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[ 名言 ]
徒然草(つれづれぐさ)に、
馬鹿の真似をする奴は馬鹿である。
気違いの真似だと言って
電柱によじのぼったりする奴は
気違いである、
聖人賢者の真似をして、したり顔に腕組みなんかしている奴は、やっぱり本当の聖人賢者である、
なんて、いやな事が書かれてあった。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『鉄面皮』

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〈全文〉
もともと芸術家ってのは
厚顔無恥の気障(きざ)ったらしいもので、
漱石がいいとしをして
口髭(くちひげ)をひねりながら、
我輩は猫である、名前はまだ無い、
なんて真顔で書いているのだから、
他は推して知るべしだ。
所詮(しょせん)、まともではない。
賢者は、この道を避けて通る。
__ Link __

ついでながら徒然草(つれづれぐさ)に、
馬鹿の真似をする奴は馬鹿である。
気違いの真似だと言って
電柱によじのぼったりする奴は
気違いである、
聖人賢者の真似をして、
したり顔に腕組みなんかしている奴は、
やっぱり本当の聖人賢者である、
なんて、いやな事が書かれてあったが、
__ Link __

浮気の真似をする奴は、やっぱり浮気、
奇妙に学者ぶる奴は、やっぱり本当の学者、
酒乱の真似をする奴は、まさしく本物の酒乱、
芸術家ぶる奴は、本当の芸術家、
大石良雄の酔狂振りも、あれは本物、
また、笑いながら厳粛の事を語れと教える哲人ニイチェ氏も、
笑いながら、とはなんだ、
そんな冗談めかしたりして物を言う奴は、
やっぱり、ふざけた奴なんだ、
という事になって、
鉄面皮を装う愚作者は、
なんの事はない、
そのとおり鉄面皮の愚作者なのだ。
まことに、身も蓋(ふた)も無い興覚(きょうざめ)た話で、
まるで赤はだかにされたような気持であるが、
けれども、これは、あなどるべからざる説である。
この説に就(つ)いては、
なお長年月をかけて考えてみたいと思っているが、
小説家というものは恥知らずの愚者だという事だけは、
考えるまでもなく、
まず決定的なものらしい。
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