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知人(しりびと)の死ぬということは、
喪が深くなるにつれ、年ごとに、 こちらの胸の中へ、 その人のおもかげというものがつよく根を下ろし、 こちらが、この世に別れを告げるまで 生きつづけている。 池波正太郎[いけなみ・しょうたろう]
(小説家、1923〜1990) 『その男(二)』
〈全文〉
知人(しりびと)の死ぬということは、 喪が深くなるにつれ、年ごとに、 こちらの胸の中へ、 その人のおもかげというものがつよく根を下ろし、 こちらが、この世に別れを告げるまで 生きつづけている。 __ Link __ これはね、たしかにそうだということが 年齢(とし)をとってくるにつれ、 いよいよ、はっきりしてまいりましたよ。 ■このごろの私はね、あなた。 知人が亡くなっても、 その葬式へも出かけませんので。 凝(じっ)と、この私の胸の内へ、 その亡くなった人のおもかげをたたみこむ。 それだけでもう、 私にはじゅうぶんなのでございますよ。 __ Link __
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