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九条武子の名言
｜1－100｜
｜101－152｜
101.
技巧の加えられたものほど、複雑なすがたを具(そな)える。
102.
ともに信じ合う世界は、人々が互いの、合掌される感謝の心持によって、はじめて成されるのである。
103.
しばらくも倦(う)むことのない、自然の働きを見のがしてはならない。
みずからの営みを、丹念にたもちつづけるものは、如何(いか)なる境涯に在(あ)っても健(すこ)やかに生きることができる。
104.
日本料理は品の取り合せと、器の趣味に凝ることにおいて、眼の料理であり、支那料理は舌の料理であると云(い)われる。
105.
みずからの多難な運命を開拓してゆくものは、やはり自らの力である。
106.
追憶を通して、過ぎ去った日の自分を眺めるとき、みずからの過去は、無為に消え去ってしまったものではなく、却(かえ)って慕わしく、しみじみと人生の深みそのものに触れてゆくなつかしさを感ずるであろう。
107.
あこがれへの一路の旅は、つねに幾多の試練がくりかえされる。
しかし究極の到達を信ずるがゆえに、喘(あえ)ぎくるしむことの、徒労でないことが知られる。
むしろ与えられた試練を受け入れることの、愉快をさえ覚えるであろう。
108.
悩みはつねに暗い影となって、自分につきまとうている。
所詮、自分を滅してしまうほかには、悩みの影と別れきることができないと覚(さと)るとき、悩みを全く払い去ろうとすることの、徒労であることを知る。
109.
女性が、知らず知らず男子の同情を要求し、之(これ)に甘んじている間は、無気力な弱者たらざるを得ないであろう。
110.
理想をもたぬものは、生命を忘れているものである。
111.
恵みをたえずもとめてやまぬのは、可憐(いじ)らしいことである。
しかし常凡な日々のいとなみのなかにも、ゆたかな恵みを見のがしているのは、寂しいことである。
112.
自然のすがたには何人(なんぴと)も反感をもたない。
それはいたずらに飾られた詐(いつわ)りがないからである。
113.
何人(なんぴと)も愛し合うことを許されていながら、何人も互(たがい)に（愛を）許し得ない、
（愛は）焦燥と苦悩の裡(うち)に閉じこめられている呪われた存在である。
114.
世界の歴史は、剣と血の歴史である。
115.
私たちは善そのものの肯定よりも、悪そのものの肯定によって、しみじみとみずからの内面を、反省させられずにはおられない。
116.
われらの歎(なげ)きは、短き命をもっていることにあるのではなく、瞬間の生命を、よく生かし得ないところに在(あ)る。
117.
絶え間なき地上の争いは、ことごとく不自然な差別から生まれる久遠(くおん)のなやみである
118.
言葉によって尽くし得ないことを、行為をもって補おうとするのは、正しいことではない。
近代人は、たがいの本心にふれ合い、たがいに了解するところまで到らずして、ただちに行為を用いようとする。
119.
散りゆく花は、風を怨もうとはしない。
花は自分にめぐまれただけの本分をはたして、しずかに散ってゆく。
120.
みずからの悪をかえりみ得ないものは、ともすれば自我の小善を高ぶりがちである。
121.
理智のひかりなき愛は盲目に終る。
理智の燈炬(とうこ)を高く翳(かざ)して、はじめて盲愛の闇路より出(い)づることが出来る。
しかし理智のみの生活は、たとえ愛を解しても自ら愛に充たされることは出来ない。
122.
何人(なんぴと)も卒直に自己を示すときは、無用の行為はすべて跡を絶つことであろう。
123.
単に慾望の満足をはかるために、愛を翫(もてあそ)んではならない。
124.
如何(いか)に小さな存在であっても、われらは疑うこともなきたしかな存在であるところに、一瞬の生命のいよいよ尊きことが知られる。
125.
幼児が母のふところに抱かれて、乳房を哺(ふ)くんでいるときは、すこしの恐怖も感じない。
すべてを托しきって、何の不安も感じないほど、遍満(へんまん)している。
母性愛の尊きめぐみに、跪(ひざまず)かずにはおられない。
126.
近代はすべての方面において、驚異に満たされている。
人々は、あまりに驚くべく強いられている。
しかし地上に於(お)ける営みは、畢竟(ひっきょう)、平凡な人間の道を辿(たど)りつづけるに過ぎない。
127.
月は古来同一のすがたではあるが、これを眺むる人の心によっていろいろに変ってゆく。
そこにまた人生の心境の、如何(いか)に複雑であるかが物語られている。
128.
