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国のために、
藩のため主人のため、 また愛する者のために、 自らすすんで死ぬ、ということは、 侍の道徳としてだけつくられたものではなく、 人間感情のもっとも純粋な燃焼の一つとして 存在して来たし、 今後も存在することだろう。 山本周五郎[やまもと・しゅうごろう]
(大正〜昭和の小説家、1903〜1967) 『樅(もみ)ノ木は残った』 ※甲斐のモノローグ
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国のために、 藩のため主人のため、 また愛する者のために、 自らすすんで死ぬ、ということは、 侍の道徳としてだけつくられたものではなく、 人間感情のもっとも純粋な燃焼の一つとして 存在して来たし、 今後も存在することだろう。 __ Link __ ──だがおれは好まない、 甲斐(かい)はそっと頭を振った。 たとえそれに意味があったとしても、 できることなら「死」は避けるほうがいい。 そういう死には 犠牲の壮烈と美しさがあるかもしれないが、 それでもなお、生きぬいてゆくことには、 はるかに及ばないだろう。 __ Link __
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