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[ 名言 ]
求められる前にアドバイスするな。

[ 出典 ]
エラスムス
[デジデリウス・エラスムス]
(15〜16世紀オランダの司祭・人文学者、1467〜1536)
『痴愚神礼讃』(ちぐしんらいさん)

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[ 別表現/別訳 ]
(ver.1)
求められる前に助言するな。

(ver.2)
求められる前に忠告するな。

[英文]
Don't give your advice before you are called upon.

[ 意味 ]
求められてもいないのに他人にアドバイス(助言)すると、たいてい相手から嫌がられる。
そして以後、気まずい関係になることが多い。

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[ 解説 ]
人間は、人にアドバイスするのが大好きな生き物です。
なぜなら、アドバイスすることで、優越感を感じることができるからです。
「そんなことはない、相手のためを思って言っているんだ」と反論する人もいるでしょう。
しかし、実は心の奥底では、「こんなことも分からないのか?」「やはり自分の方が賢いな」と思っているはずです。
つまり、「相手のため」という名目で、自分の自尊心を満足させているのに過ぎないのです。


■もちろん、アドバイスしなければ、その人が後で困ることになる場合も多いでしょう。
それを防いであげるのだから、アドバイスは決して悪いことではありません。
たとえ、アドバイスが。
同時に自分の自尊心をくすぐることであったとしても。


■一方、アドバイスされる側は、アドバイスされるとたいてい不愉快に感じるものです。
なぜなら、人から受けるアドバイスのほとんどが、自分も前からうすうす感づいていたような内容である場合が多いからです。
自分でも分かっていて、それを直そうにもなかなか直せないでることを、わざわざ指摘されるほど頭に来ることはないでしょう。
子供に何かについてアドバイスすると、「そんなの分かってるよ」と、途端に不機嫌になるのは、このためです。
大人でも、たまに同じような反応を見せる人はいますが、たいてい子供っぽさの残る人です。
ちなみに、私もこのタイプの人間です。


■アドバイスされる側の人間が勘がいい場合は、さらに厄介です。
アドバイスする側がアドバイスすることで自尊心を満たしていることを、表情や言い方などから読み取ってしまうからです。
そんな時、不愉快感は一気に膨れ上がり、爆発してしまいます。
そして、しばらくの間、下手すると永久に、口もきかないような気まずい関係になってしまうのです。


■先ほど、「アドバイスは決しては悪いことではない」と言いました。
しかし、アドバイスは、時と場合によっては大事な相手との関係を壊してしまう、危険な「諸刃の剣」なのです。
それでも、「相手のためなのだから、関係が悪くなってもやむをえない」という覚悟があるのなら、それもいいでしょう。
しかし、「喧嘩」の原因になった「アドバイス」を、果たして相手が簡単に受け入れるでしょうか?
プライドのある人なら、意地でも無視するでしょう。
それならば、「喧嘩」してまで「アドバイス」した意味が無くなってしまいます。
それでは、もともこうもありません。


■そもそも、「アドバイス」という「自分の意見」を相手に押し付けようとするから、反発を受けるのです。
相手に、人の意見を受け入れる気持ちが無い限り、たとえそれがどんな「良いアドバイス」であっても無力な存在なのです。


■では、どうしたらいいのでしょう?
相手が、人の意見を受け入れる気持ちが生まれるように、誘導するのです。
かなり慎重な対話テクニックが必要になりますが、基本となるものは単純です。
相手が、アドバイスを求めるまで、決してアドバイスしないことです。
そして、質問したり、関係する話をふったりして、不安感をあおっていくのです。
そうすれば、不安に耐え切れなくなった相手は、自分の方から「アドバイスが欲しい」と切り出してくるでしょう。
その時こそが、アドバイスの受け入れ態勢が整ったときなのです。
素直な気持ちで、一生懸命、あなたのアドバイスを聞いてくれるはずです。
(ながれおとや)


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