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人生はオーケストラである。
伊藤整[いとう・せい]
(昭和の評論家・詩人・小説家、1905〜1969) 世の中には色々な性格や個性、考え方の人がいます。
これらの人々が混在して暮らしているのが、私たちの社会です。 ■私たちの社会はオーケストラに、個人は楽団員に見立てることができます。 ある人は、伸びやかな高音を奏でるバイオリン。 ある人は、軽快で華やかな音色のトランペット。 またある人は、リズムを刻む打楽器。 ■ところで、もし楽団員一人ひとりが、思い思いに好き勝手な音程の「音」を出したらどうなるでしょう? 不協和音となり、「音楽」そのものが成り立ちません。 また、目立とうと「大きな音」を出したり、指揮者のテンポを無視して、自分のテンポで演奏したりすれば、せっかくのハーモニーも台無しになります。 自己主張にこだわったり、自分だけ目立てばよいという考え方では、とうてい「美しい音楽」を奏でることなどできないということです。 ■人生についても同じことが言えます。 周りとの協調を大切にすることは、結果的に自分を生かすことにもなります。 自分も周りの人たちも一緒に、豊かで幸せな人生を実現することができるのです。 ■とは言うものの、周りに合わせているだけでは、自分の存在意義が分からなくなってしまうでしょう。 その救済措置として、「社会というオーケストラ」の演目には、必ず個人の「ソロ」パートも用意されているものです。 安心して下さい。 ■人にはそれぞれ、活躍すべき場所・分野が用意されています。 周りとの「ハーモニー」を大事にしながら、「ソロ」で自分の力を最大限に発揮することによって、人は「最高の人生」を奏でることができるのです。 ■ところで、自分はいつまでたっても「ソロ」で活躍させてもらえないと嘆いている人がいるかもしれません。 それはまだまだ実力が足りないからかもしれません。 あまりに下手だと、全体のハーモニーを壊してしまう危険性があります。 ■それ以前の問題として、自分本来の「演奏楽器」を間違っている可能性もあります。 適性がなければ、いくら練習しても、当然上達は遅くなります。 「自分のやりたい楽器」と「自分に合った楽器」は、必ずしも一致するとは限りません。 それでも「自分のやりたい楽器」にこだわるなら、それこそ死にものぐるいの練習や努力・工夫が必要でしょう。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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