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[ 名言 ]
海の憂鬱さは、
無限に単調に繰返される浪の波動の、
目的性のない律動運動を見ることにある。

[ 出典 ]
萩原朔太郎[はぎわら・さくたろう]
(大正〜昭和の詩人・作家、1886〜1942)
散文詩集『宿命』
「散文詩自註」の「海」より

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[ 補足 ]
※原文漢字表記は、「單調(たんちょう)」「何億萬年(まんねん)」「不斷(ふだん)」「有機體(ゆうきたい)」「疲勞(ひろう)」「無數(むすう)」「讚美歌(さんびか)」

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目的
日本の文豪
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 海 
憂鬱
無限
反復・繰り返し
 波 
目的
日本の文豪

[ 全文・続き ]
〈全文〉
海の憂鬱さは、
無限に単調に繰返される浪の波動の、
目的性のない律動運動を見ることにある。
おそらくそれは何億万年の昔から、
地球の劫初と共に始まり、
不断に休みなく繰返されて居るのであらう。
そして他のあらゆる自然現象と共に、
目的性のない週期運動を反覆してゐる。
それには始(はじまり)もなく終(おわり)もなく、
何の意味もなく目的もない。
それからして我我は、
不断に生れて不断に死に、
何の意味もなく目的もなく、
永久に新陳代謝をする有機体の生活を考へるのである。
あらゆる地上の生物は、
海の律動する浪と同じく、
宇宙の方則する因果律によつて、
盲目的な意志の衝動で動かされてる。
(中略)海の印象が、かくの如く我々に教へるのである。
それからして人人は、
生きることに疲労を感じ、
人生の短調な日課に倦怠して、
早く老いたニヒリストになつてしまふ。
だがそれにもかかはらず人人は、
尚(なお)海の向うに、海を越えて、
何かの意味、何かの目的が有ることを信じてゐる。
そして多くの詩人たちが、
彼等のロマンチツクな空想から、
無数に美しい海の詩を書き、
人生の讃美歌を書いてるのである。


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