たのしみは人も訪い来ず事もなく
心を入れて書を見る時 橘曙覧[たちばなのあけみ]
(幕末の歌人、1812〜1868) 【 橘曙覧の名言 】
〈全文〉
※彼の和歌のうち「たのしみは」で始まる十四首── たのしみは珍しき書(ふみ)人に借り はじめ一ひらひろげたる時 __ Link __ たのしみは妻子睦(むつ)まじく打ち集(つど)い かしらならべて物を食う時 __ Link __ たのしみは朝起きいでて昨日まで なかり花の咲ける見る時 __ Link __ たのしみは心にかのう山水の あたり静かに見てありく時 __ Link __ たのしみは常に見なれぬ鳥の来て 軒遠からぬ樹に鳴きし時 __ Link __ たのしみは物識人に稀に逢いて いにしえ今を語り合う時 __ Link __ たのしみは稀に魚(うお)煮て子等(こら)皆(みな)が うましうましといいて食う時 __ Link __ たのしみはそぞろ読み行く書の中に われとひとしき人を見し時 __ Link __ たのしみは家内五人いつたりが 風だにひかでありあえる時 たのしみは三人の子供すくすくと 大きくなれる姿見る時 __ Link __ たのしみは人も訪い来ず事もなく 心を入れて書を見る時 __ Link __ たのしみは小豆の飯の冷えたるを 茶漬けてう物になして食う時 たのしみは神のみ国の民として 神の教えを深く思う時 たのしみは鈴屋大人(すずのやうし)の後に生まれ そのみさとしを受くる思う時
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