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流れる水の悲しさは、
休息が無いといふことである。 夜、万象(ばんしょう)が沈黙し、 人も、鳥も、木も、草も、すべてが深い眠りに落ちてる時、 ただ独り醒めて眠らず、 夜も尚(な)ほ水は流れて行く。 寂しい、物音のない、真暗な世界の中で、 山を越え、谷を越え、無限の荒寥(こうりょう)とした広野(こうや)を越えて、 水はその旅を続けて行く。 ああ、だれがその悲哀を知るか! 萩原朔太郎[はぎわら・さくたろう]
(大正〜昭和の詩人・作家、1886〜1942) 散文詩「主よ。休息をあたへ給へ!」 散文詩集『宿命』 山を越え、谷を越え、無限の荒寥(こうりょう)とした広野(こうや)を越えて、 水はその旅を続けて行く。 ああ、だれがその悲哀を知るか! ※原文漢字表記は、「萬象(ばんしょう)」「沈默(ちんもく)」「獨(ひと)り」「眞暗(まっくら)」「曠野(こうや)」「續(つづ)けて」「聽く」
《 水 》
《 悲しみ 》 《 夜 》 《 沈黙・無言 》 《 人間 》 《 鳥 》 《 鳥全体 》 《 木 》 《 睡眠・眠り 》 《 音 》 《 山 》 《 旅・旅行 》 《 日本の文豪 》 * * * * * * * * * * 《 星座別名言と運勢 》 《 血液型別名言と運勢 》 《 流れ・流れること 》
《 水 》 《 悲しみ 》 《 休息 》 《 夜 》 《 沈黙・無言 》 《 人間 》 《 鳥 》 《 鳥全体 》 《 木 》 《 草 》 《 深いということ 》 《 睡眠・眠り 》 《 寂しさ 》 《 音 》 《 暗いということ 》 《 世界 》 《 山 》 《 谷 》 《 無限 》 《 旅・旅行 》 《 継続 》 《 日本の文豪 》 〈全文〉
流れる水の悲しさは、 休息が無いといふことである。 夜、万象(ばんしょう)が沈黙し、 人も、鳥も、木も、草も、すべてが深い眠りに落ちてる時、 ただ独り醒めて眠らず、 夜も尚(な)ほ水は流れて行く。 寂しい、物音のない、真暗な世界の中で、 山を越え、谷を越え、無限の荒寥(こうりょう)とした曠野(こうや)を越えて、 水はその旅を続けて行く。 ああ、だれがその悲哀を知るか! __ Link __ 夜ひとり目醒めた人は、 眠りのない枕の下に、 水の淙淙(そうそう)といふ響を聴く。 ――我が心いたく疲れたり。 主よ休息をあたへ給へ! __ Link __
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