先輩 ）
399.
若い時は、風を切って生きるべし。
年を取ったら、風に吹かれて生きるべし。
（ 映画『福耳』 ）
400.
風はいつも悪い方向から吹いてくる。
（ サウジアラビアの格言 ）

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