名言ナビ



[ 名言 ]
きみはほかの誰にもならなかった。
好きだろうがきらいだろうが、きみという一人の人間にしかなれなかった。
そうと知ったとき、そのときだったんだ、そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
散文詩集『深呼吸の必要』
詩「あのときかもしれない」

ページ内メニュー

[ 関連キーワード ]

[ テーマ別今日の名言 ]
長田弘
詩作品
 * * * * * * * * * *
星座別名言と運勢
血液型別名言と運勢

[ テーマ別の全名言 ]
詩作品

[ 全文・続き ]
〈全文〉
きみはいつおとなになったんだろう。
きみはいまはおとなで、子どもじゃない。
子どもじゃないけれども、きみだって、もとは一人の子どもだったのだ。

きみはある日、突然おとなになったんじゃなかった。
気がついてみたら、きみはもうおとなになっていた。
なった、じゃなくて、なっていたんだ。
ふしぎだ。
__ Link __

そこには境い目がきっとあったはずなのに、子どもからおとなになるその境い目を、きみがいつ飛び越しちゃってたのか、きみはさっぱりおぼえていない。
__ Link __

(中略)そうしてきみは、きみについてのぜんぶのことを自分で決めなくちゃならなくなっていったのだった。
つまり、ほかの誰にも代わってもらえない一人の自分に、きみはなっていった。

きみはほかの誰にもならなかった。
好きだろうがきらいだろうが、きみという一人の人間にしかなれなかった。
そうと知ったとき、そのときだったんだ、そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。
__ Link __

・・・子どものきみは「遠く」へゆくことをゆめみた子どもだった。
だが、そのときのきみはまだ、「遠く」というのが、そこまでいったら、もうひきかえせないところなんだということを知らなかった。
「遠く」というのは、ゆくことはできても、もどることのできないところだ。

子どものきみは、ある日ふと、もう誰からも「遠くへいってはいけないよ」と言われなくなったことに気づく。
そのときだったんだ。
そのとき、きみはもう、ひとりの子どもじゃなくて、一人のおとなになってたんだ。
__ Link __

・・・ふと気がつくと、いつしかもう、あまり「なぜ」という言葉を口にしなくなっている。
そのときだったんだ。
そのとき、きみはもう、ひとりの子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。
__ Link __

「なぜ」と元気にかんがえるかわりに、「そうなっているんだ」という退屈なこたえで、どんな疑問もあっさり打ち消してしまうようになったとき。
・・・そのときだったんだ。
そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。
__ Link __


[ ランダム名言 ]
1.

2.

3.

4.

5.

6.

7.

8.

9.

10.

11.


12.

13.
( ジョージ・デーヴィッド・スチュアート )

14.
( 漫画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 )

15.
( アン・セクストン )

16.

17.
( 佐藤悦子 )

18.

19.

20.
( ドラマ『ユーリカ 〜地図にない街〜 シーズン2』 )

21.
( 「ライブドア・独女通信」 )


22.
( 松山妙子 )

23.

24.

25.
( ロビン・シャーマ )

26.

27.

28.

29.

30.

31.


32.

33.
( 作者不詳 )

34.
( ドナルド・ラムズフェルド )

35.
( ドラマ『エンゼルバンク〜転職代理人』 )

36.
( ジャッキー・ロビンソン )







LINK  LINK  LINK