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(他の立場に対する省察、自我、我慾、罪への批判、全般的情勢に就(つい)ての公平なる観察)
それらのものが有るならば、 人は勇気なくして我慾を主張しうるものではない。 坂口安吾[さかぐち・あんご]
(昭和前半の小説家・エッセイスト、1906〜1955) 「現代の詐術」
《 日本の文豪 》
〈全文〉
人が自らの利益のみを一方的に主張するには勇猛心がいる。 然(しか)し徒党をくんでこれを為す時には勇気はいらぬ。 __ Link __ 隣組座、マーケット座、この組合的結合には、やっぱり善人的蒙昧(もうまい)がある。 他の立場に対する省察、自我、我慾、罪への批判、全般的情勢に就(つい)ての公平なる観察、それらのものは、もはや必要ではない。 それらのものが有るならば、人は勇気なくして我慾を主張しうるものではない。 __ Link __
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