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[ 名言 ]
(詩の最初の一行を)
つまらぬ所から説きはじめれば
ついに中心に行き合わぬ。
そして読者の心にもついに行き合わぬ。

[ 出典 ]
永瀬清子[ながせ・きよこ]
(詩人、1906〜1995)
「ある詩論」
※短章集『焔に薪を』に収載

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[ 補足 ]
※標題文の「(詩の最初の一行を)」は七瀬音弥による補足。

※行き合わない=出会わない、交差しない、重ならない。
この文章では、「たどり着かない、到達しない」の意

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[ 全文・続き ]
〈全文〉
詩を書く時は
出し惜しみせず
中心から、最も肝心な点から書くべきだ。
最初の行がすべての尺度になる。
__ Link __

まわりから説明して判らそうとすると
詩はつまらなくなる。
すべてはその親切程度に平板に散文化し、
中心さえも「説明」の一部になる。
__ Link __

つまり詩の行には大切な独立力があるので、
本心をつかまぬ行に
最初の一行を任すべきではない、
又次の次の行も任すべきではない。
__ Link __

云(い)いかえれば
肝心な中心を捕らえれば
第一行が次行を、そして又次行が第三行を
指し示し、又生んでくれる、
とも云える。
そしてそこにリズムが生まれる。
__ Link __

つまらぬ所から説きはじめれば
ついに中心に行き合わぬ。
そして読者の心にもついに行き合わぬ。
__ Link __


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