|
いやらしい「芸術的」な装飾をつい失念したから、かえって成功しちゃったのだ。
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948) 『芸術ぎらい』 〈全文〉
傑作意識を捨てなければならぬ。 傑作意識というものは、かならず昔のお手本の幻影に迷わされているものである。 だからいつまで経っても、古いのである。 まるで、それこそ、筋書どおりじゃないか。 __ Link __ あまりに、ものほしげで、閉口した。 「芸術的」陶酔(とうすい)をやめなければならぬ。 __ Link __ (映画「無法松の一生」は)始めから終りまで「優秀場面」の連続で、そうして全体が、ぐんなりしている。 「重慶から来た男」のほうは、これとは、まるで反対であった。 およそ「芸術的」でない。 優秀場面なんて一つもない。 ひどく皆うろたえて走り廻っている。 けれども私には、これが非常に面白かった。 決して「傑作」ではない。 傑作だの何だのそんな事、まるで忘れて走り廻っている。 日本の映画は、進歩したと私はそれを見て思った。 こんな映画だったら、半日をつぶしても見に行きたいと思った。 昔の傑作をお手本にして作った映画ではないのである。 表現したい現実をムキになって追いかけているのである。 そのムキなところが、新鮮なのである。 __ Link __ 書生劇みたいな粗雑なところもある。 学芸会みたいな稚拙なところもある。 けれども、なんだか、ムキである。 あの映画には、いままでの日本の映画に無かった清潔な新しさがあった。 いやらしい「芸術的」な装飾をつい失念したから、かえって成功しちゃったのだ。 __ Link __ 重ねて言う。 映画は、「芸術」であってはならぬ。 __ Link __ 私はまじめに言っているのである。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
( エイミー・バンダービルト )
7.
8.
9.
10.
( 和田稠 )
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.
( 樋口有介 )
18.
19.
20.
21.
( ニール・ヤング )
22.
23.
24.
25.
( 飯田庸太郎 )
26.
27.
28.
29.
30.
31.
( 山本鈴美香 )
32.
33.
34.
35.
( 多胡輝 )
36.
【 川久保玲 】
【 ジョルジュ・ダントン 】 【 犬儒学派のディオゲネス 】 【 西本幸雄 】 【 ジャック・シャルドンヌ 】 【 パウロ・フレイレ 】 【 アルフォンス・ドーデ 】 【 チェーザレ・ベッカリーア 】 【 弘兼憲史 】 【 ロバート・A・ハインライン 】 【 椎名麟三 】 【 鈴木哲夫 】 【 平岩外四 】 【 キャロル・ウィルボーン 】 【 いしいひさいち 】 【 片山右京 】 【 世間を知る 】
【 親の苦しむ姿 】 【 不可能と言われる 】 【 過去にとらわれる 】 【 想像力の強さ 】 【 世界一の企業 】 【 愛せる喜び 】 【 心を込めた挨拶 】 【 自然の著者は神 】 【 自分のペース 】 【 外界によって定められる 】 【 作曲 】 【 目標を選ぶ 】 【 姿勢の問題 】 【 手近な防衛 】
|