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死ねば、それはそれで仕方がない。
(中略)自分を投げ出すことで、 その気もないのに かえって自分(=自分の命)を拾ってきたのだ。 北方謙三[きたかた・けんぞう]
(小説家、1947〜) 『逢うには、遠すぎる』 ※「(=自分の命)」は七瀬音弥による補足
〈全文〉
死ねば、それはそれで仕方がない。 自分を投げ出すような気持。 時々襲ってくる。 肉体が、あるいは精神が、 危機の縁(ふち)に立った時、 必ずと言っていいほどこの気持が襲ってくる。 あらゆるものに、 自分の命にさえも執着がなくなる。 いままで、そうやってきた。 自分を投げ出すことで、 その気もないのに かえって自分(=自分の命)を拾ってきたのだ。
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