この生死は、すなはち仏の御いのちなり。
これを厭(いと)ひとてすてんとすれば、すなはち仏の御いのちを失はんとするなり。 これにとどまりて生死に著(あらわ)すれば、これも仏の御いのちを失ふなり。 厭ふことなく、慕ふことなき、このときはじめて仏のこころにゐる。 道元[どうげん]
(鎌倉中期の禅僧、曹洞宗の開祖、1200〜1253) 『正法眼蔵』生死の巻 【 道元の名言 】
※生死を厭(いと)う=生死を嫌う、つまり生死の問題を嫌って避けようとする。
※生死に著(あらわ)す=生死に執着する、つまり生死の問題に執着する。 ※ここでの「著」は「着」、つまり「執着」を意味している。 「着」はもともと「著」の略字で、「著」は「書籍にて世に出す」以外に古くは「着」の意味を持っていた。
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