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201.
家族同様に暮らしていくうちに、猫はしだいに家庭の中心的存在になってくる。
この愛らしくも不思議な動物は生き生きとした静けさをかもしだし、王のような気品を漂わせながら悠然とわれわれのあいだを歩きまわり、自分にとっておもしろそうなもの、楽しそうなものを見つけたときのみ足をとめる
（ ジャン・コクトー ）
（ Jean Cocteau ）
202.
優美な花瓶のごとく、猫は、じっとしていても流れるようだ。
（ ジョージ・ウィル ）
203.
犬は所有できるが、
猫には餌をあげることしかできない。
（ スニーキー・パイ・ブラウン ）
204.
猫は究極のナルシストだ。
始終身繕いをしているのを見れば分かる。
（ ジェームズ・ゴーマン ）
205.
猫、名詞 (1) ブザー内蔵の膝暖房器。
（ 作者不詳 ）
206.
猫に小判
（ 日本のことわざ・格言 ）
（ Nihon saying ）
207.
我々には心の奥深くに猫と同じ欲望がある。
猫はそれに沿って生活している。
（ ジム・デイビス ）
208.
猫は特別な存在だ。
抱くことしかできないのだから。
（ ケイトリン・タイ ）
209.
わたしにとっての猫は、いわば物言わぬ哲学者のような存在であって、すぐれて耳澄ますことに秀でた、日々の対話の相手です。
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
210.
猫と女は、だまって居(い)れば（こちらの）名を呼ぶし、近寄って行けば逃げ去る。
（ 太宰治 ）
（ Dazai Osamu ）
211.
両腕の間(あい)の虚(うつ)ろを埋(うず)めんと　猫を抱(いだ)けばイヤイヤと啼(な)く
（ 松平盟子 ）
212.
雄々しくネコは生きるのだ 尾をふるのはもうやめなのだ 失敗おそれてならぬのだ 尻尾を振ってはならぬのだ 女々しくあってはならぬのだ お目々を高く上げるのだ
（ 井上ひさし ）
（ Inoue Hisashi ）
213.
ねこは何もいわずに語る
はげしく愛して
ゆっくり眠る
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
214.
犬は〈自然〉でありながらも〈人工〉的な存在である。
しかし、猫は自然そのものといっていい。
（ 田辺聖子 ）
（ Tanabe Seiko ）
215.
ねこは生きたいように生きる
ゆきたいところへ
すばやく走る
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
216.
胸のドアを開けなくちゃ
ねこが　きみの
こころにはいれるように
胸のドアを開けなくちゃ
（ 長田弘 ）
（ Osada Hiroshi ）
217.
猫と女は、呼ぶと逃げ、呼ばないとすりよってくると言うが、運命もまた、こっちが冷たくしていると機嫌とりにやってきて、こっちがしつこく追いまわすと遠ざかってしまう。
（ 寺山修司 ）
（ Terayama Shuuji ）
218.
猫……青ひげ公の八人目の妻
猫……財産のない快楽主義者
猫……毛深い怠け娼婦
猫……このスパイは　よく舐(な)める
（ 寺山修司 ）
（ Terayama Shuuji ）
219.
猫……ヒゲのある女の子
猫……闇夜の宝石詐欺師
猫……謎解きしない名探偵
猫……この世でいちばん小さな月を二つ持っている
（ 寺山修司 ）
（ Terayama Shuuji ）
220.
歩き出す仔猫あらゆる知へ向けて
（ 福田若之 ）
（ Fukuda Wakayuki ）
221.
行く年や猫うづくまる膝の上
（ 夏目漱石 ）
（ Natsume Souseki ）
222.
尾は蛇の如く動きて春の猫
（ 高浜虚子 ）
（ Takahama Kyoshi ）
223.
くるくると猫に遊ばれ火取虫(ひとりむし)
（ 加藤克 ）
224.
悪さして梅雨のあいだを猫でいる
（ 福田若之 ）
（ Fukuda Wakayuki ）
225.
烏猫(からすねこ)こたつの上にあくびかな
（ 久保より江 ）
（ Kubo Yorie ）
226.
冬空や猫塀づたひどこへもゆける
（ 波多野爽波 ）
（ Hatano Souha ）
227.
逝く猫に小さきハンカチ持たせやる
（ 大木あまり ）
（ Ooki Amari ）
228.
孫の菓子　食べたと言えず　ねこのせい
（ 福岡県の女性 ）
229.
猫下りて次第にくらくなる冬木
（ 佐藤鬼房 ）
（ Satou Onifusa ）
230.
要するに猫が襖(ふすま)を開けたのよ
（ 市川葉 ）
（ Ichikawa You ）

