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愛の痛みは時で癒やすことができますが、傷ついて痛む虚栄心を癒やすことができるのは死のみです。
サマセット・モーム
[サマーセット・モーム] (19〜20世紀イギリスの劇作家・小説家、1874〜1965) 『英国諜報員アシェンデン』(金原瑞人訳)
〈全文〉
魂を悩ます感情のなかで、虚栄心ほど破滅的で、普遍的で、根深いものはありません。 そして虚栄心の力を否定するものがあるとすれば、それは虚栄心しかない。 愛以上に破壊的です。 __ Link __ 年を重ねれば、ありがたいことに、愛の恐怖も愛の枷(かせ)も指を鳴らせば消えてしまいます。 しかし虚栄心の鎖から自由になることはできません。 __ Link __ 愛の痛みは時で癒やすことができますが、傷ついて痛む虚栄心を癒やすことができるのは死のみです。 __ Link __ 愛は単純ですから、みるがままです。 それにひきかえ、虚栄心は百もの偽装で人を欺きます。 __ Link __ そのうえ、多かれ少なかれ、あらゆる美徳にこれがふくまれているのです。 勇気の推進力であり、野心の活力であり、愛する者に誠実さを、ストイックな者に忍耐を与え、名声を求める芸術家の炎に油を注ぎ、正直者の高潔さを支え、それに代償を与えます。 __ Link __ 謙虚な聖者の心のなかでも、シニカルに笑っているのが虚栄心です。 これから逃れられる者はいません。 防ごうと苦労すれば、その苦労に付けこんで人を躓(つまず)かせる。 __ Link __ 虚栄心の攻撃には打つ手がない。 どこを撃ってくるかがわからないのですから。 誠実さもその罠から逃れる道具にはならない、ユーモアもその嘲りを防ぐ盾にはなりません。 __ Link __
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( 呂本中 )
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( 映画『麗しのサブリナ』 )
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( 増田宗昭 )
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