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アンブローズ・ビアスの名言
1.
忍耐――美徳に見せかけた小さな絶望。
2.
悪人――人類の進歩に最も重要な要素。
3.
一人の人間の心の中には、
虎、豚、ろば、そしてナイチンゲールが住んでいる。
人間の性格の持つ多面性は、
彼らの等しからざる働きによるものである。
4.
無宗教──世界中の偉大な信仰の中で、一番重要な信仰。
5.
お金――手放すとき以外、何の役にも立たぬ恩恵物。
6.
格言――歯の弱い者にも噛めるように、骨を抜き取った人生の知恵。
7.
博学──学問に励む人によく見られる一種の無知。
8.
幸福──他人の不幸を眺めることから生じる快適な感覚。
9.
礼儀──文句なく是認(ぜにん)される偽善。
10.
愛国者──政治家には馬鹿みたいにだまされ、征服者には手もなく利用される人間。
11.
うわさ──人の（良い）評判を抹殺しようとする暗殺者たちが好んで用いる武器。
12.
法律家──法律の網をくぐる技術に熟練している者。
13.
冷笑家──視力に欠陥があるため、ものごとのあるべき姿ではなく、あるがままを見てしまうヘソまがり。
14.
野党──政治において、政府与党の足を切断することによって、乱暴狼藉(ろうぜき)の限りを尽くさせぬようにしている政党。
15.
家庭――最後の頼みの綱として語れる場所。
２４時間営業中。
16.
成功──人がその仲間に対して犯す、ただ一つの許し難い罪。
17.
称讃──他人が自分自身に類似していることを礼儀正しく認めること。
18.
追伸──ご婦人の手紙の中で、急いでいるときにはそこだけ読めばよい部分。
19.
世界で最も影響力のある生き物は、雨に濡れて震えている犬である。
20.
反乱──失敗に終わった革命。
21.
人の読書で分かるのが学びと育ち。
何が笑いを誘うかで、
その人の未来を卜(ぼく)す。
読むなかれ、笑うなかれ。
22.
金銭──邪魔にならない財産。
手放すとき以外、何の利益ももたらさない。
23.
批評家──自分に機嫌をとる者が誰もいないところから、自分は気難しい人間だと自負している連中。
24.
幸福──他人の哀れな境遇を静観するうちに込み上げてくる、気持ちのよい感覚。
25.
ART（芸術）──RAT（ネズミ）の組み合わせ文字から一字を動かしたもの。
26.
労働──ＡがＢのために資産をつくるプロセスの一つ。
27.
結婚──一人の主人、一人の主婦、または二人の奴隷になる境遇。
28.
世間──不特定多数の個人。
29.
幽霊──内なる恐怖が外に現れた、目に見えるしるし。
30.
女性──普通「男」の近くに住む、順応性の少ない動物。

31.
退屈な人間──聞いてもらいたい時に話をする人間。
32.
相談せよ。
あなたが既に決めた道を他者に認めてもらうために。
33.
政治――主義主張の争いという美名のもとに正体を隠している利害関係の衝突。
私益のために国事を運営すること。
34.
希望──欲望と期待とが丸められて一つになったもの
35.
正義――忠誠・税金・個人的奉仕に対する報酬として、一国の政府が市民に売りつける品質の落ちた商品。
36.
陰口──対象に見られる危険の無い時、彼についてありのままを話すこと。
37.
恋愛――患者を結婚させるか、あるいはこの病気を招いた環境から引き移すことによって治すことができる一時的精神異常。
38.
知り合い──相手が貧乏だとか無名であった場合には、顔見知りくらいだと言われ、金持ちだったり、有名だったりする場合には、親密な人間だ、と言われる友人関係をいう。
39.
自制──先行する偏愛の道楽である。
40.
へつらい者──右手を向けと言われ、その通りにすると、後ろから足蹴にされることがないように、腹這いになったまま、偉い人に近づこうとする人間。