まこととは何か。
詐(いつわ)りのないことであると、釈尊は説かれた。
なやましき人生において、詐りのないことは、まことに稀有(けう)である。
129.
美のなきところ、かならず内容に欠くるところがある。
130.
何人も、詐(いつわ)りのない世界に住みたいとおもう。
いつわりの多い世の中であるそれだけ、信じ合う世界にあこがれる。

131.
静けさを、暗い寂寞(せきばく)とのみ見てはならない。
むしろ自分のたましいを喚(よ)び覚ます、平和な心の灯とも観られよう。
132.
何人の運命も、その終極においては公平である。
133.
信仰の篤いことは尊ぶべきことである。
しかし、みずからの迷える信念の満足のために祈り、みずから安んじているのは、悲しいことである。
134.
追憶の感激をもたない生活を、つづけなければならぬ人たちは寂しい。
135.
はっきりと自分を捉(とら)えているときは、何処(どこ)に在(あ)っても寂しさを感じない。
しかし落ちついて、自分をふり返ってみないときは、たとえ賑やかな都大路(みやこおおじ)のまん中に在っても、かぎりなき哀愁にとざされずには居られぬであろう。
136.
自然をしみじみと観じ、これより受ける何物かを、生活の上にまで引き入れようとする態度は、魅力に富む東洋人の心境を表示するものであろう。
137.
古語は古人のことばである。
古語を今人(こんじん)に通ぜしめるには、現代語の意訳を経(へ)なければならない。
古語の致命傷はそこに在(あ)る。
138.
聖なるものは、ただ聖なるもののみが知る。
139.
音楽は、民族のことばの発生と同時に生(うま)れた、最初の詩的発声である。
140.
私たちの歌わんとするものは、私たちの心からの表現であらねばならない。

141.
自分は生きているという誇りは尊いものではない。
感謝の心なき存在は、単に自己肯定の誇りをもてあそんでいるに過ぎない。
142.
善はすすめるべきことである。
しかし何人(なんびと)も、みずからの善を誇ってはならない。
143.
日本婦人の最も讃美すべき特長は、ゆたかに恵まれたその情操である。
そして、日本婦人に最も望ましきものは理智である。
144.
何人(なんぴと)も正義を愛する。
しかし何人も、正義の声を聴き得る心をもっていても、みずから之(これ)を行うところがなかったならば、それは正義を愛する人ではない。
145.
信仰は一(ひとつ)の奇蹟ではない。
宗教はまた気やすめのための、力なき慰めでもない。
信仰は荷(か)せられた悩みを逃避するのではなく、悩みの肯定のうちに、救いの光にみちびかれるのである。
146.
たとえ一坪の牢獄であっても、厳粛な懺悔の道場であることをさとった人に、なつかしいこの社会が、却(かえ)ってつめたい牢獄となって迎えることは、あまりに悲しいとおもう。
147.
日本のように材料の豊富なところは、原味を尚(たっと)ぶあまり、自然、調味法も簡単になりがちである。
148.
生じたものはかならず滅びる。
この厳(おご)そかな原則のまえには、男も女も、尊きも賤(いやし)きも、何の差別もない。
すべては刻々の生の間に、刻々の滅(ほろび)を迎うるべく運命づけられている。
149.
調味は物資の欠乏しているところほど発達する。
150.
女性が、いたずらに装飾を俟(ま)って、作られた美を顕(あら)わそうとつとめる。
本真を忘れて、技巧を弄(ろう)するところに、いたましき美の混乱が生じてくる。
本真に逆(さから)う虚偽の美より醜いものはない。

151.
私たちはほとけの慈悲に馴れて、ほとけを弄(もてあそ)んではならない。
みずからの弱い貧しさをかえりみると同時に、めぐまれた救いのよろこびを味わう。
弱き者こそ強くありたい。
152.
生きている自分こそは、生かしてもらっている自分であることに気づくときは、きわみなき聖愛のめぐみに、感謝されずには居られぬであろう。
全部で、152件
　
　
★ ★ ★ ★ ★
以下、ランダム名言コーナー
1.
自分が死すべき存在だと知ったときから、私は死の観念が怖ろしくてたまらなかった。
人々が「勇気」と呼ぶものなど、私には何も見ていないゆえの軽はずみとしか思えなかった。
（ ボーヴォワール ）
2.
成功も悪くはない。
悪いのはただ、
飲めば飲むほど渇きを産む塩水なのだ、
成功は。
（ 大岡信 ）
3.
