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新年正月の俳句・川柳
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｜101−150｜
101.
元朝の足袋の真白をきゆつと穿(は)く
（ 宇多喜代子 ）
（ Uda Kiyoko ）
102.
畳目(たたみめ)のきれいに見ゆる初明り
（ 高橋雅世 ）
（ Takahashi Masayo ）
103.
文鎮の重さに今年始まれり
（ 柴田いさを ）
（ Shibata Isao ）
104.
この世よりあの世思ほゆ手毬唄
（ 大野林火 ）
（ Oono Rinka ）
105.
太箸(ふとばし)や眉にも白を加へたる
（ 森澄雄 ）
（ Mori Sumio ）
106.
炉がたりも気のおとろふる三日かな
（ 飯田蛇笏 ）
（ Iida Dakotsu ）
107.
初あかりそのまま命あかりかな
（ 能村登四郎 ）
（ Nomura Toshirou ）
108.
餅飾る役目を父は譲らざり
（ 高倉和子 ）
（ Takakura Kazuko ）
109.
人のつく手毬次第にさびしけれ
（ 中村汀女 ）
（ Nakamura Teijo ）
110.
とほくから遠くの空へ初日さす
（ 西川火尖 ）
111.
何も無きことなどはなし初景色
（ 八田木枯 ）
（ Hatta Kogarashi ）
112.
初日まつ心しづかにたかぶりぬ
（ 富安風生 ）
（ Tomiyasu Fuusei ）
113.
大いなる果実(かじつ)のやうな初日の出
（ 金子敦 ）
（ Kaneko Atsushi ）
114.
元日の軍人酔うて哀れなり
（ 菅裸馬 ）
（ Suga Raba ）
115.
にべもなく新年きたる机辺(きへん)かな
（ 小池文子 ）
（ Koike Fumiko ）
116.
ことごとく今年の星となりにけり
（ 大峯あきら ）
（ Oomine Akira ）
117.
人ごとのごとき正月迎へけり
（ 鈴木真砂女 ）
（ Suzuki Masajo ）
118.
七転び八起の破魔矢しかと手に
（ 鈴木真砂女 ）
（ Suzuki Masajo ）
119.
揃ひたる家族よせめて三ヶ日
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
120.
初電車待つといつもの位置に立つ
（ 岡本眸 ）
（ Okamoto Hitomi ）
121.
初髪の鼻筋に日のかぐはしく
（ 深見けん二 ）
（ Fukami Kenji ）
122.
焦げ目ある餅の香(か)の立つ雑煮(ぞうに)かな
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
123.
結局は何もせず過ぎ三ヶ日(さんがにち)
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
124.
ちちははも夫も仏や初明り
（ 上野章子 ）
（ Ueno Akiko ）
125.
まだ稼ぐのど温めん初湯かな
（ 小沢昭一 ）
（ Ozawa Shouichi ）
126.
正月を月下美人のつめたき葉
（ 秋元不死男 ）
（ Akimoto Fujio ）
127.
初旅と言へず仕事の上京は
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
128.
踏みはづし片羽根をつく初鴉(はつがらす)
（ 秋元不死男 ）
（ Akimoto Fujio ）
129.
笑初(わらひぞめ)何かいたづらしさうな目
（ 稲畑汀子 ）
（ Inahata Teiko ）
130.
初明りつめたき匂ひあるがよき
（ 能村登四郎 ）
（ Nomura Toshirou ）

131.
舞ひ終へて金色さむし獅子頭(ししがしら)
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
132.
常ならぬ世にありこれの松飾る
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
133.
一年の計にピーナツの皮がちらばる
（ 池田澄子 ）
（ Ikeda Sumiko ）
134.
臥(ふし)てきけばさびしきものよお万歳
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
135.
やごとなき一筆(ひとふで)かきや宝船
（ 黒柳召波 ）
（ Kuroyanagi Shouha ）
136.
真白さのつくばねうけよ初御空(はつみそら)
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
137.
二日はや雀色時(すずめいろどき)人恋し
（ 志摩芳次郎 ）
（ Shima Yoshijiroiu ）
138.
口中(くちなか)に母のくつつく雑煮かな
（ 岡本久一 ）
（ Okamoto Hisaichi ）
139.
血統の細くなりゆく手鞠唄
（ 篠崎央子 ）
（ Shinozaki Hisako ）
140.
乗初(のりぞめ)は子の押しくるる車椅子
（ 後藤比奈夫 ）
（ Gotou Hinao ）

141.
何かして何か汚して年始まる
（ 岡本眸 ）
（ Okamoto Hitomi ）
142.
間八(かんぱち)の尾鰭(おひれ)に打たれ年新た
（ 宮坂静生 ）
（ Miyasaka Shizuo ）
143.
屠蘇散(とそさん)や夫は他人なので好き
（ 池田澄子 ）
（ Ikeda Sumiko ）
144.
独楽(こま)に巻くなみだの紐のはてしなき
（ 澁谷道 ）
（ Shibuya Michi ）
145.
わらんべの二人出てゐる初景色
（ 大峯あきら ）
（ Oomine Akira ）
146.
買初(かいぞめ)にかふや七色唐辛子(なないろとうがらし)
（ 石川桂郎 ）
（ Ishikawa Keirou ）
147.
路地裏もあはれ満月去年今年(こぞことし)
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
148.
松飾り一億のこころ今ぞあらた
（ 三橋鷹女 ）
（ Mitsuhashi Takajo ）
149.
塞翁(さいおう)が馬にまたがり去年今年(こぞことし)
（ 岡本久一 ）
（ Okamoto Hisaichi ）
150.
福寿草金魚の墓に群れてをり
（ 篠崎央子 ）
（ Shinozaki Hisako ）

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