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[ 名言 ]
「石の上にも三年」という。
しかし三年を一年で修得する努力を怠ってはならない。

[ 出典 ]
松下幸之助[まつした・こうのすけ]
(松下電器産業創業者、1894〜1989)

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[ 補足 ]
※石の上にも三年=冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくる。
がまん強く辛抱すれば必ず成功することのたとえ。
(大辞泉より)

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[ 解説 ]
「石の上にも3年」と良く言われますが、確かに3年も同じ事を続けていれば、その分野では「プロ」と呼べるほどの技能を身に付けることができます。
また、3年も同じ場所(職場など)にいれば、最初は冷たく感じられた人間関係も、すっかり居心地が良くなってくるものです。
ある事を、または、ある場所で3年間続けることができれば、その後はそれほどの苦労もなく、続けていくことができる。
だから、「とにかく最低3年間は頑張って耐えなさい」ということなのです。


■ただ、3年という期間はあまりにも長い。
特に若い人にとっての3年は、年配の人の5、6年に匹敵するのではないでしょうか。
例えば、22歳の人が25歳に、25歳の人が28歳に、27歳の人が30歳になっただけで、まるで別人になったような目覚しい変化を遂げるからです。
若い時は、人生で最も成長と変化が激しい時期だと言えるでしょう。
この時期の過ごし方がその人のその後の人生を大きく左右します。
だからこそ、この貴重な時間を有効に使わなければならないのです。


■3年続ければ、どんな人でもある程度のレベルに達することができるでしょう。
「死ぬ気」というほどの努力をしなくても、日々の少しずつの努力だけで、意外と何とかなるものなのです。
それだけ、3年間という時間が「長い」ということです。


■しかし、3年という猶予期間に安心して、日々を漫然と過ごしたり、そこに生まれる「余裕(時間)」を、「ただの時間つぶしの娯楽」に使ってしまうのは、実にもったいないことです。
本来なら自分の能力を高めたり、将来の可能性を広げることに使える貴重な時間です。
それを、湯水のように捨ててしまうことになるからです。


■想像してみてください。
もし気合を入れて努力すれば、3年分の知識や技術を2年で身に付けることができるかもしれない。
死ぬ気で頑張れば、1年は無理だとしても、1年半で身に付けることができるかもしれない。
そうすれば、残りの1年半、または1年を、別の知識や技術の獲得に使うことができる。
成長力あふれる限られた若い時間を最大限に活用すれば、人生の可能性はいくらでも広げることができるのです。


■若い時は、時間が無限にあるように感じられるものです。
ダラダラ時間を過ごしたり、流行りの娯楽に何でも飛びついてみたりするのも無理もありません。
しかし、時間は一度使ったら、もう戻って来ません。
「心配いらない。
 時間はあとで金で買えるよ」と言う人もいるでしょう。
ところが、若い時の時間だけは、どんな大富豪でも決して買うことができない。
だからこそ、若い人には「今の時間」を大事にして欲しいのです。


■もちろん、年配の人にとっても3年間という時間はとても貴重です。
年をとるほど、人生に後が無くなって来ています。
若い頃のように、失敗しても簡単にやり直しがきくわけでもありません。
覚えも上達も悪くなってきているので、その分だけなおさら時間を無駄にできない。
3年間で身に付けるところを、必死に努力して2年半で身に付けられたら、残りの半年は神様がくれた「宝物」です。
自己向上に使うもよし、旅行などの長期娯楽に使うもよし、好きなことに使ってください。


■誤解しないで下さい。
「自分の限られた時間を『たかが娯楽』に使うのは良くない」と言っているのではありません。
努力をせずに、日々を漫然と過ごすことで、時間を少しずつ無駄に使ってしまうのがいけないのです。
自分にとって、「本当に必要な娯楽」と「たいして必要でない娯楽」を区別することです。
そうして、毎日努力して少しずつ貯めた「大切な時間」を、後でまとめて「本当に必要な娯楽」に使うのは、有意義な時間の使い方だと言えるでしょう。


■そう言えば、無駄な時間を貯めて後で使うことができる機械が、ドラえもんの漫画に出てきましたね。
(ながれおとや)


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