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人間の一生は誠にわずかの事なり。
好いた事をして暮らすべきなり。 夢の間の世の中に、 好かぬ事ばかりして、 苦しみて暮らすは愚かな事なり。 山本常朝[やまもと・じょうちょう、つねとも]
(佐賀鍋島藩士、1659〜1719) 『葉隠』
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短い人生、 好きなこと以外やる時間なんてない。 (吉田雅紀) 《類似》 人生は短いものです。 誰にも縛られることなく、 自分らしく生きるだけの時間しか、 私たちには残されていないのではないでしょうか? (きもとえいこ) 「人生は短い。
人間は、好きなことをして暮らすべきだ」──現在、生きている人の大部分が、この大切なことを忘れています。 ■もちろん、この厳しい世の中を生きていくためには、生活費を稼がなければなりません。 好きなことをやってもお金が得られるとは限らない。 それどころか、好きなことほど金にならなかったりする。 だから、好きなことは二の次で、やりたくない仕事をやらなければならない。 そんな現実があります。 ■しかし、自分のやりたいこともせず、ただ生活するために働き続けるだけの一生に、いったい何の価値があるでしょう? それでは「家畜」と大した違いはありません。 みなさんは、自分は何のために生きているのか、胸を張って答えられますか? ■そもそも家畜として飼われている牛や馬や豚には、「生きる目的」がありません。 労働力や乳やその体を「人間」という支配者に提供します。 結局、利用されるだけの一生です。 当然、家畜には自己実現などありません。 ■そう考えると現代の人間だって、かなり家畜的です。 生活するために「会社」に飼われて、毎日多くの労働力を提供して、わずかの賃金をもらう。 潤うのは会社の上層部だけで、ほとんどの労働者は「死なない程度」に生かされているのです。 しかも働けなくなったら、リストラという形で処分される。 たとえそれに抗議しても、上層部の連中には、牛が「モーモー」言っているぐらいにしか聞こえません。 「社畜」とは、まさにこのことなのです。 ■では、どうしたら「社畜人生」から脱出できるでしょう? 社畜とは、会社に生活と人生を依存し、自分の貴重な時間とエネルギーを犠牲にし、会社にいいように利用されるだけの、家畜的な人間のことです。 彼らの共通点は、「生活すること(生存)」以外に、人生の目的を何ら持たないことにあります。 ならば、その逆をすればいいだけのこと。 ■今日から、「好きなことをすること」を人生の第一目的に置きましょう。 「私は、自分の好きなことをするために生きる」「私は、自分の好きなことをするために働く」そう自覚し、常に意識するのです。 「好きなことをすること」を目指して生きている家畜など見たことがありません。 仮にそれらしい家畜がいたとしても、それは本能による行動であって、自覚はありません。 人と動物の最も大きな違いは、「生存」以外に生きる目的を持っているかどうかなのです。 ■ただ生活のために働いていた時に比べて、好きなことをするために働くという姿勢を持つと、仕事への取り組み方も違ってきます。 仕事をできるだけ短時間に終えるよう、効率的な進め方に変わります。 無趣味の人がダラダラ仕事をするのに比べて、やりたいことがある人はテキパキと仕事を片付けて、職場をさっそうと出て行きます。 普段の生活のスタイルや時間の使い方、人付き合いの仕方や相手も変わってきます。 「好きなことをする」という明確な人生の目的を持つことで、すべての行動や判断が主体的に変わります。 ■メリットはそれだけではありません。 効率的な仕事の進め方や主体的な姿勢は、仕事の具体的成果として現れます。 「できる人」とみなされ、職場での評価が高まります。 給与や地位も上がるかもしれません。 同時にそれは、職場での自由度・発言力が上がることになり、仕事へのモチベーションも上がるでしょう。 ■また、効率的な仕事の進め方や主体的な姿勢は、どんな会社でも通用する重要な「スキル」です。 そんなスキルを身に付けることによって、自信が芽生え、会社依存の気持ちから脱却できます。 「自分は会社に飼われているのではなく、自分が働いてあげているのだ」そう思えたとき、人は本当の意味で「自由」になるのではないでしょうか。 ■「好きなことをする」ということは、実は、自己実現の近道だともいえます。 自己実現というと、何か堅苦しく感じられるものですが、本来は単純なものです。 自己実現とは、自分の本質を一番生かした姿になること。 それは、他人があなたはこうあるべきだと決めつける姿ではなく、自分がなりたいと願う姿です。 まさしくそれは、「自分が好きなことをしている姿」なのです。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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