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過剰に何かが欠けているのも才能のうち。
糸井重里[いとい・しげさと]
(コピーライター、エッセイスト、1948〜) 一般に「才能」というと、人より「優れている点」と考えがちです。
しかし、人より「劣っている点」も、見方を変えれば「立派な才能」とみなすことができます。 ■そもそも、人より「劣っている」とはどういうことでしょう? 誰かが設定した物差しの目盛りで、小さい方の位置しているというだけのことです。 もし、それと正反対の向き(価値観)の物差しで測れば、一転して、人より「優れている」ということになります。 ■たとえば、0〜100点までの物差しを逆向きにすると、それまで20点だった人が80点となり、逆に80点だった人が20点になります。 一方、50点の人は50点のままだし、40点の人は60点、60点の人は40点に変わるだけで、それほど大きな変化はありません。 このように、「優れている」と「劣っている」は、物差し次第で入れ替わるのです。 ■最近、お笑い業界や芸能界では、「お馬鹿」であることがひとつの売りになっています。 知識豊富という意味で「頭がいい人」よりも、「頭の悪い人」の方が、突っ込みどころたくさんあって断然に「面白い」し、場が和むからです。 一方「頭がよすぎる人」は話が硬すぎてつまらない、肩が凝るなどと言われて、敬遠さえたりします。 「頭が並の人」も、他によほど個性が無い限り、今ひとつ面白くない。 それなら、「お馬鹿」の方がはるかに笑いをとれ視聴率もとれる、という計算が働きます。 「頭がいい」ことは、必ずしも「優れている」とは言えないのです。 ■物差しの向きが1つではないということは、外見や性格などについても言えます。 太っている人が好みの人にとっては、スマートな人は決して魅力的でないのです。 活発でさっぱりした性格の女性が好きな男性にとっては、いわゆる女性的な魅力を売りにした女性は、やはり魅力的ではないのです。 ■人より何かが「欠けている」としても、気を落とす必要はありません。 物差しを反転させれば、評価も正反対になります。 「欠けている」のではなく、「余計なものを持たない」とみなされるのです。 ■もし「人間味に欠けている」と言われたら、それは同時に「論理的かつ沈着冷静に判断できる」「情に流されない」ということです。 これは、時には厳しい判断が求められるビジネスの場では、必要不可欠な能力です。 また、仕事が「遅すぎる」と言われたら、それは仕事が「丁寧」で「正確」だという可能性があります。 もちろん、単に遅いだけで、丁寧でも、正確でもない場合もあるでしょう。 だから、「○○である代わりに△△である」という、別の利点を見つけられることが条件になります。 ■仮にこれが、「普通」だったらどうでしょう? 他の人と同じであれば、集団に埋没してしまいます。 他の人でいくらでも代わりがきくなら、その人の存在価値は下がります。 他の人と大きく違っていて、周りに貢献でき、なおかつ代わりがきかないなら、その人の存在価値は大きくなるのです。 そして、存在価値があると思われることこそが、「才能」なのです。 ■内容にもよりますが、どれだけ中心、つまり平均から大きく離れているかということが大切なのです。 どうせ欠けているなら、むしろ大きく欠けていた方がいい。 平均から離れるほど、「個性的」で「才能がある」ということになります。 ■もしみなさんが、自分には他人より優れている点はないと思っているなら、逆に、自分が他人より劣っている点を探してみましょう。 優れている点より劣っている点の方が、意外と見つかり易いものです。 そして、見方を変えてみたら、案外「すごい才能」だったりする。 自分の「真の才能」に気づくことによって、人生はいい方向に回り始めるのです。 もっとも、そのためには、自分の「たぐいまれな才能」を高く評価してくれるような物差しがある分野に進むことが大切です。 そうでなければ、単なる宝の持ち腐れです。
(七瀬音弥:ななせおとや)
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