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僕等は他人の性格に関しては、
はっきりした知識を持った気でいる事が便利だが、 自分自身の性格に関しては 不得(ふとく)要領に構えているのが便利である。 小林秀雄[こばやし・ひでお]
(文芸評論家、1902〜1983) 「山本有三の『真実一路』を廻って」 『小林秀雄全作品 第10集:中原中也』(新潮社刊)に収載 ※不得要領(ふとくようりょう)=要領を得ないこと。
肝心なところがわからないこと。 また、そのさま。
〈全文〉
僕等が 自分達の性格に関する他人の評言が気に食わぬのは、 自分を一番よく知っているのは自分だ という自惚れに依(よ)るのでは恐らくないだろう。 __ Link __ 凡(およ)そ(自分の)性格に関するはっきりした定義を恐れているのだ。 自分はどの様な人間にせよ かくかくの人間だと どうしようもなく決められるその事を、 人性は何にもまして好まないのである。 __ Link __ 僕等は他人の性格に関しては、 はっきりした知識を持った気でいる事が便利だが、 自分自身の性格に関しては 不得(ふとく)要領に構えているのが便利である。 __ Link __ いや便利と言うより、 己れの何物たるかを はっきりとは合点出来ない事が、 僕等の生きるに必要な条件かも知れない。 __ Link __
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( 塚谷裕一 )
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