自分の気に入る音楽にめぐり会えるなんて、あまり日常ではあることじゃない。
（ 忌野清志郎 ）
4.
一輪の花美しくあらば、われもまた生きてあらん。
（ 川端康成 ）
5.
風邪ひくな、転ぶな、義理を欠け。
（ 「老人健康の鉄則」 ）
6.
全身全霊を捧げて取り組まない限り、
引き返すべきかという迷いや無力感がつきまとうものだ。
（ W・H・マレー ）
7.
空を見上げる。
──何が、見えるの？
──何も見えない。
ちがう。空を見上げると、
とてもきれいな、ひろがりが見える。
いや、見えるのではない。
感じる。
（ 長田弘 ）
8.
文明というものは、ゴミを出すもの。
その点、文化はゴミが出ません。
（ 永六輔 ）
9.
愛と執着を間違えないこと。
（ 加藤諦三 ）
10.
世渡り上手な人いわく。
押しつけでもいいから恩は売っておくほうがよい。
何か頼みごとをした時、承諾してもらいやすくなる。
（ 樺旦純 ）
11.
始めなきゃ、始まらない。
（ 広告コピー ）
12.
唯一の善は知識であり、
唯一の悪は無知であることである。
（ ソクラテス ）
13.
自分が得意だと思っていることに、溺れるな。
物事の「本質」を鋭く透察する心を持て。
（ ピーター・ドラッカー ）
14.
人生は、もともと悲愴なものと滑稽なものとの結合がなくては堪えられないほど、宿命的に厳粛なものである。
（ ハインリッヒ・ハイネ ）
15.
無名人の末期がんと、有名人の末期がんじゃ比較にならないよ。
注目されていると、見栄をはれるものな。
有名人ってものはがんになっても得だよな。
（ 永六輔 ）
16.
どうして本を読むのか。
それは、物事を「相対的」に見るために必要だから。
読書によって、自分を客観視する脳が鍛えられる。
さまざまな事例やさまざまな人の心を読書によって感じとれるようになり、意識的か無意識的かは別にして、自分と照らし合わせることができるようになる。
だから、大切なんです。
（ 斎藤茂太 ）
17.
他人の道を進んで成功するよりも、
自分の道を進んで失敗したほうがいい。
（ ながれおとや ）
18.
人生の一番のご褒美とは、為す価値のある仕事を一生懸命為す機会が与えられることに違いない。
（ セオドア・ルーズベルト ）
19.
答えをもつということは、人間は答えに照らして理解するよりも、判定することに夢中になる。
判定するということは、そこにレッテルをはるということです。
（ 宮城顗 ）
20.
ウソをつく方が正直より（事実に）近いこともある。
（ 田辺聖子 ）
21.
われ山にむかいて眼を挙(あ)ぐ。
（ 太宰治 ）
22.
これをやるにはちょっと歳をとりすぎたかなと思ったときは、すぐに取りかかりましょう。
（ マーガレット・ディランド ）
23.
勝って騒がれるのではなく、負けて一面に載れ。
（ 野村克也 ）
24.
日本のヒーローは、すべてお上の人間。
水戸黄門や大岡越前、刑事ドラマの警察官など、公務員が圧倒的多数だ。
悪事を働く民間人をお上が成敗する構図で、困ったらお上が助けてくれる、といった価値観と文化が存在している。
（ 漫画『インベスターＺ』 ）
25.
イノベーション政策にかかわる国際会議に出席すると、諸外国の参加者はだれもが博士号を持っていますが、日本のキャリア官僚だけが持っていない。
グローバルスタンダードでは博士号を持っていないと一人前に扱われないので、日本の官僚だけ誰からも話しかけてもらえない。
（ 山口栄一 ）
26.
困ったことに、人間の社会では筋金入りの信念を持つ者ほど、周辺の人々から非難、攻撃の的にされてしまう。
（ 徳川家康 ）
27.
快楽の共有から苦悩の共有へと進め。
（ ヘルマン・ヘッセ ）
28.
ある男性に想われているかどうか、女性は必ずピンときます。
しかも、かなり前もって。
はっきりした徴候が現れるからです。
内気な男性は向こう見ずになるし、ちゃらちゃらした男性は真面目くさってくるし、陽気な男性はせつなげになりますね。
（ キム・ノヴァク ）
29.
エル・ドラド（黄金郷）は誰しも心の中にあります。
（ 『タルムード』 ）
（ ユダヤの名言・格言・ことわざ ）
30.
人類が成しとげた偉業のほとんどは、当初は不可能だと言われていたことだ。
（ ルイス・D・ブランダイス ）
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