41.
宗教──「希望」と「恐怖」を両親とし、「無知」に対して「不可知なもの」の本質を説明してやる娘。
42.
企てはゆっくり落ち着いて。
いったんやり出したら熱心に。
43.
結婚──共同生活体のひとつの場合で、ひとりの主人とひとりの主婦と、二人の奴隷から成り、それでいて全部合わせても二人にしかならない状態あるいは境遇。
44.
卑屈──富とか権力を前にして執るところの好ましい習慣的な心の態度。
45.
不幸に耐えられないのは不幸だ。
46.
流行──
賢者が嘲笑しながらも、その命令に従う暴君。
47.
行為によりて記憶を、
好機によりて思慮深さを、
正確によりて高尚さを、
労苦によりて制御を、
恐れによりて敬虔を、
富によりて友愛を、
言葉によりて説得を、
沈黙によりて礼儀を、
智恵によりて正義を、
勇敢によりて勇気を、
行動によりて権力を、
名声によりて権威を得べし
48.
流行──
人々が嘲笑しながらも服従する専制君主。
49.
平和──国際関係における、戦争と戦争の合間の、だまし合いの期間。
50.
反省──昨日の事物と自分の関係をとらえ、再び遭遇することのない危険を避けること。

51.
歯医者──あなたの口の中に金属を入れ、あなたのポケットから金(かね)を抜きとる手品師。
52.
人間──自分で考えている自分の姿に有頂天に見入っていて、明白な自分のあるべき姿を見落としてしまう動物。
53.
放蕩者──快楽を追求するのも結構だが、あまり熱心に求めたので、不幸にもそれに追いついた人間。
54.
平和――二つの戦争の時期の間に介在する、だまし合いの時期。
55.
議論――他の人の思い違いをますます強固なものにする方法。
56.
想像──
事実がしまいこんである倉庫で、
詩人と嘘つきの双方で共有するもの。
57.
教育──それぞれ理解力に欠けていることを、賢者に対しては赤裸々にし、愚者に対しては隠匿して見せないようにすること。
58.
アマチュア――己の趣味を技量と、野心を能力と混同している世間の厄介者。
59.
教育──自分らの理解力に限界があるということを、賢者に悟らせ、愚者には隠してみせるところのもの。
60.
黄昏時、老齢──すでに犯すだけの冒険心が持てなくなっている悪徳を悪しざまに言うことによって、いまだ失わずに持っている悪徳を棒引きしようとする人生の一時期。

61.
暴動──悪気などぜんぜん無い見物人が、軍人たちのために催す庶民的な催し物。
62.
日記――自分の生活の中で、自分自身に対して赤面せずに物語ることのできる部分についての日々の記録。
63.
偏見──明白な支えの手段を持たない気まぐれな意見。
64.
保守主義者──現下の悪弊に心酔したる政治家のことで、新たな悪弊をもって従来の悪弊にとって代えんと欲する自由主義者の向こうを張る。
65.
人生──肉体を貯蔵して腐敗しないようにする精神的な漬け水。
我々は、この漬け水がなくなりはしないかと思いながら生きている。
けれども、たとえそれがなくなっても、惜しまれるものではない。
66.
機会──失望をつかみたければ、これが好機。
67.
忍耐――それによって凡人が不名誉な成功を収めるくだらない美徳。
68.
気晴らし――一般的な疲労を癒す、特殊な失意
69.
野心──生きているうちは敵から罵言され、死後は味方から冷笑されたいといった、抑え切れないような激しい欲望。
70.
歯医者──おまえの口に金属を入れ、おまえのポケットから硬貨を引き出す男。

