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論敵の言い分に明白な矛盾がある場合、
もちろんその矛盾は はっきりと指摘されるべきである。 そこに何らかの隠れた矛盾がある場合、 注意深くそれをあからさまにし、 それからそれを批難すべきである。 ダニエル・C・デネット
[ダニエル・クレメント・デネット3世] (20世紀米国の哲学者、認知科学者、1942〜2024) 『思考の技法』(阿部文彦&木島泰三訳) ※「(=追及)」は七瀬音弥による補足
〈全文〉
人が論敵の見解を批判する際、 その人はどの程度まで好意的解釈を行うべきだと 想定されているものだろうか? 論敵の言い分に明白な矛盾がある場合、 もちろんその矛盾は はっきりと指摘されるべきである。 そこに何らかの隠れた矛盾がある場合、 注意深くそれをあからさまにし、 それからそれを批難すべきである。 __ Link __ だが、隠れた矛盾を探るという作業は しばしば一線を越えて、 あら探しや、屁理屈、 あるいは──すでに見たように── あからさまなパロディになる。 __ Link __ 追求(=追及)するわくわく感と、 論敵が混乱してあたふたしているに違いないという確信は、 好意的でない解釈を促し、 その解釈によって攻撃しやすい標的が生まれてくる。 __ Link __ しかし、そのような攻撃しやすい標的は、たいていは 論争となっている本当の問題とは無関係であり、 批判を支持する人々を喜ばせることはあっても、 誰にとっても時間と忍耐力の浪費にしかならない。 __ Link __
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