231.
ものの芽に跼(かが)めば猫も来て跼む
（ 富安風生 ）
（ Tomiyasu Fuusei ）
232.
なんでもない日常で 猫がホトホト歩いていって
ふと立ち止まって
こちらを振り向く時
永遠に縮まらない猫との距離を知ってしまう
撫でても
撫でても
さわっても
さわっても
その距離はあるのだ
猫に時間の流れる
（ 大島弓子 ）
（ Ooshima Yumiko ）
233.
春の猫もどり来しかば迎へけり
（ 中村汀女 ）
（ Nakamura Teijo ）
234.
春猫や押しやる足にまつはりて
（ 飯田蛇笏 ）
（ Iida Dakotsu ）
235.
頬よせる猫のあいさつ春の朝
（ 片岡義順 ）
（ Kataoka Gijun ）
236.
猫に来る賀状や猫のくすしより
（ 久保より江 ）
（ Kubo Yorie ）
237.
猫だけが　今日の出来事　聞き相手
（ 有賀みどり ）
238.
猫のゐるところは凉し段ばしご
（ 佐々木邦 ）
（ Sasaki Kuni ）
239.
来世でも一緒になろと猫に言い
（ 七瀬音弥 ）
（ Nanase Otoya ）
240.
猫の眼に海の色ある小春かな
（ 久保より江 ）
（ Kubo Yorie ）

241.
帰り来ぬ猫に春夜の灯を消さず
（ 久保より江 ）
（ Kubo Yorie ）
242.
猫などを飼っている人たちは、
愛する動物たちよりも長生きをすることが
義務の一つになってくるのである。
（ 森村誠一 ）
（ Morimura Seiichi ）
243.
人間を束縛しない猫は、
人間を信用していない野良である。
彼らは
人間の（＝人間に対する）信用を棄てて
自由を獲得し、
飼い猫は自由を売って
安全を買う。
（ 森村誠一 ）
（ Morimura Seiichi ）
244.
飼い主が先に逝(い)ってしまえば、
飼い猫は置き去りにされて
放浪の旅に出なければならない。
飼い主は
我が愛猫に
そんな半生（猫生）を送らせることはできない。
（ 森村誠一 ）
（ Morimura Seiichi ）
245.
傷口をなめたりかんだりしないように、イヌやネコの首につける「エリザベスカラー」。
人間にも、「余計なことを考えたり、思い出したりしないための器具」ってのがあればいいのに、って思います。
（ ヨシタケシンスケ ）
（ Yoshitake Shinsuke ）
246.
猫を自立的と言えばポジティブな感じがするが、
自分勝手ということになり、
それは無責任にも通じてくる。
犬の誠実を好きな人は
猫の無責任を非難し勝ちである。
（ 河合隼雄 ）
（ Kawai Hayao ）
247.
猫好きの人は誰でも知っているように、
猫は飼主から名を呼ばれた時、
ニャアと啼いて返事をするのが億劫(おっくう)であると、
黙って、ちょっと尻尾の端を振って見せるのである。
（ 谷崎潤一郎 ）
（ Tanizaki Junichirou ）
248.
猫の恋声まねをれば切なくなる
（ 加藤楸邨 ）
（ Katou Shuuson ）
249.
恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく
（ 加藤楸邨 ）
（ Katou Shuuson ）
250.
イスタンブールで会った男が、絶対に神はネコだと言った。
どうしてそれがわかるのかを尋ねたらこう言った。
「神に祈っても、無視されるから」。
（ ローウェル・トーマス ）

251.
自然は私たちに、どんな生物でも「引きこもる」ことが必要だと教えてくれる。
熊は冬眠する。
猫は見えないところを這っていく。
植物でさえ冬の間は姿を消す。
来たるべき春に備えて命の洗濯をするのがこの時期なのである。
（ ヘーゼルデン財団 ）
252.
私は犬や猫を大事にしない奴を信用しない。
（ エイブラハム・リンカーン ）
（ Abraham Lincoln ）
253.
猫の舌は毒、犬の舌は癒し。
（ フランスのことわざ・格言 ）
（ France saying ）
254.
犬はリベラリストのようなもので、すべての人を喜ばせようとする。
猫は、みんなが自分を愛していることを知ろうともしない。
（ ウィリアム・クンスラー ）
255.
その歩き方、獲物に忍び寄る様、そして話し方……それらが、どんなありふれた猫をも、類い稀な存在に変えてしまう。
（ ピーター・コリアー ）
256.
犬と猫ではペットとしてどちらが良いか、ということになると、これは勝負にならない。
ジャーマン・シェパードを、一皿のドライフードと水、それにトイレと一緒に家に残して、週末出かけてみればよい。
（ ロバート・スターンズ ）
257.
犬は犬、鳥は鳥、そして猫は人だ。
（ マグシー・ピーボディ ）
258.
最も愚かな猫でさえ、どんな犬よりもものを知っている。
（ エレノア・クラーク ）
259.
犬は呼ばれるとすぐにやって来る。
猫はメッセージを受け取り、後で折り返す。
（ メリー・ブライ ）
260.
どんなものも待つ者の元にやってくる……猫を除いては。
（ マリリン・ピーターソン ）

261.
窮鼠、猫をかむ。
（ 日本のことわざ・格言 ）
（ Nihon saying ）
262.
猫を描けるというのは、何と光栄なこと。
（ オリバー・ジョンソン ）
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