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[ 名言 ]
ほんとにおもしろい本というのは
ジャンルを限定できない。
それを、見かけのジャンル分けにこだわって、
自分で窮屈な読書のワクをつくってしまう人が
まだずいぶんいるんだな。
これは純文学、あれは大衆小説、
こちらは旅行記、あちらは時事ものと、
ジャンルめがねみたいなものを掛けたうえでしか
本を読もうとしない。

[ 出典 ]
谷沢永一[たにざわ・えいいち]
(文芸評論家、1929〜2011)
『読書清談』

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〈全文〉
ほんとにおもしろい本というのは
ジャンルを限定できない。
それを、見かけのジャンル分けにこだわって、
自分で窮屈な読書のワクをつくってしまう人が
まだずいぶんいるんだな。
これは純文学、あれは大衆小説、
こちらは旅行記、あちらは時事ものと、
ジャンルめがねみたいなものを掛けたうえでしか
本を読もうとしない。
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そして、
これは純文学の復権をめざす試みであるとか、
これはよく書けているが所詮は大衆小説にすぎんとか、
型通りの批評家の口跡(こうせき)をまねるわけだ。
自分が自分なりの立場で何をどう楽しんだのか、
知的な意味にせよ、感情的な意味にせよ、
なにか身の養いになるものを得たのかどうか、
全然気づきもしない。
当人はそれが読書だと思い込んでいるんだろうがね、
じつは本を分類しているにすぎない。
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