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私は、不安と苦痛の窮極まで追いつめられると、ふいと、ふざけた言葉が出るのです。
臨終(りんじゅう)の人の枕もと等で、突然、卑猥(ひわい)な事を言って笑いころげたい衝動を感ずるのです。 太宰治［だざい・おさむ］
（明治〜昭和の作家、1909〜1948） 『風の便り』 木戸一郎が井原退蔵にあてた手紙より 【 太宰治の名言 】
〈全文〉
私は、どうしてこうなんでしょう。 不安と苦痛の窮極まで追いつめられると、ふいと、ふざけた言葉が出るのです。 臨終(りんじゅう)の人の枕もと等で、突然、卑猥(ひわい)な事を言って笑いころげたい衝動を感ずるのです。 まじめなのです。 気持は堪えられないくらいに厳粛にこわばっていながら、ふいと、冗談を言い出すのです。
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