名言ナビ



[ 名言 ]
じぶんを呼びとめる小さな声が、どこからか聞こえて、しばらくその声に耳を澄ますということが、いつのころからか頻繁に生じるようになった。
(中略)そうした、いわば沈黙の声に聴き入るということが、ごくふだんのことのようになるにつれて、物言わぬものらの声を言葉にして記しておくということが、いつかわたしにとって詩を書くことにほかならなくなっているということに気づいた。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
詩集『奇跡−ミラクル−』
あとがきより

ページ内メニュー

[ 関連キーワード ]

[ テーマ別今日の名言 ]
文章の書き方
長田弘
詩作品
 * * * * * * * * * *
星座別名言と運勢
血液型別名言と運勢

[ テーマ別の全名言 ]

[ 全文・続き ]
〈抜粋文全文〉
ふと、呼びかけられたように感じて、立ちどまる。
見まわしても、誰もいない。
ただ、じぶんを呼びとめる小さな声が、どこからか聞こえて、しばらくその声に耳を澄ますということが、いつのころからか頻繁に生じるようになった。

それは風の声のようだったり、空の声のようだったり、道々の声のようだったり、花々や樹々の声のようだったり、小道の奥のほうの声のようだったり、朝の声や夜の声のようだったり、遠い記憶のなかの人の声のようだったりした。

そうした、いわば沈黙の声に聴き入るということが、ごくふだんのことのようになるにつれて、物言わぬものらの声を言葉にして記しておくということが、いつかわたしにとって詩を書くことにほかならなくなっているということに気づいた。
__ Link __

書くとはじぶんに呼びかける声、じぶんを呼びとめる声を書き留めて、言葉にするということである。
__ Link __

『奇跡─ミラクル─』は、こうして、わたしはこんなふうに、このような声を聴き、それらの声を書き留めてきたという、返答の書となった。

「奇跡」というのは、めったにない稀有(けう)な出来事というのとはちがうと思う。
それは、存在していないものでさえじつはすべて存在しているのだという感じ方をうながすような、心の動きの端緒(たんしょ)、いとぐちとなるもののことだと、わたしには思える。
__ Link __

日々にごくありふれた、むしろささやかな光景のなかに、わたし(たち)にとっての、取り換えようのない人生の本質はひそんでいる。
それが、物言わぬものらの声が、わたしにおしえてくれた「奇跡」の定義だ。
__ Link __

たとえば、小さな微笑みは「奇跡」である。
小さな微笑みが失われれば、世界はあたたかみを失うからだ。
__ Link __

世界というものは、おそらくそのような仕方で、いつのときも一人一人にとって存在してきたし、存在しているし、存在してゆくだろうということを考える。
(後文省略)


[ ランダム名言 ]
1.

2.

3.

4.


5.

6.
( スティーヴ・ベアマン )

7.

8.
( 加藤シズエ )

9.

10.
( トニー・ダンギー )

11.
( ヘーゼルデン財団 )

12.

13.
( 岸見一郎 )

14.

15.

16.

17.
( ゼノビオス )

18.

19.

20.

21.

22.

23.

24.

25.

26.

27.

28.

29.

30.
( )





LINK  LINK  LINK