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501.
踏みはづし片羽根をつく初鴉(はつがらす)
（ 秋元不死男 ）
（ Akimoto Fujio ）
502.
詩歌とは畢(たん)に鶯(うぐいす)の歌ではない。
やがて強烈な自意識は
美神を捕えて
自身の心臓に幽閉せんとするのである。
（ 小林秀雄 ）
（ Kobayashi Hideo ）
503.
翡翠(かわせみ)の一閃(いっせん)枯野(かれの)醒ましゆく
（ 堀口星眠 ）
（ Horiguchi Seimin ）
504.
小鳥来て朝の窓辺の賑々(にぎにぎ)し
（ 服部珠子 ）
（ Hattori Tamako ）
505.
かはせみの一句たちまち古びけり
（ 黒田杏子 ）
（ Kuroda Momoko ）
506.
軽鳧(かるがも)の子のみんな同じでみなちがふ
（ 市川葉 ）
（ Ichikawa You ）
507.
一音の鳴らぬ鍵盤鳥ぐもり
（ 福神規子 ）
（ Fukujin Noriko ）
508.
こころにも影落しゆくつばくらめ
（ 秋元不死男 ）
（ Akimoto Fujio ）
509.
小鳥来る旅の昨日を話す目に
（ 岡田順子 ）
（ Okada Junko ）
510.
啄木鳥(きつつき)や木に嘴(はし)あてて何もせず
（ 能村登四郎 ）
（ Nomura Toshirou ）
511.
翔(た)つ力砂に刻みて冬鴎(ふゆかもめ)
（ 野村邦翆 ）
512.
梅雨を啼く鴉しんから憎きかな
（ 鈴木真砂女 ）
（ Suzuki Masajo ）
513.
春山や鳶(とび)の高さを見て憩(いこ)ふ
（ 飯田蛇笏 ）
（ Iida Dakotsu ）
514.
走り寄り二羽となりたる千鳥かな
（ 中村汀女 ）
（ Nakamura Teijo ）
515.
森の中で鳥が鳴く前には鳴き声の予感がある。
楽器を演奏する時には、鳥が鳴く前の兆しから始めなければならない。
（ 小澤征爾 ）
（ Ozawa Seiji ）
516.
鳥帰る無辺の光追ひながら
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
517.
帰らんと我はいづくへ鳥帰る
（ 森澄雄 ）
（ Mori Sumio ）
518.
鳥帰る帰る故郷のありてこそ
（ 村越化石 ）
（ Murakoshi Kaseki ）
519.
笹鳴(ささなき)に逢ひたき人のあるにはある
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
520.
萩枯れて頬白(ほおじろ)訪(と)はずなりにけり
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
521.
荷造りに掛ける体重初うぐひす
（ ふけとしこ ）
（ Fuke Toshiko ）
522.
夕鵙(もず)や遠きは遠く思ふのみ
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
523.
ぬけおちて涼しき一羽千羽鶴
（ 澁谷道 ）
（ Shibuya Michi ）
524.
日面(ひおもて)のだんだん日陰笹子(ささご)鳴く
（ 深見けん二 ）
（ Fukami Kenji ）
525.
子雀に朝燒(あさやけ)さめて光さす
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
526.
夏鳥はわが化身なれ沖つ石(おきついし)
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
527.
結婚は鳥かごのようなものだ。
外にいる鳥たちはいたずらに中に入ろうとし、中にいる鳥たちはいたずらに外に出ようともがく。
（ モンテーニュ ）
（ Montaigne ）
528.
鳥は頭を向けた方に飛んでいくが、方向を決めるのは尾っぽである
（ 井上ひさし ）
（ Inoue Hisashi ）
529.
ぼくを見つめているこのハクトウワシは、
過去にも未来にも生きてはいない。
そんな時間などは存在しない。
まさにこの一瞬一瞬を生きているのだ。
（ 星野道夫 ）
（ Hoshino Michio ）
530.
賢者はいかに窮しても、
愚者の道は歩まない。
ツバメはいかに喉が渇こうとも、
地面に落ちた水は飲まない。
（ サキャ・パンディタ ）
（ Sakya Pandita ）

531.
犬は犬、鳥は鳥、そして猫は人だ。
（ マグシー・ピーボディ ）
532.
同じ鳥でも飛ばない鳥はなあんだ？
それはひとり　という鳥だ
（ 寺山修司 ）
（ Terayama Shuuji ）
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