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たとえば、相手と話していて、
こいつ、いやなやつだとか、 いいやつだとか、 嬉しいとか、憎らしいとか、 こういう感じをうけましょう? それは自分のいやなところ、憎らしいところ、 嬉しい気持が 相手に映っているんですよ。 池波正太郎[いけなみ・しょうたろう]
(小説家、1923〜1990) 『霧に消えた影』
〈全文〉
(山田次朗吉の)門人たちの言葉によると、 「平素は温顔あふるるばかりの先生が、木刀をとって道場へ立たれると、豪快壮絶、鬼気せまるばかりで、観ているものも、慄然(りつぜん)として膚(はだ)えに粟(あわ)を生じた」とある。 ある人が、このことを次朗吉にいうと、「そうですか。 そんな顔になっていますかねえ。 だが、そりゃ相手に向けて、そんな恐ろしい顔をしているのじゃアない」 「え?」 相手の剣、相手の顔にうつる私自身に対して、そんな顔つきをするのでしょうよ」 __ Link __ 「ははあ……」 「剣道ばかりじゃない。 たとえば人と人が、こうして向かい合って話し合っているときでも、人は相手に自分をみながら話しているのでねえ。 まあ、無意識のうちにだが……」 __ Link __ と、次朗吉は微笑し、 「たとえば、相手と話していて、こいつ、いやなやつだとか、いいやつだとか、嬉しいとか、憎らしいとか、こういう感じをうけましょう?」 「はい」 「それは自分のいやなところ、憎らしいところ、嬉しい気持が相手に映っているんですよ」__ Link __ 「そういうものですかな」 「そういうものですねえ」
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人は、
目新しいもの、 未知の快楽、未知の感覚を ひたすら追い求めるが、 それらをひとたび味わえば、 快さも、たちどころにして失せてしまう。 そうなると、 少々の逆境に突然おそわれても、 それに耐えることができない。
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一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね 一歩一歩のつみかさね 一坐一坐のつみかさね 一作一作のつみかさね 一念一念のつみかさね つみかさねの上に 咲く花 つみかさねの果てに 熟する実 それは美しく尊く 真の光を放つ
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