71.
野心──生きている間は敵から悪し様(ざま)に言われ、死んでからは友人から物笑いにされたいという抑えがたい欲求。
72.
発言──できの良くない頭の中身を陳列し合う法。
お互いに、自分の商品の配列に夢中で、隣人の陳列した商品を、眺める余裕が持てずにいる。
73.
経験──これまで我々が奉じてきた愚行が、あらずもがなの古なじみである、と分かるようにしてくれた英知。
74.
歴史──たいていは悪党である支配者と、たいていは愚か者である兵士によって引き起こされる、主として取るに足らぬ出来事に関する、たいていは嘘の記述。
75.
不運──決して取り逃がすことのない種族の運。
76.
野心──生きては敵にののしられ、死しては味方の物笑いになりたいという、抑えがたい欲望。
77.
エゴイストとは、他人のエゴイズムのことを、少しも考慮しない人のことである。
78.
財産──どんな物質的なものでもよい、それになにも特別の価値がなくとも、それを甲が所持していて、乙が欲しがっても渡すまいとするたぐいのもの。
なんでもあれ、一人の所有欲を満足させ、他の全ての人の所有欲を失望させるもの。
人が矢も盾もたまらず奪い、後はいつまでも放っておくもの。
79.
殺人──一人の人間が他の一人の人間のために殺されること。
殺人には四種類ある。
すなわち、兇悪(きょうあく)な殺人、恕(ゆる)すべき殺人、正当と認め得る殺人、賞讃に値する殺人、この四種類である。
だが、どの種類に属しようと、殺される当人にとっては大きな問題ではない
──かような分類は、もっぱら法律家の便宜のために設けられているのである。
80.
会話──二流以下の連中が、お互いに自分の頭脳の中身を陳列し合う共進会。
ただし、誰も彼も自分の商品を並べ立てるのに忙しく、隣人が並べてみせる商品を眺める余裕など、全然ないのが普通。

81.
同盟──国際政治において、お互いに自分の手を相手のポケットに深く差し入れているため、単独では第三者のものを盗むことができないようになっている二人の盗人の結びつき。
82.
苦痛──友人の繁栄に曝(さら)されることによって罹(かか)る病気。
83.
友情──友情号とは、天気のよい時には人を二人乗せることができるが、天気の悪い時にはたった一人しか乗せることができない、そんな程度の大きさの船を指して言う。
84.
大砲──国境を修正するのに用いられる道具。
85.
専門家――あなたの知らないことにはやたら詳しくて、あなたの知っていることは何も知らない人のこと。
86.
歴史――おおかた悪い支配者と、馬鹿な兵士によって惹起(じゃっき)された、おおむね事業ではない出来事に関する、おおよそ間違っている記述。
87.
意志のあるところに「否」あり。
88.
隣人――われわれのほうでは、命令のあるように、己を愛するようにしているのに、あらゆる手を尽くして、その命令に背かせようとする者。
89.
口──男の場合は魂の出入り口、女の場合は心の出口。
全部で、89件
　
　
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これより以下、
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ランダム名言コーナー
1.
侍は、如何(いか)に才智あるとても、人好きせざらんは、物ごと無骨に世事に疎(うと)し。
（ 小早川隆景 ）
2.
いちばん重要な、最初の平和は、人間の魂のなかに生まれる。
人間が宇宙やそのすべての力とのあいだに、つながりや一体感を見いだせたとき、その平和が生まれるのだ。
（ ブラック・エルク ）
3.
ものを言わぬ宝石のほうが、どんな人間の言葉よりも、とかく女心を動かすものである。
（ シェイクスピア ）
4.
（看護婦が）白衣の天使なんてとんでもない。
白衣の奴隷よ。
（ 永六輔 ）
5.
急いでも無駄だ。
大切なのは間に合うように始めることだ。
（ ラ・フォンテーヌ ）
6.
問題なのは、
自分と他人を比較して、
むやみに自分が劣っていると考えてしまうことである。
自分が劣っていると考えることは、
自信を失わせることになるし、心をメソメソと滅入らせることになる。
また人をうらやんだり、ねたんだり、
やっかんだりする感情を生じさせることになる。
（ 植西聰 ）
7.
金(かね)は戦争の活力である。
（ キケロ ）
8.
仕方のないことを仕方がないとして諦められる人は、知恵のある人である。
仕方があるのに仕方がないと諦める人は、知恵も勇気も欲もない人である。
（ ジョセフ・マーフィー ）
9.
迎えの拍手は昨日までの人気、降りる時の拍手は今の人気。
（ 五代目 古今亭今輔 ）
10.
プロになる近道は、自分の好きなことをやることだ。
（ 田原総一朗 ）
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