何か誇りに思えることをしたときは、
自分をほめてみましょう。 ミルドレッド・ニューマン
(米国の精神分析医・心理学者、1919〜2001) 【 ミルドレッド・ニューマンの名言 】
普段仕事で頑張っている人は、時々「自分へのご褒美」をあげましょう、という文章や記事を本や雑誌などでよく目にします。
ストレスのたまる職場の人間関係や、次から次へとやって来る仕事、満員電車通勤・遠距離通勤などに、みんな毎日耐え忍んでいる。 たまには奮発して、豪華なディナー、温泉旅行・海外旅行したり、おしゃれな洋服、可愛いアクセサリーなどを買ったりして、ストレスを発散させないと、とてもじゃないけどやってられない。 頑張りを持続させるために「物やイベントで自分を慰める」というのは、確かにそれなり有効でしょう。 ■ただ、「普段頑張っている」というだけで、自分に高価なご褒美をあげるのは、少し甘やかし過ぎのような気もします。 特に雑誌が、「自分へのご褒美」を大きく取り上げるのは、高額の商品やサービスを買ってもよい理由付けをし、購入へのハードルを下げさせ、購買意欲を刺激して、商品やサービスを買わせたりすることが主目的だ、ということは常に心に留めておく必要があります。 前から欲しくてたまらなかった物ならともかく、雑誌の記事に踊らされて財布の紐を緩めてしまい、それほど欲しくなかった物を購入してしまうとしたら、それは巧みな営業マンの言葉に乗せられて衝動買いしているに過ぎません。 ■私が、ここでお薦めしたいのは、「頑張った自分へのご褒美」ではなく、「誇りに思えることをした自分へのご褒美」です。 つまり、自分自身に「成果主義」を適用するわけです。 ■「普段頑張っているからご褒美をあげる」というのは、成果の上がらない社員に対しても、「毎日出社してくれてありがとう」と言って、高額のボーナスをあげるようなものです。 それがいかに「おかしいこと」であるかは、会社勤めしている方には理解できるはずです。 会社(経営者)としては、どうせボーナスをあげるなら、会社によく貢献してくれた社員に、より多くのボーナスを与えたいと考えるでしょう。 そして会社への貢献度が低い社員には、最低限の額のボーナスで十分だと考えるでしょう。 ■同じことが、自分自身についても言えます。 自分は「自分株式会社」という「会社」の経営者だと思って下さい。 さあ、どんな「自分社員」に高額のボーナスを払いたいと思いますか? どうせなら、成果を上げた「自分社員」に報いてあげたいと思うでしょう。 そしてその「自分社員」は、「普段の努力と功績が報われた」と喜び、さらに成果を上げようと努力するでしょう。 他の「自分社員」たちも、「私も」「僕も」と成果を上げようと努力するはずです。 こうして、成果主義を導入した「自分株式会社」はどんどん発展していく。 輝きを増してきて、社会における存在感が大きくなる。 ■最近、「成果主義」の弊害が指摘され、見直しを進めている企業も多いと聞きます。 個人の成果を評価するため、日本企業の伝統的強みであった「社員同士の協力」や「ノウハウの共有意識」が希薄になった。 社内の雰囲気がギスギスして、先輩・後輩関係も、ただのライバル関係でしかなくなった。 こんな不満があちこちから続出して、「成果主義」は今や完全に悪者扱いです。 本当は、「成果主義」の運用の仕方が問題であって、成果を上げた人を評価すること自体はすごく真っ当なことであるのに。 ■さて、「自分自身に導入する成果主義」ですが、これは全くと言っていいほど、弊害がありません。 なぜなら、成果を上げる自分も、成果を上げない自分も、すべて「自分」であることに変わりはないからです。 また、「自分株式会社」も「自分社員」たちも、「自分」を発展させる、幸せにするという共通の目標があります。 ここに企業の理想像があります。 ■もちろん、いろいろな「自分社員」を抱えているとコストばかりかかって大変です。 成果を上げない「自分社員」をリストラしたいと思う場合もあるでしょう。 しかし、その「自分社員」はまだ能力を開花・発揮していないだけで、実はものすごい潜在能力を秘めている可能性もあるのです。 つまり、「自分社員」をリストラするのは、かなりリスクがあるのです。 よほど、他の「自分社員」に悪影響・迷惑を及ぼさない限り、「とりあえずリストラせず抱えておく」ほうがいい。 もちろん、成果を上げない限り、給料もボーナスも低く抑えられることにはなります。 報酬を上げたい「自分社員」は、奮闘努力して何としてでも成果を上げなさいということです。 ■ところで、「自分株式会社」における「成果」とは何でしょう? それは、「誇りに思えることをしたという事実」です。 「誇りに思う」かどうかは、最終的に自分自身が判断することです。 しかし、たいていは誰かからほめられたり、表彰されたり、感謝されたりする場合に「誇りに思う」ものです。 だから、「ほめられた」「表彰された」「感謝された」を「成果」の基準にするとよいでしょう。 特に、手前味噌の傾向がある人は、他人から見て大したことではなくても「誇りに思う」から困りものですが、「ほめられた」「表彰された」「感謝された」という客観的事実に基づくことで、「誇りに思いすぎ」はある程度抑えられます。 ■「頑張った自分」ではなく、「誇りに思えることをした自分」にご褒美をあげましょう。 頑張るだけなら誰だってできます。 それに頑張ったつもりでいるだけで、実際には頑張っていない場合もたくさんあります。 そんなあやふやなことにご褒美を与えるのは、やはり「自分への甘やかし」以外の何ものでもありません。 他人に「ほめられた」「表彰された」「感謝された」という客観的事実があったときにこそ、自分を思いっきりほめてあげて下さい。 それが人生の充実感、幸福感を満喫する秘訣です。
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