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孤独とよばれる
あの繊細な感情の歴史を、
もう誰も教えない。学ばない。
誰も切望しない、
孤独に耐えることなんか。
そして、わたしたちは、
孤独であることを拒んで、
仏頂面の不平家になったのである。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
詩集『幸いなるかな本を読む人』
詩「わたしたちの不幸のすべて」

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〈抜粋文全文〉
世界の真ん中で、
或る日、誰かが叫んだのである。
「孤独な者だけが悪い!」
すると、誰もが、
孤独であることを、
致命傷のように感じたのだ。
以来、わたしたちは、
生き方を誤ってきたのである。
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孤独とよばれる
あの繊細な感情の歴史を、
もう誰も教えない。学ばない。
誰も切望しない、
孤独に耐えることなんか。
そして、わたしたちは、
孤独であることを拒んで、
仏頂面の不平家になったのである。
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快活であることができない。
それが、わたしたちの
不幸のすべてだ。
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