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[ 名言 ]
ぺちゃんこにされた廃墟の静けさのなかから、
ふと向うから何かわけのわからぬものが叫びだすと、
つづいてまた何かわけのわからないものが泣きわめきながら
僕の頬(ほお)へ押しよせて来た。
あのわけのわからないものたちは
僕を僕を僕のなかでぐるぐると廻転(かいてん)さす。

[ 出典 ]
原民喜[はら・たみき]
(大正〜昭和の詩人、小説家、1905〜1951)
「鎮魂歌」
『群像』(昭和24年8月号)掲載
『夏の花・心願の国』に収載

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[ 全文・続き ]
〈全文〉
すべての瞬間に破滅の装填(そうてん)されている宇宙、
すべての瞬間に戦慄(せんりつ)が潜んでいる宇宙、
ジーンとしてそれに耳を澄ませている人間の顔を
僕は夢にみたような気がする。
__ Link __

僕にとって怕(こわ)いのは、
もう人間関係だけではない。
僕を呑もうとするもの、
僕を噛もうとするもの、
僕にとってあまりに巨大な不可知なものたち。
__ Link __

不可知なものは、
それは僕が歩いている廃墟のなかにもある。
僕はおもいだす、
はじめてこの廃墟を見たとき、
あの駅の広場を通り抜けて
橋のところまで来て立ちどまったとき、
そこから殆(ほとん)ど廃墟の全景が展望されたが、
ぺちゃんこにされた廃墟の静けさのなかから、
ふと向うから何かわけのわからぬものが叫びだすと、
つづいてまた何かわけのわからないものが泣きわめきながら
僕の頬(ほお)へ押しよせて来た。
あのわけのわからないものたちは
僕を僕を僕のなかでぐるぐると廻転(かいてん)さす。
__ Link __


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