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富士詣(ふじもうで)一度せしといふ事が安堵(あんど)かな
高浜虚子［たかはま・きょし］
（明治～昭和期の俳人・小説家、1874～1959） 自著『俳句の作りよう』 【 高浜虚子の名言 】
人のよくする富士詣というものを自分も一度経験してみたということが、安心につながる。
もし自分が経験していなければ、「富士詣」の話が出るたびに、「自分は未経験だ」と気持ちが焦るだろう。 ※富士詣（ふじもうで）＝①頂上の浅間(せんげん)神社［富士権現］に参詣するために富士山に登ること。
富士参り。 特に、陰暦5月晦日～6月1日（陽暦6月30日～7月1日）の山開きに登ること。 夏の季語。 ②江戸時代、陰暦5月晦日～6月1日、江戸市中の数カ所に模造した小さな富士山に登り、分祀(ぶんし)した浅間(せんげん)神社に参詣すること。 ※ネットで散見される「富士詣一度せしといふ事の安堵かな」は間違い。 「事の」が相違点であるが、こちらのほうがより俳句らしい表現なので、皆うっかり信じて採用してしまうようである。 〈全文〉
富士詣(ふじもうで)一度せしといふ事が安堵(あんど)かな ＿＿ Link ＿＿ これは信心のためというのではありません。 ただ人のよくする富士詣ということを自分も十余年前に一度したことがあるということが、 ひとつの安心であるというのであります。 もし一度も登っていないと、人から富士詣の話を聞くたびにきっと厭迫(えんはく)を感じるに相違ありません。 ひとり富士詣に限らず、たいがいのことは一度やってみると案外なものでありますが、 一度もやらない間はなんだかそのことが大層なことのように考えられて、 不安で、いつもその話が出るたびに一種の厭迫を感じるものであります。 ＿＿ Link ＿＿
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2.
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